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『世界を統べた覇王と一心同体になった俺は最強の仲間【駒】を揃える』  作者: Lark224a


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第94話 21層での戦い。

「ね?凄いでしょ!!もう完璧に歩けるわ!!」


暗闇の中を迷うことなく歩き切った水瀬は胸を張り、まるで褒めてもらうのを待つ子供のように満面の笑みでディアブロへとアピールするがディアブロはそんな期待など意にも介さず、返事の代わりと言わんばかりに――パチン!!と一度だけ指を鳴らした。


「ん?今のは‥‥何?」


「もう歩けるようになったんだろ?だったら、結界は要らないだろ。後は、全力で戦ってくれ。」


「え?それって‥‥」


その先を言おうとした瞬間に「グルルッ」と低く唸るベガの声が暗闇へ響き渡り、水瀬もまた周囲に無数のモンスターが蠢く気配を一斉に感じ取った。


そう、二十一層へ入ってから今まで一度もモンスターと遭遇しなかったのは、ディアブロが周囲へ結界を張り巡らせ、その存在を完全に隠していたからだ。本来なら既に何度も戦闘になっていても不思議ではなく、その結界を解除したということは‥‥もうモンスターとの戦闘は避けられないということであった。


その事実を理解した瞬間、水瀬の頬が引きつり、笑顔だった表情はみるみる青ざめていく。


「いや、その‥‥もう少しだけ‥‥結界を張ってもらえませんか?」


「はぁ?もう完璧なんだろ?じゃあ要らないだろ。てか、俺と話していていいのか?俺は上を見た方がいいぞ?」


「――え?」


言われるまま恐る恐る天井を見上げた水瀬は思わず息を呑んだ。岩肌一面を埋め尽くすように無数の赤い瞳が浮かび上がり、その全てが獲物を狙う肉食獣のような視線でディアブロたちを捉えていたのである。


「じゃあ、後は‥‥二人で頑張れよ。」


「ちょっ!!」


引き止めようと声を張り上げるが、その頃にはディアブロの姿は既に暗闇へと溶け込み、気配すら完全に消えていた。そして、その場へ取り残された水瀬とベガは、押し寄せてくる大量のモンスターを相手に迎え撃つしかなくなる。


「ベ、ベガちゃん!!行くよッ!!」


「ワン!!」


水瀬は杖を高々と掲げ、二人を包み込む広範囲強化エリアを瞬時に展開する。一方のベガも全身へ黒い雷をバチバチと纏わせ、その魔力に呼応するように身体を一回り、二回りと巨大化させると、無数のモンスターが天井や壁を蹴って一斉に襲い掛かってきた。


殺到する気配を正確に捉えた水瀬は冷静さを失わず、真っ先にベガへ指示を飛ばす。


「ベガちゃん!!広範囲の雷撃を出して数を減らして!!私も補助するからッ!!」


「わおおぉぉぉ!!」


遠吠えと同時にベガの全身から黒い雷が爆発するように解き放たれ、幾筋もの雷撃が洞窟内を縦横無尽に駆け巡る。その雷はモンスターたちを次々と飲み込み、悲鳴を上げる間もなく黒焦げに変えながら消し炭へと変えていき、水瀬はその間もベガの能力が一瞬たりとも落ちないよう、絶え間なく魔法を重ね掛けし続けた。


最初の一撃だけで大量のモンスターを葬ることには成功したものの、それでも暗闇の奥からは新たな気配が絶え間なく押し寄せてくる。戦いはまだ始まったばかりであり、ベガも次の雷撃を放つべく、喉の奥で低く唸りながら膨大な雷を再び身体へ蓄え始めていた。


「グルルルッ!!」


「いいよ。ベガちゃん。私がずっと戦えるように強化し続けるから。」


互いに短く言葉を交わした二人は呼吸を合わせると、押し寄せるモンスターの群れへ再び真正面から飛び込み、その戦いは更に激しさを増していくのであった。

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