新人戦3
第一回戦
相手は隣の1年7組Aチーム
五人編成でリーダー含め3人が鎌使い残り2人が弓使いという不思議な組み合わせだ
鎌の特性はリーチと変則攻撃にある
しかし鎌の攻撃は重く次へ繋ぐのは難しい
そこを弓で穴を埋めていくのがセオリーか?
ルフェイは今回1人で全てを倒すと言い放ち
止めても「私ならできます!信じてくださらないんですか?」
とうるうるした目で見られると俺も何とも言えなくなる
実力的にはきっと余裕がある
しかし、今回は特別枠にて参加のため武器はただの鉄剣なのだ
PWには普通、ただの鉄の剣など歯が立たない
まず硬さが圧倒的に違いすぎるしPWの特殊能力はそうそう敗れるものではない
よく歴史の名将は忠臣を信じずして何を信じる?とかかっこいいことを言って仲間を送り出すけど俺に は心配して何が悪い?と思う
大切な人だからこそ心配するのに、信じて送り出せなど俺にはとても辛い決断に思う...
でも、始まるものはしょうがない
信じることを知らなければ俺は約束にはたどり着けないだろう…
「では、初日3回戦、アスランチームVSサトウチームの試合を始めます!試合開始!!」
相手方の名前日本人じゃねぇか!
試合開始よりこっちの方が気になってしまった...
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ルフェイは剣をただ悠然と持ち一歩ずつ相手に近づく
その体には剣気を帯びている
相手のチームは動かない、いや動けないんだろう
動けば確実に1人倒されることが分かっているから
ルフェイは後の技を極めた者
つまり先に動けば対応策を用いてもやられる可能性があるわけだ
ルフェイの通り名は在らざる者と呼ばれている
由縁は俺には使わなかった技反射から来ている
去年の学内戦で彼女は一度も魔術を使わなかったという
そう、彼女は自らを縛って戦っていた
つまり彼女は純粋な剣術で戦っていたんだ
ちなみに、反射は聖国剣術の中でも難関の部類にある
あらゆる攻撃にをはじき返しあまつさえそれを用いて攻撃する
攻略の手口は多くはないが、方法としては相手に攻撃のタイミングを掴ませない
反射で一番難しいのはタイミングだ、僅かなミスで発動しない
が、彼女は後の極み
後出しにおいて絶対権限をもつ
彼女の歩みはついに相手の目前に届き、ついに相手も動き出した
「散会ッ!俺が必ず1本防ぐだから···!」
リーダーのサトウは初手を防ぐ算段をつけたのだろう
しかし、遅かった
ルフェイの右手は頭の横にある
そしてサトウの胸には切れ込みが入っている
サトウの体が光に包まれて広場から消える
医務室まで強制転移されたんだ
『···ッ!?』
相手方は何が起きたのか分からなかったのだろう
あわてふためき統率が取れていない
結果各個撃破、現在進行形でルフェイになぶられている
それにしても凄い精度の技だな?
反射をあんなに見事に使うなんてモルガン卿とてあの精度で扱えるかどうか…
あのレベルなら俺達の代の円卓に名を連ねても変じゃない
さっきのリフレクトは相手の鎌の魔力を返していた
きっとサトウの鎌の能力は動かずに不可視の刃を放つもの
ルフェイそれを魔力の集中から理解し跳ね返した
もしかして...
「アスラン様!私はやりましたよ!どうですか?見直しましたか!!」
興奮冷めやらぬ様に続けざまにくるな…
というか、さり気なく抱きついて胸を当てないでくれるかな!?
ルフェイの胸はその歳としては充分に育っている
あぁ、理性がァ!!
「ちょっとルフェイさん!離れてください!アスランが嫌がってます!」
俺の様子を察したミラーナが助けようと、否引き剥がそうとするが
「ミラーナさん?私が1人で倒しきったら?分かるかしら?」
ミラーナはズズっと引き下がると「しまった!」と呟いていた
「勝者はアスランチーム!圧倒的過ぎるランキング5位の実力!これは大会運営的に大丈夫なのでしょうか!?」
確かにこれは圧倒的過ぎる
あれが7組Aチーム、7組最強だ
つまりあれでは7組がもう俺たちに勝てないということになる
「いえ、ルフェイさんには必要以上にハンデを負ってもらっています。PWを使えば充分に勝つ余裕はあります。彼らには失礼ですが練習不足でしょうね…」
そういうのは黒い学生服に身を包みほかの生徒とは違う雰囲気を放つ青年
いつからあそこに?
「おぉっと!何となんとぉ!ランキング2位ベリアル様が来てくださいましたぁ!握手してください!」
その瞬間会場中から歓声とアナウンサーに対する女子の罵倒が飛んでいったい
「ルフェイ少し話がある、2人だけでだ」
そう言って俺はルフェイを連れ出した
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「どうしましたアラン様?なにかあったのでしょうか?」
「ルフェイ、君は魔眼を持っているね?しかも神眼を」
ルフェイの体は少し震える
聖王国にて魔眼とは化物の証とされる
人以外の種族の血が混ざった混血だと差別されてきた
しかも神眼だ、神眼は魔術を読み取り相手の行動も心すら読むことが出来る
そんな眼を持つものが聖国で普通に思われる理由はない
「そ、そんなわけないじゃないですか...。それにもしそうだとしたらアスラン様は私をどうしますか?私を軽蔑...するんでしょうか…?」
はぁ、やっぱりそうなるよな
いじめられるのは怖い、それが生まれつきであるなら尚更その理不尽に嫌気がさすだろう
「俺はそんなことで差別はしないし、ルフェイを突き放す気もない。俺はあの国のそういう所が大っ嫌いだった。だから気にするなよ?神眼は最強の武器だ、ルフェイがだけがもつルフェイだけの武器だだから、誇れるようになればいい。それだけだよ」
そう言って俺はルフェイの頭を撫でてやる
ルフェイは背がちっちゃめだから撫でてあげやすい
まるで妹みたいに懐いてくれるルフェイをついつい撫でてしまうんだ
「うっ...うっ......ぐずっ」
泣き出すルフェイをしばらくの間ずっと抱き抱えて
頭を撫で続けた
---ルフェイ---
私はずっと認めて貰えなかった…
この眼を知られれば家のみんなに迷惑がかかる
魔眼は魔力を使うと自然と発動してしまう
だから私は魔力を使わなくていいように剣を極めようとした
今回の新人戦で魔力を使ってしまった
仕方ない、武器が武器だ
でもこの眼に気づいた者はいないと思ってた
1人だけ居た、一番知られたくない人に知られた
アラン様は私の動きで全てを知った
きっと私はきっと軽蔑されるのだろう、せっかく仕えたいと思う方に付けたのにこんな終わり方をするなんて
もういっそ死にたいと思った…
でもアラン様は違った
魔眼は私の力だ、それを誇れとおっしゃってくれた...
軽蔑することも無くむしろ私を認めてくれた…
私はみっともずっと泣いていた
ひとしきり泣いてもアラン様は私の頭を撫ぜ続けてくれた
私は何を返せるのだろう?
私を救ってくれたアラン様に何を返せるのだろう?
まだ分からない
けど、私はどんな形であれアラン様について行きたい
私は心からそう思った…




