約束
あの熱い入学式の翌日
俺は既にぼっちになっていた...
いや、分かるよ分かる、多分俺も突然入ってきた新入生が上級生をボコボコにしたら確かにからみずらいけど
こんな見世物みたいなハブられ方はないでしょ!?
クラスのみんなは俺から距離をとるように座っている
入口はほかのクラスと思われる生徒がこっちを物珍しそうに見てるし
「あ、あの、アスランくん...」
その声はミラーナ!きっと俺をボッチにしないよう声を掛けてくれたんだ...なんて優しいんだ!?こんなに優しい天使の様な娘を俺は知りません!!
と思ったけど様子が少しおかしい
頬を赤くしモジモジとしているし、服もいつもの制服だが整えられ何とも...萌える感じだ...
「おの、その、昨日はありがとう...ブラッド様に謝っていただきましたしその、わ、私のじゅ...純血まで救っていただき本当にありがとうございました...ッ!」
顔から今にも火を吹きそうな顔だなぁ
「気にしなくていいよ、俺があんなやつにミラーナは勿体ないと思って勝手にやっただけだし。それよりもミラーナがひどい目に遭わなくて本当良かったよ、むしろ巻き込んだのは俺だし本当にごめん」
あいつは俺と戦うためにミラーナを辱めたんだ
謝るのは俺の方だよな...
「そ、そんな!アスラン君は助けてくれたんです!じゃ、じゃあオアイコってことでいいですよね!」
はぁ、本当に良い子だね
あの約束がなければコクってたかも
「それで、そのアスラン君。明日の夜、う...家で食事でもどうかな!?父が是非招待したいって言ってて!?それでその、どう...かな?」
上目遣いでそんなお願いされたら断れないやん!
俺は申し出を受けて明日の夜ミラーナの家に行くことになった
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「そのため上級魔術はあくまで魔力総量自体が増えるだけで基本は初級魔術と変わりません。つまり初級魔術を極めれば必然的に上級に至れます。そして使うためには魔力総量を増やす必要があります魔力総量を上げるには......」
と今はミラの授業中だ
上級魔術を使えるようにする方法として初級をやる
基礎を積まなきゃ家は建てられないってこだ
横からミラーナが声をかけてくる
「あのさアスラン君、その、アスランって呼び捨てにしてもいいかな?」
はぁ、ミラーナはめっちゃ可愛いこと言うなぁ
なんだろう、惚れちゃう、俺惚れちゃうよ?
「うん、当然いいよ、俺もミラーナって呼んでたし気にしなくていいのに?」
「そういうことじゃないのに...」
頬をプクッと膨らませて拗ねるミラーナ
マジ天使...
「では練習を始めてください」
さぁ、今日も初級魔術の練習だ
するとミラーナが俺の方に向き直り
「アスラン、私に魔術教えてくれない?」
「え?俺でいいの?そんなに魔術得意じゃないんだけど」
つい謙遜から入ってしまう
日本人の悪い癖だな
初級魔術くらいで謙遜は変だったろう
ミラーナは首を横に振り
「そんなことないよ、私たちにも多分上級生の殆どの生徒にはあんなすごい魔術なんて使えないよ!」
なんか面と言われると照れくさいものがあるな
それにあの瞬間、俺は半分自分じゃないからあんまり達成感はないけど
「うん、いいよじゃあやろうか。えーと...」
「あ、あの!」
ん?あれ確かこの子うちのクラスのえーと
「あの、アスランさん!私にも、その、魔術教えて下さい!!」
深々と頭を下げる金髪ツインテールロリ
「あぁいいよ?じゃあ三人でやろ...」
「アスラン君!私も!」「いやいや、私も!」「ずる~い!ねぇ、なら私も!」
と何人も増えてしまった
一人増える度にミラーナの頬も膨らんでいた気がしたのは気のせいか?
「じゃあ、みんなでやろうか!」
俺の先生タイムが始まった
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その夜寮の俺の部屋
今わ深夜十一時を過ぎた頃
眠りかけていた俺は誰かの気配を感じた
シュッ!
放った手刀の先にはミラーナが立っていた
顔は真っ赤で服は透けたネグリジェ
小さくも存在感のある胸が薄く見える
やばい、ちょいとやばい
「あ、あの、アスラン!わ、私とね...寝ませんか?」
はぁ、どんどん顔が赤くなる
萌シチュエーションだけどなんか
「寝ないよどうしたんだ?ミラーナがこんなことするとは思わなかったけど...」
するとミラーナはさっきとは一転して悲しげな顔で俯いた
「あの瞬間、ブラッド様に部屋に裸で来いと言われて正直怖かったです。上級貴族はどんな娘でもひどい目に遭わせて奴隷とするか処分すると聞きました。そしたらもう怖くて怖くて...でも、アスランが助けてくれた!ブラッド様の暴挙を止めてくれた!私を守ってくれた!だからアスランを他の子に取られたくない...だから私と寝て?私の国は一夫一妻が原則なの、だからその...私と付き合って欲しいの...」
そうか、やはり心に傷が残ってしまったのか
何となく吊り橋効果で俺を好きになっただけなんだよミラーナは
だから、俺はここで手を出すわけには行かない
けど、下手に断ったらミラーナは大丈夫なのか?
意を決して俺は言う
「俺には約束があるんだ、それを果たすまでは君とその、そういう関係にはなれない...すまない......」
「そ、そうですよね?あはっアハハ...じゃじゃあ戻るね?夜遅くごめんなさい。おやすみなさい」
「いや、こんな時間に女子が一人、しかもそんな格好では危ないよ。部屋まで送るよ」
ミラーナを部屋まで送る間は無言の時間が長くて辛かった...
そしてその日の晩俺はどうしようもない疼きに駆られて断った事を全力で悔やんだ...




