1話 ミリティア、街へ行く
リラに案内された城下町は人が賑わって、沢山のものがあった。美味しそうなもの、可愛い服、綺麗な宝石を売っている店もある。
「どーお、ミリティア。この街って居心地良いでしょ?」
楽しそうに走っていくリラ。手にはさっき買った、ドーナツを持っている。
「そのドーナツ、おいしいでしょ?私のオススメ!」
私の持っているカスタードドーナツを指差しながら、また笑った。
「リラのは何味?」
「私はチョコ味!一口食べる?」
リラは自分のドーナツを差し出しておいしいよ!と言う。じゃあ、とチョコドーナツを一口貰うと、それはまた美味しかった。
「ホントだ。おいしいね、ありがと。ところで今はどこに向かってるの?」
「噴水がある中央広場!」
中央広場⋯一体何があるんだろう。
「見て!このお城!すごーく大きいでしょ?」
リラの言う中央広場はエンライ卜城がよく見えるところだった。近くから見ると城というものは迫力がある。
「きれいなお城⋯もっと近くに行ってみたいくらい」
そう言うとリラは私の顔を覗き、
「行きたい?行きたいよね!じゃあ行こう!!」
キラキラと顔を輝かせて行く気満々。私はリラが一体どういう子なのかいまいち分からない。
「⋯ていうか行けるの?普通の人はいけないものでしょ?」
「あははっ!大丈夫だよ、私はこの国の王族とは昔からの⋯えーと、知り合い?友達だから!」
「でも私は知り合いじゃないよ?」
「大丈夫!私もいるし、安心安心♪」
大丈夫なのかな⋯。不安しかない。行くのを断ろうと思ったその時。
「じゃあ行くよ!転移魔法、発動!」
「は⋯?」
なんだここは。なんか豪華な飾りに、シャンデリア。赤くていかにも高級そうな絨毯。
「まさか⋯」
「やっほー!エンライト城到着!」
「嘘でしょ⋯?ねえリラ!ここが城なんて嘘だよね、私、不法侵入?みたいなのしてない?」
「えっ?大丈夫だいじょーぶ!さっき言ったじゃん、私この国の王族とは仲がいいの。だから全然平気!」
「そういう問題じゃないし!早く帰らせて!」
そう言うとリラはえー?と言いながら仕方ないなと中央広場に戻ってくれた。
「どうしてよー別にいいじゃん、せめて美味しいお菓子くらい盗んできたかった⋯」
「あ、それは先に言ってくれればって違う!そんな私が無断で城に入ったら捕まるでしょ!」
「ミリティアもお菓子は食べたかったんじゃん。ま、明日行こっか。いろんなところ連れ回しても疲れちゃうし⋯」
「明日も行かないよ⋯ん?」
さっきからやけに騒がしい⋯何かあったのかな。
「んー?はっ、この気配は⋯うーん、ミリティアこっちこっち!今はまだ会わせたくないから!」
「えっ?分かった⋯」
何も分かってないけどね。何があったのかな⋯まあ、私には関係ないか。私とリラは人の少ない野原のほうへ駆けていった。




