↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隻眼隻腕の剣士  作者: 柊 紗那
第六章 過去編
48/66

第四十八話 夕食

「攫って来たのか」


「違うよ!あんたは師匠をどういう目で見てるんだい!」


「冗談だ。服装をみれば攫ってないことくらいわかる」


「全く」


麻で作られた嬢さんの体にあっていない大きさの服に、手入れがされてない光を失った髪。恐らく俺と同じ孤児だろう。


「それじゃ弘次郎、あたしはこの子の体を洗ってくるから。覗くんじゃないよ」


「誰が覗くか」


まあ、師匠のならわからないが。


「そんなことより」


「いや、同年代の裸のことに関してそんなことっていえるあんた、凄いね」


「とにかく、それが終わったら広間へ来てくれ。飯が出来た」


「あいよ」


鍋の縁を持ち、広間へと歩いていく。鍋の具は白菜に肉団子、しらたきにきのこ、冬菜だ。野菜中心の鍋だが、正直に言ってこれでバランスがいい。

広間の机の上に木の板を置き、その上に鍋を置く。

お玉で汁と具を掬い、器へ盛る。二人分しか用意していなかったが、俺の分を少なくすれば嬢さんの分はいいだろう。

待つこと数分、師匠と一緒に背に隠れるようにして嬢さんがやって来た。


「腹は減ってるだろ?まあ、座ってくれ」


「う、うん」


師匠の背からひょっこりと顔を出し、机の前へ座る。俺は静かにそこへ器を差し出した。師匠はそれを見てクスリと笑うと、俺の隣に腰掛けた。


「さ、食べな」


「おかわりはあるからな」


そう言って、俺と師匠は鍋を器に盛られた具を食べ始める。物珍しそうに見ていた嬢さんも、かなりの勢いでがっつき始めた。あぁ、そんなにがっついてると、


「うっ、んんぅ」


やっぱり喉につまらせたか。

苦笑しながらコップに水を注ぎ、嬢さんへ差し出す。嬢さんは水を受け取ると、勢いよく飲み始めた。


「ぷはっ、ありがとう」


「いや、いい」


素っ気なくそう返すと、再び俺は具を食べ始める。そんな俺を見て嬢さんは笑みを浮かべていた。

























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。