11枚目・タイムトラベル研究者【前編】④
読みやすさのため、内容を分割して調整しました。
文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。
作者:服を着た猫
「これは?」
「DNA検査キットだ」
博士は使い方を簡単に説明してくれた。イズミたちはその説明通り、蓋のついた筒・・・遠沈管に、付属品としてついていた綿棒で口の中から頬をこすり、遠沈管に入れて博士に手渡した。
「ここでは調べられないが、知り合いに生物研究の科学者仲間がいるから、そいつに頼めばすぐに結果が出るだろう」
「これでDNAが一致すれば、私たちが同じイズミであるって証拠になるんですか?」
泉美の言葉に、博士は首を横に振った。
「いや、一卵性双生児ならまだしも、お前らのDNAは一致しないだろう。一致率が50%以上、血縁関係が高いとされればお前たちが同じイズミであるという十分な証拠になる」
「私たちは同じイズミなのに、DNAは一致しないの?」
「受精後に性別が入れ替わる事例があると聞いたことがあるから、絶対に一致しないとは言わないが・・・見た目もそれほどそっくりって訳ではないからな・・・可能性は低いと思うぞ。
知っての通り性別は受精時に決まる。
これは父親からの精子によって運ばれたX染色体、Y染色体この二つのどちらが23対染色体の一対になるかによって決まる。
同時にその性染色体を含む23本の染色体を父親と母親、それぞれから受け継がれることで、受精卵には46本23対の染色体が揃い、その中から優位に働いた遺伝子によって生まれる子供の容姿や性格が決定する訳だが・・・・・聞いてるか?」
博士がジト目で睨みつける先には、遠い目をしたイズミたちと、頭から湯気の出ている鈴蘭、頭を抱えて唸る大樹の姿があった。
「あのなぁ・・・」
博士は目をつぶり、プルプルと震えながら低いトーンで、呆れた様子で言ってきた。
「多少専門的な言い回しで言ったが、今の話は生物学の基礎中の基礎だぞ!!
特に!そこの男イズミと女イズミ!お前ら高校生くらいだろ!!」
ビシッと指を指されながら怒鳴られたイズミたちは、ビクッと震えて意識を取り戻した。
「ふあっ?・・・俺たちか!?」
「ふぇ?・・・わ、私たち!?そ、そうですけど・・・」
「だったら今の話ごとき、すんなり理解しろよ!!両端の小学生が頭を抱えちまうのは分かるけどよ・・・
たく、最近若ぇ奴らの科学離れがヒドイと聞いていたが、ここまでとは・・・」
博士は大きくため息をついて、うつむいてしまった。
そんな博士に意識を取り戻した鈴蘭は、鋭い視線で睨みつけた。
「あたし小学生じゃなくて、高校生なんだけど!!」
「ん?
そっか、悪い悪い」
睨みつける鈴蘭の鋭い視線など全く気にならない様子で、右手でひらひらと適当にあしらうと、博士はあきれ顔のまま話を続けた。
「たく、仕方ない、お前らにもわかるようにかみ砕いて説明してやる」
博士は大きく息を吐くと、面倒くさそうに話し始めた。
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≪人物紹介≫
タイムトラベル研究室の研究者
博士こと、大林 素彦その②
白衣を羽織り、赤毛に角刈り、金色の瞳でタバコをふかしている男で、占い師のウォール曰く泉美が元の世界帰る方法のヒントをくれる人物。
博士号は取得していないため厳密には博士ではないが、鈴蘭によって博士とあだ名をつけられ、イズミたちも博士と呼ぶことに抵抗がないため、博士呼ばわりが定着する。
研究しているテーマは、研究室の看板に書いてある通りタイムトラベルで、その研究に人生をかけている。
また、タイムトラベルの方法を研究する過程で、パラレルワールドが存在していることを確信している。
もう1人の主人公
「春野 泉水」その③
誕生日について聞かれ、誕生日が泉美と同じ5月27日であると話す。
ちなみに星座はふたご座。




