↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隻眼隻腕の剣士  作者: 柊 紗那
第二章 自由都市エルカンテの冒険者達
8/66

第八話 侵入者

誰かが扉に近づく気配がして、弘次郎は目を開けた。大太刀の柄に手をかける。

カチャリ、という音と共に静かに解錠され、扉が開く。滑らかに抜刀し、侵入者の首元に刃をつけ、首の皮一枚を切ってとどめる。


「…………流石は、判別不可能の化け物ってところね」


忍び装束に身を包んだ女性が、手に持っていたダガーを手放して、両手をあげる。侵入者か。ったく、堂々と入ってきやがって。さしずめ、暗殺者ギルドかなんかに所属していて、依頼を受けて殺しにきたってところか。


「あんなに殺気立てれば、誰だって気づくだろうが。んで、お嬢さんは暗殺者から何かか?」


こんな朝早くから殺気立ちやがって、えらく元気なお嬢さんじゃねえか、全く。


「暗殺者じゃないよ、わたしは。見てわからない?」


「服装を見ていうとして、忍びか?」


「正解。それよりも、刀、下ろしてくれない?」


冷や汗を額に浮かべる女性に、弘次郎はため息をついた。


「人に殺気向けて置いて、自分に向けられた途端にやめろだ?なに寝ぼけたこと言ってんだ。自分は引っ込めたから俺も引っ込めろってのは、都合が良過ぎはしねえか?ああ?」


「それじゃあ、どうすればいいの?」


「んなこたぁ知らねえよ。嬢ちゃんが行動を起こした結果だろうが。どうするかなんて、俺に求めんな。そうだな…………強いて言うなら、お嬢さんの所属と名前を教えろ」


「聞いて、どうするの?」


女性の問いに、弘次郎は八重歯を見せるように笑い、


「潰すに決まってんだろう?」


そう答えた。

またこいつみたいなのが来たら面倒だ。早めに潰して置いて損はない。


「私は、エルカ。所属は、暗殺者ギルドよ」


「んじゃ、次だ。依頼内容と依頼主は誰だ」


「依頼内容は、着物みたいなものをきているやつから身包みをはいでこい。依頼主は手紙で依頼されたからわからない」


思いっきり物騒じゃないかルリィさんや。てか、俺がなにをした?ただ歩いていただけで暗殺依頼とか、んな理不尽な。


「まあとにかく、人の睡眠を邪魔すんな」


「あぐっ!」


弘次郎はエルカを蹴り飛ばし、ダガーを拾って扉を閉める。ったく、また寝る気が起きねえ。ついでにルリィを起こしちまうか。


「ルリィ…………って、起きてたのか」


「はい。おはようございます」


なんだよ、起きてたのか。今のところ、見られてたか?まあ、見られてたとしても、どうにかなるわけでもないしな。


「んじゃ、行くぞ」


「ギルド、ですよね?……はい!」


無邪気な顔しやがって。こいつは人を疑うってことを知らねえのか?全く。

扉を開け、廊下へ出ると、弘次郎が蹴り飛ばしたエルカは、既にいなくなっていた。代わりに、一つの血溜まりができていた。

女将さん済まん。











昼飯を食べ終わった弘次郎は、エルカルの約束通り、昼頃にギルドへやって来ていた。扉を開けた弘次郎に、なぜかたくさんの冒険者達が絡みついて来た。野郎に絡みつかれても嬉しくなんともないので、全て吹き飛ばしていたが。


「あぁ〜疲れた。エールとピカルジュース一つ」


「はーい」


二階へ上がり、自分の席にドカッと座った弘次郎は、受付嬢にエールとピカルジュースを頼んだ。ルリィは弘次郎の隣に、いそいそと腰掛けた。


「あはは、大変だったね、コウジロウ」


「全くだ」


運ばれて来たエールを、弘次郎は早速飲み始める。ルリィもコップに口をつけて、ちびちびと飲む。


「コウジロウ。ルールは、魔法なしの純粋な勝負でいいね?」


「活身術くらいは、ありにしてもいいんじゃないか?」


「そうだね、うん、それでいいかな」


エールを飲み交わしながら、気軽に戦いの内容を決め合う弘次郎とエルカル。普通はこんなに気軽に決めあったりはしないのだが、散歩の内容のように決める二人は、やはり恐ろしい。


「さて、行くか?」


「そうだね」


全員が飲み終わったことを確認し、支払いを済ませた弘次郎達は、ギルドを出て行った。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。