2話 ミリティア、木陰でリラと話す
リラと私は野原の木陰に座って、静かになった。少し疲れていたのだ。
「ねえ、リラ。さっき聞くの忘れたけど、リラは私のことを知っているの?」
「⋯うん、もちろん知ってるよ。知らなかったら今私はミリティアと会っていないもん」
「じゃあ昔の私はどんなだったの?私はリラとの記憶も、私のことも分かんないの。」
そう聞くと、リラは困ったように笑った。
「教えてあげたいけど⋯それは私の役割じゃないのかも。言ったら怒られちゃう。ミリティアは記憶を取り戻したい?」
空気が変わった気がした。リラは私の返事を待ってるんだ。
「記憶、取り戻せるの?取り戻したら、私はどうなる?」
「それはミリティア次第。私には分からないよ。私は手伝いしかできないから。ミリティアの思い通りになるべくしてあげたいとは思ってる。別に無理して思い出さなくて良いんだよ」
落ちてきた葉っぱをいじりながら淡々と述べた。今までのリラみたいに元気がなかった。
「リラ、私はどんなことをしても取り戻してみせる。ずっと分からないままじゃ気分が悪いからね」
「そっか⋯良かった。じゃあまずどうする?」
ひとつ、と指を一つ立ててこう言った。
「色んな国をまわれば少し思い出したりするかも知んないけど⋯このエンライト王国には歴史ある図書館があってね、私は貴族じゃないけど許可されてるからミリティアも入れると思うんだ!そこでちょっとお勉強したほうがいいかも。他の国行ったとき困ったら大変だし」
それから、とリラはなぜか興奮しながら
「ルスキア王国にあるルスキア魔法学院に通うのもいいかも!⋯あそこだったらあの方もいるし安心!」
「さっそく図書館行くよ〜っ!やることが山積みすぎて笑えてきた!楽しくやっていこうね〜っ」
「は?お勉強なんて嫌に決まっ⋯ねえ聞いてるの!?」
レッツゴー!とまたうるさくなっているリラに引きずられながら私は思う。
さっき言ってたあの方って誰のこと?
後で聞こう、今のリラには話が通じなさそうだし。リラはいつも何を思っているんだろう。ただその疑問が私の脳内で尽きなかった。リラはいつも何かはっきりしないような瞳をしているから。




