16枚目・予想外な事実②
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
「おお、ちょうどよかった。今お呼びしようと思っていたんですよ。
まぁ、声は聞こえていたでしょうから、お呼びするまでもなかったですかな?」
「ハハハ」と笑う初老の男性先生の横で、その見慣れた女性の先生は泉美の顔をジッと見つめていた。
「ま、まり―――!?・・・マジですか?外国の方が担任の先生なんですね・・・あ、ハハハ・・・」
「ん?ああ、そんなに驚いたかね?
察しの通りこの人が君のクラスの担任、マリア先生だ。外国と言っても日本の血も混じっているから、ハーフってことだがね」
「え、ええ、最近はミックスなどと呼ばれることもありますが」
「お?そうなんですか?・・・どうも最近の言葉遣いにはついて行けない。私も年だな」
再び「ハハハ」と笑う男の先生に、マリアは微笑んだ後、泉美に向き直った。
「えっと、確認するけど、あなたが転校生の蛍さん?」
「は、はい、水輝 蛍と言います。よろしくお願いいたします」
少し慌てながら、泉美は素早くお辞儀した。
そんな泉美に、マリアは微笑みながら言った。
「はい、よろしく。
ワタシの名前は神野原 マリア。みんなからはマリア先生って呼ばれていますから、あなたも気軽に呼んでくださいね」
「はい、マリア先生」
マリアが差し出した手を、泉美は笑顔でためらいなく握り、握手した。
「ほう、初対面でためらいもなく名前を呼べるとは、意外と気さくなんだね君。もっと堅物な性格だと思っていたんだが」
「え・・・は、はい、先生から親しみやすいオーラを感じたので・・・あ、アハハハ・・・」
「意外とお茶目な性格・・・だと思いますよ。今は緊張して硬くなってるだけで、ねぇ?」
「は、はい・・・マリア先生の言う通りです。初登校なのでしっかりした姿を印象づけようと思いまして、ちょっと背伸びを・・・」
「ハハハ・・・なるほど、名家と名高い水輝一族の名前を名乗るものとしては、第一印象はあれくらいインパクトがあった方が良いと考えてしまうものなのかねぇ。
とはいえ、背伸びもいいが年相応の子供っぽさを持っていてもいいんだよ。まぁ、年上を敬う意味でも敬語を重んじるのは良いことだがね」
「はい、分かりました」
微笑みながら話してくれる先生に、泉美も微笑みながら応えた。
そんな彼女をジッと見ながら、マリアは話しかけた。
「キレイな制服ね。新調したの?」
「あ、はい。新しく買ってもらいました」
「それはそうでしょう?彼女は転校生ですよ?
前の学校の制服を着てくる訳にはいかんでしょう?」
「そ、そうですよね。彼女が二年生だからかしら、うっかりしてました・・・」
「あ・・・そういうこと・・・そ、そういうことです。アハハ・・・」
「マリア先生のうっかりも相当ですなぁ~。大事にならないように気を付けてくださいよ」
苦笑しながら、冗談めいた口調で男性の先生は言った。
「はい・・・ご心配をかけてすみません」
「そんなに深刻に受け取らないでください。冗談、冗談ですよ。
それより、自己紹介も済んだし、そろそろ教室に移動した方が良いんじゃないですかな?」
「そうですね。じゃあ、蛍さん行きましょう」
「はい」
マリアの言葉に、泉美は緊張と期待が混じった声で、微笑みながら応えた。




