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『世界を統べた覇王と一心同体になった俺は最強の仲間【駒】を揃える』  作者: Lark224a


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第76話 実技試験終了。

ディアブロたちと神崎たちとの戦いが終わると、それを待っていたかのような絶妙なタイミングで試験終了のアナウンスが会場全体に響き渡った。


長時間に及んだ実技試験はこれにて終了。そして、その勝敗は誰の目から見ても明らかなAクラスの完勝という形で幕を閉じた。


Fクラスの撃破数がわずか二であったのに対し、Aクラスの撃破数は百を優に超え、最終的には五百に迫る勢いで数字を伸ばしていた。その差は圧倒的という言葉ですら生温く感じるほどであり、客観的に見ればFクラスの完全敗北だった。


だが、不思議なことにFクラスの生徒たちの表情に悔しさはほとんど見られない。


肩を落とす者もいなければ、敗北を嘆く者もいない。それどころか「次はどうする?」と既に次戦へ意識を向けている者までいる始末だった。


何故なら、彼らは最初からAクラスに勝てるなどとは微塵も思っていなかったからだ。


実力差は誰の目にも明らかであり、負けること自体は想定の範囲内であったからこそ敗北による精神的なダメージはほぼ存在せず、彼らは何事もなかったかのように次の試験へ向けて気持ちを切り替えることが出来る。


ある意味では、敗北を微塵も恐れないその図太さこそがFクラス最大の強さなのかもしれなかった。


そうして全ての試合が終了し、最終的な戦績と順位が発表される。


「一位Aクラス 総ポイント15」

――全勝。圧倒的な実力で全試合を制し、他クラスを寄せ付けることなく王者の座を守り抜いた。


「二位Bクラス 総ポイント12」

――Aクラスとの白熱した戦いによって撃破数差で敗北。勝敗だけを見れば敗北だったが、その内容はAクラスを最後まで苦しめた見事なものだった。


「三位Cクラス 総ポイント9」

――AクラスとBクラスに敗北。だが最終戦ではFクラスとの接戦を制し、数秒という僅差で先に核の破壊に成功。その結果、三位の座を勝ち取った。


「四位Fクラス 総ポイント6」

――前代未聞の快挙。あの落ちこぼれ集団と呼ばれていたFクラスがDクラスとEクラスを撃破するなど、この場にいる誰一人として予想していなかった結果だった。


「五位Eクラス 総ポイント3」

――Dクラスとの試合を辛うじて制し、何とか最下位だけは回避した。


「六位Dクラス 総ポイント0」

――全敗。


その原因は初戦でのFクラス戦にあった。


格下と見下していた相手に敗北したことでクラス内部の不満が一気に噴出し、以前から燻っていた問題が表面化したのだ。代表である荒北の素行の悪さや独善的な行動に対する不満は以前から存在していたが、その敗北が最後の引き金となり、結果としてクラスは完全に分裂してしまった。


――以上が試験結果である。


だが、この日もっとも大きな衝撃は順位発表ではなかった。


それはAクラスを代表する存在だった神崎と朝比奈の突然の自主退学だった。


当然ながらクラスメイトたちは理由を尋ねた。しかし二人はディアブロや水瀬の名前を一切口にしないまま、最後にただ一言だけを残した。


「全て俺達が悪かったんだ。もっと真剣に向き合っていればこうはなっていなかった。すまない」


その言葉を口にした神崎は深く頭を下げた。その謝罪が誰に向けた謝罪なのかを明言することはなく、朝比奈もまた何も語らなかった。そして二人は静かに学校を去って行った。


こうして様々な出来事が起きた実技試験は無事に終了し、残す日程は明日から始まる筆記試験のみとなる。


筆記試験も実技試験ほどではないにせよ決して簡単なものではない。国が直接管理する教育機関である以上、その難易度は一般校よりも高く設定されている。


だが、そのことを全く気にしていない人物がいた。


「明日の試験は大丈夫なのよね?」


試験終了後、校舎へ戻る途中で水瀬は不安そうな表情を浮かべながらディアブロへ問いかけた。


念の為の心配だった。春宮の身体に入ってからというもの、水瀬はディアブロがまともに授業を受けている姿を一度たりとも見たことがなく、一応ノートや教科書は机の上に広げてはいるがペン先が紙の上を走ることはなく、授業中も教師の話を聞いている様子はほとんどなかった。


それでも魔物やダンジョン、魔法に関する知識量は異常なほど豊富だったため、何だかんだ大丈夫なのではないかと考えていたが念のため確認をしておきたかった。


魔法や魔物に関する知識であれば、ディアブロ以上の知識を持つ者など世界中を探しても数えるほどしか存在しないだろうが、それと一般教養は全く別の話だった。


そして当の本人はというと――


「勉強など知らん」


当然と言わんばかりの口調でそう言い放った。


一瞬に水瀬の思考が停止し、数秒後にその言葉の意味を理解した彼女の顔から血の気が引いていく開いた口は塞がらず、目だけがゆっくりと見開かれていく。


――終わった。


そんな言葉が頭の中をよぎると、次の瞬間には水瀬は勢いよくディアブロの手首を掴んだ。


「今すぐ私の家に行くよ。そして明日の試験まで勉強するから」


その声音は普段と変わらないはずなのに妙な迫力があり、有無を言わせない圧力にディアブロも後退りをしてしまう。


普段のディアブロならば「断る」あるいは「無理だ」と即答していたはずだが、この時ばかりは違った。


水瀬の放つ凄まじい圧力に押し切られたディアブロは、珍しく反論することなく小さく首を縦に振るしかなかったのである。

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