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10枚目・話題の占い師【後編】②

読みやすさのため、内容を分割して調整しました。

文章の一部を変更しましたが、物語の内容には変更はありません。


作者:服を着た猫




その言葉を聞き、代表して鈴蘭が占いを始めるための話を始めた。


「えっと、占いしてもらいたい内容なんだけど・・・あたしのことじゃなくて、こっちの人のことを占って欲しいんだけど」


そう言って、鈴蘭は隣の泉美を指さした。


「ふむ、話の流れから察するに、あなたが依頼主の【水輝 鈴蘭】さん、そして実際に占って欲しいという、あなたは・・・」

「そういえば、まだ名前言ってませんでしたね。自己紹介を受けたのに失礼しました」


泉美は右手で大樹を指さした。


「右端に座ってるのが【春野 大樹】、そして左端に座ってるのが【春野 泉水】

2人は兄弟で、鈴蘭さんの親戚です。

そして私が・・・」


そこまで言って、泉美は確かめるように泉水をチラッと見てから、視線をウォールに戻した。


「私の名前は【水輝(すいき) (けい)】です」


その言葉に鈴蘭と大樹は一瞬、泉美の顔を見て驚きの様子を見せたが、すぐにウォールの方に視線を戻した。


「ふむ、水輝・・・蛍さんですか」


自己紹介を聞いたウォールはゆっくりとした口調で確かめるように言うと、おもむろにずいっと体を前のめりに出し、じっと泉美の顔を見ながら言った。


「で、本当の名前は何ですか?」

「えっ・・・」


ウォールの言葉に泉美は言葉を失ってしまった。他の3人も動揺が顔に出てしまっていた。

だが、それも一瞬のことで、泉美はすぐに平静を装った。


「何の話ですか?私がウソを言っていると」

「ええ」

「・・・即答なんだ」


泉美は一瞬言葉を詰まらせながらも、平静を装い続けた。

そんな泉美の心を見透かすように、ウォールは話を続ける。


「これでも占い師ですから、あなたが偽名を言ったことくらい分かります。

べつに偽名で占ってもいいんですよ。

ですが最初に言いましたよね?『これから長い付き合いになるでしょう』と、嘘偽りのないことを話してはくれませんか?」

「・・・私の本当の名前を言うと、混乱してしまうと思ったから言わなかったんだけど」

「ご配慮はうれしいですが、それは受け取り側の問題です。

それに占って欲しい内容も、一般人には理解しがたいものでしょ?」

「!!

あ、あなたどこまで分かってるの!?」


さすがに驚きの声を上げてしまった泉美、他の3人も驚きのあまり声も出なくなってしまっていた。


「大まかなことは・・・まぁ、解決方法はこれから占いますけどね」


ウォールはニッコリと笑うと、改めて泉美の顔を見た。


「では、改めてお名前は?」



泉美は改めて名前を名乗るとともに、自分が異世界から来た人間であり、泉水が女性として生まれた姿で、元の世界に帰る方法を探していることを伝えた。

それを聞いたウォールは別段驚くようなことはなく、泉美をジッと見たまま聞き続けた。

そして、泉美が話し終えると目をつぶり深く息を吸い吐いた。



「なるほど、元の世界への帰還方法・・・それは難題ですね。

では占って―――」

「待て待て!!」


大きな声で叫んだのは泉水だった。


「何です?藪から棒に・・・」

「泉美が言ったこと全部鵜呑みにするのか!?少しは疑わないのかよ!?」


泉水の言葉に、ウォールは少し考え込んだが、あっけらかんとした顔で応えた。


「疑って欲しいんですか?」

「いや、俺たちだって最初は全然信じられなかったんだぞ!

それでも色々照らし合わせたり、調べたりして本当のことだって信じたのに、それをちょっと聞いたくらいで完全に信じたっていうのか!?」


困惑の表情でまくしたてる泉水に、ウォールは眉一つ動かすことなく答える。


「占いの仕事をしていると色んな人が来ます。

明らかにウソをついて占ってもらおうとする人、ウソみたいな本当の話をする人も大勢いた。

でも、その人の正体が宇宙人だろうと、化け物だろうと、真実を言っているのならすぐに分かります。

そもそも僕は占い師ですよ。お会いした瞬間に大体の事情は把握できるんです。

話を聞くのは詳しく占って欲しい内容を知りたいからなんですよ」

「・・・どんなに信じられないようなことでも、真実なら信じるって訳か?」

「ええ、その通りです。

これで分かったでしょ?ボクが泉美さんの言ったことをすんなり信じた訳」

「あ、ああ、さすがよく当たると評判の占い師というべきか。

普通の人間なら少しは疑いたくなる内容なのに、バカみたいにすんなり信じるなんてな」


呆れ顔の泉水にウォールは「フッ」と苦笑した。


「褒め言葉として受け取っておきますよ。

では、改めて占いを始めましょうか」


そう言うと、ウォールは水晶玉に両手をかざした。

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