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『世界を統べた覇王と一心同体になった俺は最強の仲間【駒】を揃える』  作者: Lark224a


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第78話 次のステージへ。

中間テストが終わると、生徒たちには数日間のテスト休みが与えられた。


試験勉強によって蓄積した疲労を癒やす者もいれば、学校再開後に向けて鍛錬に励む者もいる。また、友人たちと遊びに出掛けて羽を伸ばす者もおり、その過ごし方はまさに人それぞれだった。


そんな連休の最中――ディアブロたち《黒盤の覇道》は一日たりとも休むことなくダンジョンへと潜り続けていた。


――二十層。


試験前の時点では十一層までしか探索を終えていなかったにもかかわらず、中間テストが終わった瞬間から、それまで勉強に費やしていた時間の全てを探索へと注ぎ込んだ結果、僅か二日で到達階層は二十層へと到達していた。


ダンジョン内部を進み続け、現れる魔物を次々と蹴散らし、休憩すら必要最低限に抑えながら突き進んだ成果と言えるだろう。


現在、このダンジョンの最高到達地点は三十九層。


ディアブロが春宮湊の肉体に宿ってから今日に至るまで、その記録は僅か一層しか更新されていない。つまり、このまま今の勢いで最短ルートを選びながら攻略を進めていけば、連休中に最高到達記録へ追いつくことすら不可能ではなかった。


だが、それは黒盤の覇道にとって決して望ましい状況ではない。


現在、黒盤の覇道はギルドにパーティー登録こそしているものの、それ以降は一度たりともギルドへ顔を出していないのに、異常とも言える速度で階層を攻略し続ける彼らに対し、ギルド側は何度も接触を試みていた。


もしこのまま最高到達記録へ並び、さらには更新するようなことになれば、今までのように沈黙を貫くことは難しくなるだろう。


国もギルドも探索者に関する情報網を持っている以上、本気で動けば連絡先や居場所を突き止めることなど時間の問題だ。


当然ながら、ディアブロとしてはそんな展開を一切望んではいない。


しかしだからといって探索を止めれば、ベガや水瀬の成長速度は大きく落ちることになる。特に今は力を伸ばせる時期であり、ここで立ち止まるという選択肢はディアブロの中には存在しなかった。


ならば、どうするのか。


答えは至って単純だ。


国やギルドが容易に干渉出来ない環境を自ら作り上げ、《黒盤の覇道》を囲い込む組織を用意すればいい。


実際、このテスト期間中にディアブロが水瀬に一切の手を貸さなかったのは、テスト終了後に探索に集中出来るよう水面下では組織作りが着々と進められていたのである。


そして、その成果は既に形となっていた。


《黒盤の覇道》を国やギルドから守るための受け皿となる組織。


それはディアブロと深い関係を持つ林の闇金融組織を土台にしながらも、表社会で正式に活動出来る会社へと作り変えたものだった。


その名も――黒盤の箱舟。


会社の主な業務内容はギルドと大きく変わらない。


探索者の管理、ダンジョン素材の買い取り、装備製作の仲介、企業からの依頼の斡旋など、探索者が活動する上で必要となる環境を提供することが目的である。


もっとも、現在の日本で個人運営の探索者企業が成功している例は全国を探しても十社にも満たない。


何故なら、個人経営というだけで社会的信用はどうしても低くなり、素材の換金率もギルドに比べて不利になることが多いからだ。


探索者たちが安心して素材を売却し、仕事を受けられる環境を整えるには莫大な資金力と実績が必要になるが、その一方で無視出来ない利点も存在していた。


例えば、ダンジョンから持ち帰った素材をギルド経由で換金した場合、手数料や税金によって利益の一部が差し引かれるが、自社で買い取りから流通までを完結させることが出来れば、その分の利益を全て手元へ残すことが可能になる。


もちろん、それを実現する為には十分な資金力が前提となるが、成功した時に得られる利益は決して小さくない。


さらに、探索者として知名度を獲得すれば企業広告や商品のPR案件なども舞い込むようになる。


しかし、それらもギルド所属であれば手数料が発生する為、有名な探索者ほど個人会社や独自組織へ所属する傾向が強いが、その領域へ辿り着ける探索者はほんの一握りの話しで、大多数の探索者にとっては無縁の世界の話であった。


そして、その数少ない例外となるべく。


ディアブロたちはギルド所属を離れ、自らが作り上げた新たな組織――《黒盤の箱舟》へと所属を移すのであった。

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