続新人戦 決勝 ミラーナ
投稿遅れて本当にすいません
「私はレイ·エルモアナ様に仕えるカラーミだ」
「同じくレイ·エルモアナ様の配下セラです」
「私はミラーナ·クロイツァーです。アスランとは友達です···」
2組はお辞儀を交わし武器を構える
2人の仕草は優雅で美しい形だった
「私共はあなたと戦うようレイ様に仰せつかりました。2対1とは無粋の極みながら、貴方様の強さと技量には敬意を払い全力で当たらせて頂くのでお覚悟を」
「なんですかカラーミ、騎士道精神は分かりますがあまり戦いの前に言葉を交わすのは利口とは思えませんね」
「これは失礼をセラ殿しかしこれが私のやり方です、口出し無用に願おう」
カラーミはフンッと喉を鳴らし同じく武器を構える
私も杖を構え早速魔法を使う
「失礼ですが先手は取らせていただきます!水と雷の精霊よ我が敵を薙ぎ払え《雷光!!!》」
打ち出した水に伝導して雷が走る
水流は強く打ち出され雷がまとわりつき雷龍のように敵を追う
これはアスランから教わった魔術だ
ターゲットは相手の剣、PWとはいえ電気流動はあるはず
「なるほどこれは凄まじい、どれ我が剣と貴方の雷龍どちらが勝つか、一つ勝負といこうか」
カラーミは剣を振りかぶり大上段から振り切る
すると雷龍は真っ二つに断ち切られその姿は霧散する
「ふむ、我が剣とは無属性を宿す。特殊な力を断ち切るのが我が剣の唯一の力、だが俺にはそれで十分だッ!!」
一気に間合いを詰めて斬り掛かるカラーミ
《絶対防御障壁!!!》
イージスは全属性全武器に対応できるオールアンチ防御魔法
私の杖の奥義の一つ
アスラン···いやアラン様を守ると私は誓ったからこそ発現した私の武器、これが破られるわけがない!
カラーミの剣が障壁にあたる
すると剣は盾をすり抜け杖にかする
「無駄だと言ったであろう、我が剣は全てを無効化する。例え絶対の守であろうと実在する物質でなければ我が剣は全てを通り越し貴殿を貫くぞ」
「まったく1人で終わらせる気か?私にも少しは遊ばせろ」
そう言ってセラが後ろから前に出てくる
私はその一言に怒りを覚えた
遊び?私には本気を出す必要もないと思っているの?
それなら間違えと理解させる
私は再び魔法を放つ、ただし相手はセラだ
「帰結する焔《ボーンファイア!!》」
私のもう一つの奥義は詠唱無効化
最低限の詠唱のみで魔術を高速発動できる
更に詠唱無効化で消費魔力は激減される
「ほう?やるじゃないか」
高速で逃げ回るセラに焔を追尾させ続ける
もう30は放っただろう頃相手に動きがあった
「少し出すか」
そう言って一瞬足を止め構えをとると彼女の武器であるレイピアを構え目の前から消える
次の瞬間彼女が目の前に現れる
《風となれ》
風のように静かで流れるように現れる刺突
私はどうにか避けようと回避行動をとる
《土遁》
土遁によって相手の地面を塔のように盛り上がらせ剣戟の間合いからそらす
危なかった···と思った直後私の頬に一筋の切り傷が現れる
「······ッ!?」
なにが!?なにがあったの!?
「悪くない手だカラーミの言うように油断できる相手じゃないな。我が剣技を教えることは出来んがまぁヒントは鎌鼬だ。後は自分で考えろ」
鎌鼬?
鎌鼬は空隙の魔女が使ったとされる魔法
確か空気を斬り真空になった空気中に魔力で空気を集め裂傷を与えると伝えられている
だけどそんなに精密な魔力操作は今では失われた技術
それを彼女が使えるとは思えない···ならどうやって?
「ではここからは2人で攻めさせてもらう、行けるなカラーミ?」
「もちろんだ。レイ様のためこの強者を共に打ち破ろう」
次の瞬間2人は同時に斬り掛かって来た
カラーミが先に攻め後にセラが襲ってくる
前衛は防御不可で避けたとしても後衛のセラの速さは尋常じゃなく防御魔法が間に合わない
気がつけば服はボロボロになり血が身体中から流れ出している
布1枚でつながっている部分だってある
「我らの攻撃をここまで耐えるとは···貴方は本当に強い。たかだか伯爵家の者とは思えないな」
「それは···ハァハァ···どうも···」
もう息も絶え絶えで魔力も尽きる寸前で
アスラン私勝てないかも···
「次で仕留める、もしこれを耐えきったなら貴殿の勝利でも構わない」
「あぁ、だが我らが奥義を破るなど不可能だがな」
「さぁ今こそ見せよう私の剣の奥義《風神降臨》」
膨大な魔力が解き放たれ彼女の剣から風が吹き荒れる
「風は人を癒し人を傷つける諸刃の剣。この剣は風の全てを体現する剣だ、今からこの風を全て解き放つ」
「同時に俺が斬り掛かり逃げ場をすべて消す」
「もし私の風に触れれば最高位の治癒魔術クラスでないと回復できない傷がつく」
「さぁ、行くぞ!」
「ハァッ!」
「《千斬撃!!!》」
千の死の風と無効化の剣が眼前に迫る···
後退も前進も、逃げ場などもう無い
私の持ち手では彼の剣は破れず
私の技術では彼女の魔法をかわせない
八方手詰まり、私は結局アスランの役に立てなかったなぁ···
『そんなことないぞ?諦めなければ勝機は必ず現れる』
ッ!!
ふとアスランが言ってくれた言葉を思い出した
諦めることはありえない、ありえるのは後悔だけは
倒されて悔しいと、失敗したという記憶だけが残る以外全ては諦めたことになるんだ
だから諦めちゃダメだ。諦めたら後悔する権利すら与えられ無いのだから
そこでもう一つ思い出す
『いいミラーナさん、アラン様に言われたから一つだけ技を教えてあげる。技の名前は《反射》相手の魔法を反射して自分が使用する技だよ。ただし相手の技を一度見るか、タイミングを合わせて有無を言わさず返すかの二択だから失敗したら確実にやられる。まぁ失敗しないよう今日みっちり教えるんだけどね』
そうだ、ルフェイさんの《反射》ならあの技を返せる!
カラーミの剣が迫る
私はイージスを発動して防ごうとする
対象は全方位、これで風の斬撃は回避可能
次に彼の剣だ
剣が私の障壁を通り過ぎる寸前魔力の流動を起こし全ての魔力を外に向ける
彼の剣は魔法をねじ曲げて一時的に剣の周辺を魔力枯渇の状態に変化させている
だから最初の雷龍の電撃が感電することもなかった
今回はそれを逆手に取り発動した彼の魔力枯渇空間の範囲を外側に魔力の流れを操って無理やり変化させた
「···ッッ!?」
「···ッ!?」
彼の剣は私の盾に弾かれ、そのまま反射した風により切り裂かれた
同時に光に包まれて医務室まで飛ばされる
更に反射した風はセラをも襲い彼女をカラーミと同じような状態にした
私自身はイージスの中で彼女の魔法を防ぎきったため無傷で済んだ
「やった!アスラ···ン···」
あれ?
立てない?
何で!?せっかく!?アスランに褒めてもらおうと思ってたのに!?
薄らと揺れる視線の先にはアスランがいた
アスランはそっと私を抱き抱えてどこかに連れて行く
そして私の意識は飛んだ
その直前
『よくやったミラーナ』
私は出せない声を心の中で全力で叫んだ
『アスラン、私は頑張ったよ!!』




