16枚目・予想外な事実①
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
よく当たると評判の小学生にしか見えない占い師に占ってもらい、彼の占いで博士と出会い協力を取り付けてから2日、月曜日を迎え泉美がこちらの世界の高校に登校する初日となった。
高校の校門付近、少しくたびれた制服に身を包んだ二年生や三年生に混じり、真新しい制服に身を包んだ一年生が校門をくぐって行く。
その人ごみの中に、少し着慣れた制服を着た困り顔で歩く泉水と、真逆に真新しい手提げ鞄と制服に身を包んだ泉美がため息をつき、うつむきながら彼の横をトボトボと歩いて行く。
「はぁ~・・・」
「何回目のため息だよ。いい加減止めてくれねぇか?こっちまで気が滅入る」
「そんなこと言ったって・・・はぁ~」
「何が不満なんだよ?
異世界とはいえ学校には知っているヤツもいるだろうし、制服だって新しいもの買ってもらったんだから、うれしくても、そんなため息つくようなことなんて無いだろう?」
「うぅぅ・・・そりゃ~、顔を知ってる友達や瑞希もいるから少しはうれしいよ。
だけど・・・同じクラスになるとは限らないし」
暗い顔でつぶやく泉美に、泉水も苦虫を噛み潰したような顔になる。
「うーん・・・言われてみれば、確かに・・・」
「それに鞄や制服だって・・・もともと着てたのがあるから、必要無いって言ったのに、昨日の夜にいきなりプレゼントって言って出してくるし・・・」
「なんだよ?新しい物もらったのも不満なのかよ?」
「だって、制服高いじゃん!!普通の服だけでもたくさん買ってもらったのに、制服まで作ってもらうなんて・・・申し訳なさ過ぎて・・・」
「なんだよ・・・そんなことでため息連発してたんかよ?」
「・・・そんなことぉ~!!」
呆れ顔の泉水に、ゆっくりと顔を上げた泉美はジト目で彼を睨む。
「そりゃ、うちは経済的に余裕がある訳じゃないけどさ。
母さんは泉美の世話が出来る事がうれしくて色々世話焼いてくれてるんだから、素直に受け止めてやれよ」
そこまで言って泉水は泉美に向けていた顔を正面に戻して言った。
「念願だった女の子の世話が出来て浮かれてるんだ・・・分かるだろ・・・」
「・・・・・うん」
泉水の言葉に、ハッとした様子の泉美は再びうつむくと小さくうなずいた。
校舎に入ったイズミたち、彼らはそれぞれ、泉水は教室へ向かい、泉美は職員室に向かった。
【コンコンコン】
≪3回するノック
入室を求める時のノックは3回するのが国際的なマナー、2回するノックはトイレ確認のためのノックなので面接など重要な場面では控えるのが良いでしょう。
まぁ、日本の中ではあまり気にする必要は無いかもしれませんけどね≫
「はーい」
ノックに応えるように、よくとおる男性の声で返事が職員室の中から聞こえてきた。その声を聞いて泉美は静々と職員室へ入っていく。
「失礼します。
今日転校してきました、水輝 蛍です。よろしくお願いいたします」
ビシッとした姿勢ではきはきとあいさつした泉美は、ゆっくりとお辞儀した。
子供らしくない態度であいさつする泉美に、初老の男性先生は少し戸惑いながら応えた。
「お、おお・・・これはご丁寧に・・・さすがあの水輝の一族の血を引いているだけのことはある。
君のような礼儀正しい学生が、うちの生徒になってくれてうれしいよ」
「恐縮です」
軽く会釈する泉美を見て最初は戸惑っていた先生だったが、さすがは水輝一族の者だと自分を納得させたのだろう、少し戸惑い気味に微笑んだ。
「君のクラスの担任の先生を紹介しよう。分からないことがあったら彼女に聞いてくれ」
「はい
(彼女?ってことは女の先生か・・・)」
女の先生がクラス担任と知り、泉美は考えを巡らせた。
(元の世界と先生たちも一緒だとしたら、女の先生は6人在籍してたはず・・・
その中の1人が担任の先生になるんだよね~、誰だろう・・・
ん?女の先生で二年生の担任って確か1人・・・)
「彼女がワタシのクラスに入る、例の転校生ですか?」
聞きなれた女性の声に泉美は目を丸くしながら、ハッと視線を向けた。




