第六十四話 決着、和解
「くっーー」
綺麗に大男の横っ腹に吸い込まれた蹴りは大男の足を地から浮かせた。。態勢を空中で崩した大男に向かって、俺は大太刀を振り上げる。俺を餓鬼だと見下して油断したのが命取りだ。
「な、めるなァ!」
大男は不自然な態勢のまま、大剣を横薙ぎに振るう。そんな態勢で振った斬撃なんて効くかよ。振われた大剣に向かって全力で大太刀を振り下ろす。普段なら俺が押し負けるだろうが、相手は地に足がついてない状態で、踏ん張れるはずがない。ガキィンと刃と刃が鍔迫り合い、俺はそのまま大男を地面に叩きつけた。
「かはぁっ」
まさか俺にこんなことができるとは思っていなかったのだろう。不意を突かれた大男は直ぐには動けない衝撃を受け、その場に大の字になった。俺は大男の腹に足を乗せて体重を掛け、喉元に大太刀の切っ先を突きつけた。
「ぐっ、お前」
「これは俺の勝ちでいいんだよな?」
俺は悔しげにつぶやく大男に向かって、勝ち誇ったように笑ってやった。
「ヒュゥ。流石」
「おう」
口笛を吹きながら手を上げた師匠と手を叩き合わせる。ちらりと大男を見ると、大剣を地面に刺して立っていた。
「ただの、野犬じゃなかったのか」
「当たり前だろう。あの時はただ焦っていただけだ」
「そう、だったのか」
そう教えてやると、大男はそう言った。……まともにやったら俺が負けていただろうし、
まぁいい。
「んで、お前の名前は?」
「あ?」
「名前はって聞いてるんだ。いつまでも大男でいいのか?」
「……鄧担だ。ダンって呼んでくれ」
「比嘉沙汰 弘次郎だ」
軽く挨拶した俺は、ダンと握手を交わした。
「んで、師匠と街を作ったっていうわりには、弱かったんだが?」
「くっ。言っておくけどな!正面から戦えば俺が勝ってたんだぞ!」
「ああ。わかってる」
素直に認めた俺を見て、ダンはきょとんとした顔をした。俺だって素直に負けは認めるさ。
「ったく、いきなり素直になりやがって。念のために言うけどな、街を作った5人の中で、俺は火菜野の次に強いんだからな」
そう言ったダンはお猪口に酒を注ぐと、口に含んだ。
「5人?あと三人もいるのか?」
楓が注いだお茶を飲んだ後、俺はふと疑問に思ったことを口にした。




