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12枚目・タイムトラベル研究者【後編】①

読みやすさのため、内容を分割して調整しました。

文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。


作者:服を着た猫




「母親の子宮内で卵子に父親の精子が1匹入り込む、これを受精という。ここまでは良いか?」

「はい、それくらいは・・・」


泉美の応えに博士は小さくうなずいた。


「その時に父親と母親、それぞれから半分ずつ合わせて1人分のDNAを受け継ぐんだが、そのDNAはバラバラの状態では存在していない。

畳まれある程度の塊になって存在している、それが染色体だ。その中でも性別に関係する染色体が存在していて性染色体と呼ばれる。

その中の一つがX染色体だ」

「X染色体・・・」

「女の細胞に存在する性染色体はX染色体だけだ。だが、男にだけ存在する性染色体がある。それがY染色体」

「Y染色体・・・」

「染色体は父親から23本、母親から23本、合わせて46本、2本一対で23対、これが俺たち人間の細胞の核に入ってる染色体なんだが、この中の23対目が性染色体でな、この組み合わせがXXなら女、XYなら男になる。

まぁ、染色体異常で男のXYの染色体をもつ女や、女のXXの染色体をもつ男がレアケースで生まれるらしいが、お前らに当てはまる可能性は低いだろう。容姿が違いすぎる」

「X染色体とY染色体の違いで、容姿も違ってくるんですか?」

「いや、男らしい女らしいという違いは出るが、お前たちの容姿が違うのは父親から受け継いだ他の染色体だ。

最初に言った通り、卵子に精子が入り込むことで受精卵になる訳だが、実は男になるか女になるかが決まるのは精子によるものでな、精子によって運ばれる性染色体がⅩかYかによって決まる。

そして、他の染色体、常染色体と呼ばれる染色体も精子1匹1匹ずつ違いがある。これは卵子も同じだ。

じゃなければ生まれてくる子供は、みんな同じ体つき、同じ顔になるからな」

「そう言われれば、そうですね」


泉美は、泉水と大樹の顔を見比べて応えた。


「誕生日が同じだというお前らは恐らく卵子は同じだろう、だが精子が違った。その違いが男と女という違いになり、容姿の違いになった訳だ」

「えっと・・・つまり私たちの遺伝子は50%同じだけど、残りの50%は完全には一致しないってことなんですね」

「恐らくな。

あと正確にはDNAな。DNAの中で実際に機能するのが遺伝子な・・・まあ、学校の授業じゃねぇんだから、わざわざ指摘してやる必要もねぇけど・・・

よく父親似、母親似というが、あれは父親と母親から受け継いだ遺伝子のうちどちらが優位的に働いたのかによるものだ。

お前らの場合、父親に似ている部分は父親の遺伝子が優位に働き、母親に似ている部分は父親の遺伝子の優位性が低く、母親の遺伝子の優位性が高かったという訳だ」

「そっか、私はお母さんから受け継いだ遺伝子が優位に働いたから母親似って呼ばれて、泉水はお父さんの遺伝子が優位に働いたから父親似って呼ばれるんだね」

「なるほどな」


泉美と泉水はお互いの顔を見合いながら、納得したように言った。

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