決闘3
間に合わなかったけど2本目上げときます
目が覚めると目の前には下衆な笑みを浮かべるブラッド
俺に脱いで謝れと観客の貴族を煽りたてている
だが、俺の意識はまだこっちに戻って来ていない
俺の中のもう一つの心が俺の心と溶け合う
まるでお湯に使ったかのような暖かさと、頭にもやがかかった様な感覚に陥る
『さぁ、僕達のターンだよ!』
心の頭の中で俺ではない声が響く
俺は知らず知らずと体を動かし小さな声で詠唱する
「『裁きを与える者』」
体に雷が走り血管のあらゆる血が沸騰する
同時に感覚は研ぎ澄まされ思うがまま体が動く
そのまま俺はブラッドに右のストレートを放ちブラッドを吹き飛ばす
「ッ!?」
見えていないブラッドは驚いた顔で立ち上がり俺と殴られた腹を交互に見る
「き、貴様!?何をした!?」
俺は無視して詠唱する
「天の業火よ我が剣となれ『付与』」
この詠唱により俺の剣が焔を纏う
ただの焔じゃない、焔と雷と神聖の三属性を混ぜた天の焔
触れただけで全てを溶かし
近づくだけで体は言うことを聞かなくなり
見たものは邪悪を有する時、その神聖に心を壊される
ブラッドはこの焔をみて心を囚われた
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天に近いこの場所で少年はある戦いを見ていた
地上で彼はやっと僕の思惑に乗り始めてくれた
あぁなんて素晴らしい魂だろうと
彼の心見る度に心が蕩けさせられる
「お?彼はもうアレを使うのかい?確かに使えば勝てるだろうけど、おしいなぁ...もっといいタイミングがあるだろうに」
僕はふと呟く
聖典に記した一文を
『その焔は魔を払い神威を退け万物を焼き尽くす。神をも退ける焔を畏怖を込めこう呼ぶ『神炎』と...』
ふふふ
遠く離れたその場所で小さな少年は恍惚とした笑みを浮かべる
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「な、なんだよ、なんなんだよッ!?そんな炎なんでどうして!?おま、お前は剣士じゃ!?何でそんな魔術が!?」
吹き飛ばされた壁際で少しでも退こうと足掻く
がその背には壁しかない
「ふ、ふざけるなぁッ!貴族でも無い貴様にこの俺が負けるなどあるものか!大いなる大地の恵よ水の力を我が手に『水砲!!』」
上級魔法の『水砲』は初級の『水』を増量して収束し魔力で水を押し出すだけだが
流石はランカーというところか、水に回転を掛けさらに水を数本の柱とそれを円循環で支え槍のように放ってくる
が、俺の焔には聞かない
水は炎に直撃する...が、炎は消えることなく水を蒸発させる
魔法の発動が終わり効かないと判断したブラッドは鞭でドーム状に振るう
「ど、どうだ!これで貴様は近づけまい!」
ドーム状にして俺を近づかせまいと考えたんだろうが無意味だ
俺はあえて素手で捉える、激しく暴れる鞭だ普通に触れば肉が削ぎ落ちるだろうしかし今の俺は焔そのもの
掴んだ所が溶け鞭は半ばくらいでパックリ半分になる
「ヒ、ヒィィィィ!?」
怯えて壁にすがり付き目に涙を浮かべるブラッド
俺は剣を構え近づく
「まっ、待ってくれ!?お、俺の負けだ!負けでいい!!頼む辞めてくれ!!嫌だぁぁぁぁ!し、死にたくない、死にたくなィィィ!」
俺は目の前で剣を振り上げ頭めがけて振り下ろす
ガチャッ!!
ブラッドの目の横髪の毛を大きく溶かし壁に突き刺す
「ミラーナに辱めたことを謝り薄汚いその面を俺の前で見せるな。次に見たら俺の焔がその眉間をぶち抜くぞ?分かったか?」
ブラッド顔をブンブンと縦に振り回し同意を示す
するとフッと体から力が抜け倒れそうになる
あのモヤのかかった感覚も無くなった
『し、試合終了ォォォォォ!な、なんとぉ!新入生アスラン選手が勝利しましたァ!!よって、ランキングルールに則り今よりアスラン選手をランク二百位とし、ブラッド選手をランク外選手とします!これは異例、まさに剣聖の名に相応しい試合でした!』
ウォォォォォオオオ!!
会場中で完成が巻き起こる
俺は入場とは違い声援と喝采を浴びて会場を後にする
俺の異世界学園生活はこうして華やかな一日から始まった
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再び天に近い場所
「はぁ、やっぱり君はいいよ!早くおいで僕の元へ。そして始めようよ、この世界を救う戦い。人魔大戦のリミットはもう動き出しているんだから!」
塔の上の少年の目線の先には山々が連なり
その向こう、地平線の彼方に微かに浮かぶ黒い影
「さぁ、僕はいつまでもまってるよ!」
少年はハハハッと笑いスッと消えていった
そして黒い影は少しだけ大きさを増した




