クラス
試験も終わり俺は今日から通うクラスに案内された
と言っても今日はもう昼もすぎて空が朱に染まる寸前だけれど
そういえば、この学園の施設は思った以上に豪華だった
面積は恐らく東京ドーム三、四個分はあるだろう
寮と食堂、修練場の種類もかなりある。弓、剣、魔法もさる事ながらいろんな技術に対応している
闘技場から数分
四方に別れた校舎の北校舎三階一ノ六と書かれている教室に案内された
「ここが今日から通うクラスですよ。紹介をしますので呼んだら入ってきてください。」
「えー、今日は新入生がいます。アスラン来てください」
入ってみると三十人程度の生徒たちが大学の講義室のように段々の机に座っていた
「今日からみんなと同じクラスになったアスラン君です。仲良くするように。アスラン挨拶を」
「アスランです。北より旅をしていましたが、ミラさんの推薦で急遽入学しました。未熟なこの身の全力をもって学びますので皆さんもよろしくお願いします。」
うん我ながら実につつましい挨拶だと自負できるな
そんな中すっと最前列の少女が立ちあがる
「よろしくお願いしますアスラン君。私はミラーナこのクラスの代表をしています。気軽に声をかけてくださいね!」
明るい彼女の挨拶を皮切りにクラス全員の自己紹介を受けた
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「では午後の授業と言っても最終限ではありますが始めましょう。アスランはミラーナの隣へ座ってください。教科書については後ほど配布します。では今日は初級魔術についてです。当然初級魔術は誰しもこの学園の者は使えます。中級に到る生徒も何人かこの中にいるようですが。今日は初級魔術の短詠唱について細かくやりましょう。基本的に魔術は使えば使うほどその魔術が得意になります。短詠唱はその慣れによる副作用のようなものです。ただしここではそれでは終わらせません。」
そういってミラはコップをもってきて教卓に乗せた
「ケビン君初級水魔術『水球』の詠唱文は?」
「はっ、はいっ!えっと、『水よその恵みを我が手に集え』です。」
「いいでしょう正解です。短詠唱を用いればこれの何倍も速く魔術を使うことができます。」
そういうとミラはコップの上に手を置き『水』と一言つぶやくと
蛇口から出る水道水のように勢いよく水が現れた
クラスメイトのほとんどが感嘆の声を上げている
さらに別のコップに同じように水を灌ぐが、今度は勢いを変えて入れている
「このようにほぼ詠唱なしでも水を出すことができます。詠唱とは体の中の魔力をつかむ所作と考えなさい。それを短くしても慣れればこのように威力調整可能です。今日はとりあえず初級だけでも練習してみましょう。」
「では、はじめ...」
「先生、俺はそのくらいできます!」
一人の男子がしゃしゃり出てきた。
確か、モルとか言ったかな?感じ悪くてよく覚えてないや
「そうでうすか、だから何です?」
ミラは若干あきれているのだろう、対応が雑になっている
「もっと先の中級以上のことも教えてくださいよ。」
あぁ、クラスに一人はいる「僕はほかの奴よりすごいんだ!」マンだよ
「そうですかならやってみてください」
「はい!『水』!」
モルが唱えてもちろっと数滴雫が垂れるだけだった
「あれ?『水』!『水』!あれ!?」
くっそ驚いとるやんマジワロた
クラス内でもクスクス声が聞こえる
「くぅぅぅぅぅぅ...」
悔しそうなモルの真っ赤な顔がまた悲しい、できないならやらなきゃいいのに
でも中級を若くして使えて天狗になってたんだと優しい目で帰っていくモルを見送る
その後ろ姿をミラがあきれ顔で見ていた
「では今度こそ始めてください。」
この合図でやっと始まる授業
俺以外のみんながすくすくと練習をし始めた
ちなみに俺は少し疲れたので睡眠に入った。
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その頃最上級生バナックの教室
「はっはっはっ!いやー実に気持ちのいい負けだった!真向勝負で負けるのはいつ振りか!」
バナックは自分のクラスでアスランとの試合を話していた
「俺の十字首切りは完全に完成していた。あとから行動して、いや真正面からの勝負であの技を破れるものなど何人いるか!いやー次に戦う時が待ち遠しいのぉ!」
などと大声で吹聴しやがって
しかし、本当にその新入生が勝ったのならそいつに勝てば俺のほうがバナックより上?
そうじゃないか!こうしちゃいられないさっさとそいつを倒して俺がお前を見返してやるぞバナック!
俺は急いで一年の教室にこっそり向かった




