16枚目・予想外な事実③
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
職員室を出た2人はマリアが担任を務める教室へ、向かう先はもちろん・・・
「さあ着いた、ここがワタシが担任をしていて、あなたが通う【二年B組】よ。
じゃあ、先にワタシが入って話をするから、呼んだら入ってきて」
「はい、分かりました
(お爺様・・・クラスまで指定したんですね・・・)」
心の中で苦笑いを浮かべる泉美。
そんな彼女の内心に気づくはずもなく、マリアは教室の扉を開け入っていく。
「はい、では朝礼を始めます」
「起立・・・礼」
「「「おはようございます」」」
「着席」
「はい、おはようございます。
さて今日は朝礼として、皆さんにお知らせがあります!なんと今日からこのクラスに新しい仲間が加わります」
マリアの言葉に、クラス中から声が上がる
「転校生!?転校生!?」
「男か?女か?」
「イケメン男子だったらうれしい!!」
「いやいや、美少女だろう!!」
「イケメン男子が良いに決まってるでしょ!?」
「あたしもその意見に一票!」
「私もイケメン男子がイイ!」
「転校生の王道は美少女だろう!?美少女が良いに決まってる!!」
「そうだそうだ!!美少女だ!!」
「イケメン男子なんて要らん要らん!!」
「勝手なこと言わないでよ、男子!!」
「勝手なのは女子だろう!!」
「イケメン男子が良い!!」
「「「イケメン男子!イケメン男子!」」」
「美少女だ!!」
「「「美少女!美少女!」」」
ワイワイと転校生の話題で盛り上がる生徒たち、教室内は男子と女子の言い合いで、ちょっとしたお祭り騒ぎになってしまっていた。
教室内が盛り上がる中、突然、教室の中から【パンパン】と手を叩く音が響いた。
「ハイハイ、そこまで!そこまで!!
盛り上がるのは良いけど、皆さんが待ってる転校生がずっと教室の外で待ってるんだから、そろそろ呼ぶよ」
マリアの一言で教室内は水を打ったように静かになった。
生徒たちが落ち着いたタイミングで、マリアは扉の外にいる泉美に向かって声をかけた。
「じゃあ、転校生さん、入ってきて!!」
(・・・入りづら~・・・滅茶苦茶ハードル上がってるし・・・)
異様な盛り上がりによる、よく分からないプレッシャーに、泉美は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
だが、そのままでいるわけにもいかず、泉美は気を取り直し気合とともに、笑顔を作ると扉を開け教室の中に入っていく。
教室に入ると同時に、どこからともなく「女の子だ」「おっシャー!美少女だ」「イケメン男子・・・」「紫色の髪だぞ!?」などなど様々なひそひそ声が、あちらこちらから聞こえてきた。
教壇に登りクラスメイトの方に向き直った泉美は彼らに視線を向けた。そこには予想していた通り知った顔ばかりが並んでいた。
だが、皆自分を見る目は明らかに初対面の人間を見る目をしており、泉美の心に【チクリ】と痛みが走った。
(分かってたけど、辛いな・・・)
心の痛みに耐えながら視線を動かすと、入り口近くの列の一番前の席にジト目で睨みつけてくる瑞希と、窓際奥の席に深くため息をつく泉水の姿が見え、泉美は思わず苦笑いを浮かべてしまった。
「それじゃあ、自己紹介として黒板に名前を書いてくれる?」
「はい、分かりました」
後ろを向き黒板に向かうと、泉美はスラスラと【水輝 蛍】と名前を書いていく。
というのも、泉美はこの日のために偽名である水輝 蛍の文字を何度もノートに書きなぐり、書き慣れる特訓をしてきたのだった。
(よし、上手く書けた!)
書き終えると、泉美は正面に向き直し話し始めた。




