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13枚目・トランプコンタクトの名付け【前編】②

読みやすさのため、内容を分割して調整しました。

文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。


作者:服を着た猫




「さっきも言ったが、オレの真の目的は【ゼロクロックワールド】の存在証明とたどり着く方法の確立だ。ゼロクロックワールドとはこの世界の外側、ワールドツリーが鎮座している時間の概念のない空間だ。

オレ達のいるこの世界や女イズミがいた世界なんかが形成しているワールドツリー、そこには当然時間の流れが存在している訳だが、流れがあるという事はその周りには当然流れのない空間が存在していると言える」

「ん???

世界が木みたいな形でワールドツリーって博士が名前を付けて、その世界に時間の流れがあるって言いたいことは分かったんだけど、なんでそこで時間の流れがない空間があるって話になるの???」

「時間の流れを支えるためには、時間のない空間が土台となる必要があるという事だ」

「時間が・・・えっと??・・・うん???」


博士の説明を理解しようと努力してみるが、理解が追い付かず泉美はポカンとしてしまう。


「時間の流れを動く物・・・例えば川の流れに置き換えて考えてみろ」

「時間の流れを川の流れに・・・」

「時間という川が流れるためには、どうすればいいと思う?」

「えっと・・・高低差が必要かな?」

「過去から未来へ、確かに流れを生むには高低差が必要だが、それだけだと滝のようになるな」

「え?」


博士の指摘に泉美は頭の中で想像してみる。

たしかに高い所から低い所へ、ただ水が移動するのであれば、それは滝だ。

だが川は流れているつまり・・・。


「水が滝じゃなくて川になるには・・・・・う~ん???」

「もっと基本的なものが必要だろ?」

「もっと基本的なもの???

えーーーっと・・・」

「そうか!!地面だ!」


眉間にしわを寄せて考えこむ泉美の横から、声を上げたのは泉水だった。


「正解だ。川が流れるためには地面が必要だ」

「泉水ずるい!!私が答えようと思ってたのに!!」

「別にいいだろ?懸賞金のかかったクイズ番組じゃあるまいし」

「・・・そうだけど」


不満そうに口を尖らせる泉美。

そんな彼女を見て博士はジト目で見ながら、話しかけてきた。


「ガキかよ・・・いやガキか、はぁ~・・・

地面もだが、他にも重要な部分があるだろう?」

「地面の他に重要な部分?」

「地面の一部ともいえる・・・」

「地面の一部?う~ん・・・・・あ!岸?」

「ああ、岸だ。

川は地面の上を流れる水が、岸という区切られた範囲のくぼみを流れていくことで生まれる事象だ。

ここで重要になるのは、地面や岸は動かないという事、つまり流れを生むためには、流れのない、動くことのない土台が必要という事。

もう分かるだろ。オレ達のいる時間の流れが存在する空間があるという事は、それを支える時間という概念のない空間が存在するという事だ!!」

「それが・・・ゼロクロックワールドって言う空間っていうこと?」


半信半疑で聞いてくる泉美に、博士はニヤリと笑いながらうなずいた。


「そういう事だ。

時間という概念のある空間を支える時間の概念のない空間、それがゼロクロックワールドだ」


ドヤ顔で言ってくる博士。

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