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隻眼隻腕の剣士  作者: 柊 紗那
第六章 過去編
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第四十五話 体作り

翌朝、朝食を済ませた後、凪火菜野は俺に一枚の紙を渡した。


「これは?」


「体の作り方を書いた紙さ。今のあんたは貧弱過ぎる。刀ってのは重いものでね?貧弱な体じゃ振れないんだよ」


なるほど、だからここに腕立て伏せ何回とか書かれているのか。いきなり刀を持ってやるのかと考えていたが、そもそも体を作らないと振れないか。


「これはいつからやれば?」


「そうだね、急に始めても体がついていかないだろうし、明日から始めようか」


「わかった」


そう返事をし、凪火菜野と一緒に縁側に座り、庭師に整えられた枯山水を見る。こうして凪火菜野とゆったりとした時間を過ごすのが俺は好きだった。













翌日、凪火菜野よりも早く起きた俺は、屋敷の周りを走り込んでいた。凪火菜野に拾われる前はあんな生活をしていたからか体力だけは多いらしく、広い屋敷を走り回っても息が乱れていない。


「呆れた体力だね」


ふと聞き覚えのある声が聞こえ、足を止める。声が聞こえた方をみると、凪火菜野が立っていた。


「何週した?」


「二十五週」


「二十週でいいって言ったのに」


「何週出来るか試して見たかったから」


そう言うと、さらに凪火菜野は呆れた顔をした。あんな生活をしていたんだ。確かめたくなるものだろう。


「まあいいさ。上がっておいで。他のやつやるよ」


「わかった」


そう返事をして屋敷に上がる。凪火菜野の後ろをついて行くと、大広間に出た。


「ここなら物が邪魔にならないよ。存分にやりな」


そう言って俺の背中を叩く。確かにこの広さはありがたいな。


「早速やろうか」


その場にしゃがみ込み、腕立て伏せを開始する。そんな俺を凪火菜野は暖かく見守っていた。






















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