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13枚目・トランプコンタクトの名付け【前編】①

読みやすさのため、内容を分割して調整しました。

文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。


作者:服を着た猫




「楽しそうなところ悪いんだが、話を戻して良いか?」


イズミたちに向かって不機嫌そうな声をかける博士に、イズミたちは視線を博士に戻した。


「んで、男イズミの疑問の答えだが・・・」

「ん?俺の疑問??何だっけ???」

「・・・オレがなんでDNA検査キットなんて持っていたかって疑問だ」


ジト目で睨みつけてくる博士に、泉水は苦笑いで答える。


「そ、そう言えばそんなこと聞いたっけなぁ~。

じゃあ改めて、博士の研究には必要なさそうなDNA検査キットなんて、なんで持ってたんだ?」


質問したことを忘れていた恥ずかしさを隠すように、はにかみながら質問してくる泉水に、博士は小さくため息をつくと少しあきれた様子で始めた。


「さっき話したが、ゲートの観察中に水が噴き出したり、岩がゴロゴロあふれ出したり、ネズミがあふれ出すゲートがあったと言っただろ。

それらがこの世界の物ではないと検証するため、その水や岩をサンプルとして採取したんだ、もちろんネズミも数匹捕まえた。

水や岩が周辺の物ではないことはすぐに分かったが、問題はネズミでな。どこにでもいるようなドブネズミだったんで、DNA検査を思い立って知り合いの生物研究者に機材をお願いしたんだ。

そしたらあの野郎人間用の検査キットを送ってきやがってさ!文句言ったら『文句があるなら使うな!』って言いやがって!オレもカチーンときてな、売り言葉に買い言葉で仕方なくそれをネズミ使ったって訳よ。

あのDNA検査キットはその時の残りだ。まさか本当に人間に使う日が来るとは思ってなかったがな」

「なるほど、それでDNA検査キットなんて持ってたって訳か・・・で、結果はどうだったんだ?」

「もちろん、この周辺地域のネズミじゃなかった。それどころか日本のネズミでもなかったらしくてな、鑑定後に質問攻めになったんで正直に話したが、まったく信じなかったな。

その後、ネズミは全・・・・・ネズミは研究用にするってんで全部持ってかれたがな」

「なんだネズミはいないのか、さっきのイタズラじゃないけど異世界から来たネズミなんて発表したら大発見になりそうなのに、残念だったな」

「ハッ!

面倒なるだけだ。そもそもオレの研究の目的とは違うから、多少残念だったが痛くも(かゆ)くもねぇよ」


茶化すような泉水の言葉を、博士は軽くいなしニヒルに笑った。


「パラレルゲートがこの世界の出入り口になりえる!それがオレにとっては最重要事項だったからな!」


ドヤ顔で笑う博士に、イズミたちは話が見えず困惑するばかりだった。


「どういうことだ?パラレルゲートがなんだって???」

「パラレルゲートが世界の出入り口になる、だ。

パラレルゲートでパラレルワールドに行けるなんて言うのは、研究過程でたまたま知れた事実にすぎん。オレの真の研究目的はゼロクロックワールドの存在証明、そしてその空間にたどり着く方法の確立だ」

「えっと・・・博士の研究の目的はパラレルワールドじゃないってことですか?」


泉美の言葉に博士はジト目で彼女を睨む。


「頭でも沸いたか?玄関の看板見直してこい!!

オレはタイムトラベル研究者だ!!」

「そ、そうだったっけ?

パラレルワールドの説明が延々と続いたから忘れてました」


苦笑いを浮かべて誤魔化す泉美に、博士は小さくため息をついた。


「お前らが一番聞きたがっていそうなことから話してやったんだ。

さっきまでの話なんて、前置きにすぎん。本題はこれからだ!!」


博士はホワイトボードのストッパーを外すと、ボードをひっくり返し、真っ白なボードに向かい話始めた。

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