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聖典のアルカナム  作者: ヌキヤ讃岐屋
第一章 学園(前編)
4/49

あの自称神にこの世界へ送られてからはや二年

この体の元の持ち主の家でみっちり修行を受けさせられた

貴族のパーティ礼儀から話し方

戦闘技術に魔術、拳闘術に祈祷術

俺はその全てを軽く飲み込みこなしてきた


この世界は基本的に技術を百パーセント習得できる者はいない

いても一系統に限る(ちなみに先に述べた四系統+三系統の計七系統がこの世界の技術形態であるという)

俺は剣術と魔術を百パーセントの力で引き出していると神官が言っていた


俺はこの世界にきて楽しく感じている

あんな退屈な毎日ではなく、常に己を高め達成感を感じ充実している

だけど俺にはやることがある

この兄弟の約束を守る、それが俺の胸に刻まれている人生だ


北の聖国王都から三月

そこは聖国の領土の最南端の村、コダ村

さらに一月で、世界の中心の街塔の下の街アヴァロンに着く

とりあえず俺の目的地はそこだ


------


コダ村からそろそろ一月

進路があっていればそろそろアヴァロンに着くはずだが


ザザッ


足音か

索敵(エリア)

『索敵』は範囲索敵用の技だ、剣の(つば)を高速で抜き差しして鍔なりによる音で周囲から帰ってくる音を聞き敵の数を知ることが出来る

かなりの練度と集中力を要するが慣れれば一定の材質、例えば鉄などは音の反響の時に位置がわかるため防具や武具の材質まで分かってしまうという優れもの

元の世界のソナーそのまんまだ


敵の数は十二と一?か

一人だけエリアを避けた奴がいるな、まぁ避ける動作で出た音を捕まえて分かってしまったわけだが…


数分たっても襲いかかって来ない

トイレとか休憩の時を伺っているのだろうか?もう気づいているのになぁ…

俺は挑発も含めて

「あのぉ、さっきから鬱陶しいんですけど僕に何か用ですか?」

ブラフと思って出てこないならまだ頭の回るヤツがいる分注意しなければならない

が、出てくるようなら注意することもないのだけど


「へっへっへ、気づいたのか兄ぃちゃん、やるじゃねぇか。へっへっ」

うわー、雑魚キャラオーラ全開とかRPGのレベリングよりつまらない演出だなぁ


「それで?あなた達は俺に何の用ですか?先を急いでるのであまりお時間を避けないのですが」

ここはそう、穏やかに相手を怒らせ無いようにね

さっきはおびき出そうと思って挑発したけど

いざ出てくれば相手にしてもしょうがない奴らだ

あとあと面倒なことになるのは嫌だしなぁ...


「おい兄ぃちゃん、あんまり図に乗るな?主導権はこっちにあるんだぜ?」

また後ろから知らんヤツが喋り出す

なにかい?リーダーらしき男が啖呵切ってるのに下っ端もでしゃばりかい?


「まぁ、いい、さっさと金とものを置いて去りな。素直にいうこと聞くなら怪我ぁしないで済む。」


「いやいや、俺はしがない旅人です。金なんか持ってませんよ?」

露骨にイライラ顔をしだす。

きっとアレで怯えると思ってるんだろうなぁ~


「主導権はこっちにあんだよ、さっさということ聞くのが身のためだぞ?」


うーん、街でのことを考える、そう思い腰の皮の入れ物を見る。

中には金貨が二枚と銀貨十枚銅貨が数枚と言ったところか

この先のことを考えると渡すわけにはいかない


「渡せませんね」

一言言うと


「殺っちまえッ!!」

合図で動き出す野盗たち


動き出す野盗たちに合わせて

「『地雷(マイン)』!!!」

そう言って剣を地面に突き刺す

俺の魔術が近寄る野盗たちに直撃する


ポトポト


数秒の後野盗は壊滅した

全員が爆ぜた土の下に埋れかけながら気絶している


地雷(マイン)は範囲振動式の魔術だ

俺のオリジナルで、地中に剣を突き刺しそこから風魔術で地中の空気を一気に波打たせて地面を陥没させることが出来る

力加減を間違えれば自分も巻き込まれかねないちょっと使いずらい魔術だが今回のような囲まれた状況では役に立つ


ザッザッザッ

また野盗か?

そう思ってると草陰から女が一人出てきた


女はキョロキョロ周りを確認し俺に近づくと

「見つけた!!」

と言って俺の手に手錠をし、その反対側を自分の腕に付け引きずりながらどこかに歩きだりてしまった

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