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聖典のアルカナム  作者: ヌキヤ讃岐屋
第一章 学園(前編)
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続新人戦 決勝アスラン

「2人ともありがとう···よく頑張ったよ···」

倒れ込んでいるルフェイとお姫様抱っこで会場の隅に運んだミラーナを順に見て呟く


「やるじゃないか?君の仲間は凄まじいね、よく分からんがラミレスは自信満々でさっきの戦いの中でも明らかにラミレスが優勢だった。にもかかわらずルフェイさんはラミレスを打ち破った。ミラーナさんだってそうだ、あの2人を同時に相手取る選手などこの世に何人いようか?そう思うだろうアスラン君?」

不敵な笑みで語りかけるレイ·エルモアナ


「自慢の仲間達だよ彼女達は!俺も彼女達に続かないとね···」


「ククク···クハっ、アハハハハ!!愉快なことを言うねアスラン君!!そうか、君は勝つ気でいるんだね!そうかそうか!」

様子が急に変わったレイ·エルモアナはギロりとした目で俺を睨む


「つまらないなぁ···もっともっと強くあって欲しいのに···所詮君は···」


「何を言っている?」


「それはね?こういうこと···サッ!!」

全力でダッシュしてくるエルモアナ

俺が避けようとした刹那彼女の手が突然伸びたように見えたかと思うと俺の服に掴みかかり貫手を放つ


俺は身体を大きく回転させて首元で相手を邪魔するように顔面に蹴りを入れる


ブフっ!!

顔面に的確な蹴りが入り鼻から血を流すエルモアナ

「フフッやるじゃないか?でもこの通り無傷だがな?」


「今血が出てた···だろ···」

見てみると鼻から血が出た痕跡はなく

顔には誇り一つ無かった


「そら次だ!」

そう言ってパンチを連打してくる

ボディブロー、カウンター、ストレートにジャブとボクサーのように鋭い攻撃が連続する

けれど俺はその一切をいなして返す

何本か当たっても気づけばすぐに無傷に戻っている


「何でだ?って顔だね?まぁ当然だね。私が傷つくことなんかないんだからね···」

次の瞬間後頭部に強烈な1発が入る


思わず膝を地につけた

すると彼女は歩み寄ってくる


「君は『レイ』の呪いを信じるかい?」


彼女が言っているレイとは名のことだ

レイは本来光に近い意味で通っている

けれどある英雄の呪いからレイと名のついた人間には人として大事な物と引き換えに圧倒的な力を手にするという伝承がある


「彼女、レイ·ガヘリスはイカれた戦闘狂のように感情の一部を無くされた。君もそれくらいは戦ったんだから分かっただろう?なら私はなんだと思う?」

すると彼女彼女の口元が笑い、目が哀しみの色を出す


「私はね、女として欠陥品なのさ···子宮を取られたのさ。嘘だと思うだろ?事実私には月経が来ない。何でこんなことを教えたと思う?私は呪いを解くために戦ってるんだ、だから今日は負けられない。今の君には恐らく勝てるだろう。ならこれ以上君を殴るつもりは無い」


と言った次の瞬間俺の顔面に彼女の蹴りが入る

一気に吹き飛ばされ床に転がる

「ンなわけねぇだろう!!呪いは事実だがてめぇはぶっ殺す!!」


一瞬でも可哀想と思ってしまった

負けるつもりは全くなかったけど

彼女が可哀想だと思って油断した

倒れた2人に申し訳なくて、情けなくて仕方がない


俺がゆっくりと立ち上がると追撃に入ったエルモアナの蹴りがくる


もう終わらせようか

こんなにも人を苛立たせられた試合は初めてだ···

裁きを与える者(ジャッジメント)

俺の周りに神聖な気が集まり乱舞する


光の障壁に彼女の蹴りが弾き返され後退するエルモアナ

「やっと来たな神威!!なら私も本気を出そう《覇者の舞(リンドブルム)》」


エルモアナは踊り出す

美しく流麗な動きで踊る

見たことがないその舞に俺は見入ってしまう

しかしその体には純度の高い闘気が集まる


「いくわよ?これが私の武器、私の全て!」

舞を舞いながらこちらに向かって動き出し

回し蹴りを放つ


「ッッッ!?」

その一撃は重いなんて言葉では表現できないものだった

まるで大型トラックに体当たりされたような感覚だ

俺は我慢出来ず会場の隅っこまで吹き飛ばされる


「まだまだ!」

復帰した直後に再び蹴りが迫る

連撃を受けず流し出すと今度は殴りを交えてくる


「大技もいれたらどう?《戦乙女の祈祷(ヴァルキュリア)!!!》」


毎秒2発ずつ蹴りかパンチが来襲する

「ワン·ツー·スリー!!」


「うぐぁぁぁぁああッ!!」

俺は諸に正中線へ攻撃が入り倒れる

意識が朦朧として血の匂いがする

足に力が入らず手は上がらない


「聖なる力がどんなものか楽しみにしてたけどそんな程度なの?もし倒れてるあの2人をこの状態で蹴り飛ばしてあげればもっと頑張ってくれるのかなぁ?」


1歩また1歩とルフェイに近寄るエルモアナ

「ほら?早くしないと···」

そしてルフェイのそばに着いた彼女は動けないルフェイの首を締め上げる


「ッッグッ!?」

「ほらほらもっと泣かないと彼が立ち上がらないでしょ?」

苦しそうに呻くルフェイ

がその目が俺とあったとき彼女の顔に笑顔が浮かぶ


「なんだ?その顔は?笑うとは余裕じゃないか?」


「ぃいぇ···アラ···ン様は···すぐ後ろですよ!」

俺は楽しむように首を締めるエルモアナの後ろに転移し彼女を吹き飛ばす


倒れ込むルフェイを抱えてエルモアナを睨みつける

「殺す···」

想像以上に低い声が出る

ルフェイが気絶したのを確認して俺は転移でミラーナと共に医務室に2人を転移させる


「殺す?さっきまであんなにボコボコにされてて突然強気ね?」


「うるさい黙れ···」

俺は形態を槍に変える

呪槍(ゲイボルグ)

槍を投擲する


「その程度···ハァッ!!」

エルモアナは蹴りを放ち槍を弾こうとする···が


「ッ!?」

槍が後ろから彼女の足を穿つ

「アァァアアアアア!?」


「《転移(テレポート)》」

俺は転移で彼女の前に現れる

「どうだ?自慢の足は潰れたぞ?降参しろよ?」


「フフッまだよ!」

片足で立ち上がり槍に穿たれた足を鞭のように巧みに扱う


転移(テレポート)

再び呪槍を彼女の足に放り、蹴りが当たる寸前彼女の背後から槍が刺さる

ただし今回は槍の先端のみを転移させているため前から刺さっているように見える


「お前に勝ち目はない···諦めろ」


「ふざけん···な!なんで、何で私が!?アンタみたいな中途半端なやつに!?」


俺はエルモアナに近づき話しかけようとする

彼女は反撃に裏拳を放つが俺が槍を突き刺し地面に固定する


「お前はこの試合を汚した···動けない彼女達を襲った···いいか?これは命令だ降参しろ。しないのなら···」

俺は苦悶の表情を浮かべる彼女から槍を抜き


「このまま殺す」

彼女の顔の真横に槍を突き立てる

怯えきった表情になるエルモアナ

そして唇をギュッと噛み締め

低い声で


「降参···です···」

と呟いた


「決着、遂に決着しました!この学園創設以来の大番狂わせ(キリングゲーム)1組以外の新人戦優勝チームがここに誕生しました!今年の新人戦優勝はアスランチーム!!!」


会場が盛大に沸き立つ

拍手喝采を浴びて俺は闘技場から歩き去る


その背の後ろには憎悪の瞳を俺に向けるエルモアナがいた···

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