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17枚目・剣の道に生きるということ【泉美】④

読みやすさのため、内容を分割して調整しました。

文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。


作者:服を着た猫




「ちょっ!!泉水!?」


驚く私を無視して、泉水は話を進めちゃう。


「いず―――蛍には台本の読み合わせを手伝ってもらってるんですよ」

「何勝手―――!!」


また、名前言いかけたでしょ!!

ってそんなことは置いといて、何勝手なこと言ってんの!!って叫ぼうとしたら、泉水に手で口をふさがれた。


「余計なこと言わないで話合わせろって」

「モゴ・・・」


手でふさがれた口でウーっと唸ってみたけど、モゴって変な声になっちゃう。

このまま指噛んでやろうか!!

そんなことを考えてる私の横で、瑞希が小さくため息をついた。


「フーン、蛍に練習相手をねぇ~。

そう言えば家のお隣から、大きな声で男女の話し声が響いてくるなぁ~って思ってたけど、あなたそんなことしてたんだ」

「ま、まぁな」


大きな声で話し声?

そんな大きな声で話をした覚えはないけど・・・

ああ、そういうことか・・・つまり瑞希は泉水の話に合わせてるって訳ね・・・

はぁ~・・・仕方ない、私も話を合わせてやるか。

私の口を押えている泉水の手を、トントンと手で叩きながら目で合図を送る。

すると、泉水もすぐに気づいたのか、すぐに手を放してくれた。


「そうなんです!セリフ合わせに付き合ってるんですよ~」

「なるほど・・・春野君の練習に水輝さんが・・・確かにそれなら演劇部に入ってもらうのも良いかも~」


瑞希の助言もあって、すっかり納得した様子のマリア先生は、小さく何度もうなずいてくれる。

そんな様子を見て、泉水は声を弾ませながら話を続ける。


「そうでしょ?

先生は演劇部の顧問だから話も早いだろうし」

「確かに!じゃあ水輝さんは演劇部に所属ってことにしましょう!!」

「えっ!?いや、ちょ!ちょっと待って!!」


話に合わせてるって決めたけど、なんか勝手に演劇部に入ることになってるけど!

それは初耳なんだけど!?


「なんか、面白いことになってきたわね・・・フフ」

「瑞希・・・」


まったく・・・他人事だと思って・・・

ニヒルに笑いながら言ってくる瑞希に、私はガックシと肩を落とす。

同時に勝手に話を進めちゃう泉水に怒りが湧いてくる!

そんな怒りに任せて睨みつけながら、私は小声で泉水に言った。


「どういうことか、後で説明してもらうからね!!」

「・・・ああ」


なんかこっちをチラッと見ただけで、泉水は適当に応えてきた。

その態度にちょっとイラっとしたから、もう少し文句を言ってやろうと思ったけど、そのことに気づいてないみたいでマリア先生が話を続けてしまう。


「そうだ!!せっかく演劇部に入ってもらうんだったらヒロインの【(はく)】として舞台に上がってもらうのはどうかな!

セリフはバッチリ覚えているだろうし!!」


はぁ!?ちょっと待って!!それは―――


「ですよね!!俺もそうお願いしようと思ってたんですよ!!」


泉水もちょっと―――


「じゃあ、決まりね!!」

「ちょ、ちょっと待ってください!!」


たまらず私は叫んだ。

話がどんどん進むから驚いて声が出なかったけど、これ以上黙って見てたらもっとすごいことになっちゃう!!

私は慌てて軌道修正しようと、叫ぶように言った。


「確かにヒロインをやる―――じゃなくて、本番でヒロインを演じるのは(まい)先輩のはずでしょ?

もうヒロイン役の人がいるのに、ヒロインを演じるなんて無理ですよ!!」


元の世界でヒロインをやることになってたって言いそうになった口を慌てて閉じて、必死に考えた言い訳を叫ぶと、2人は深刻な顔で考え込んでしまった。


「確かにそうだったわ。ヒロインは神条(かみじょう)さん(イズミたちの先輩である【神条(かみじょう) (まい)】のこと)だった、すっかり忘れてた」

「俺も忘れてました・・・

クソッ・・・」

「残念だけど・・・水輝さんにヒロインとして舞台に立ってもらうのは、諦めるしかないわねぇ~」


マリア先生はそう言うと、右手を頬に当てて、考え込んでいるのか唸ってしまった。

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