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『世界を統べた覇王と一心同体になった俺は最強の仲間【駒】を揃える』  作者: Lark224a


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第15話 2000万より価値のあるもの。

「誰だ?お前?」


突如として現れたディアブロの一言に、その場の空気がわずかに軋んだ。闇金たちは即座に視線を向け、値踏みするような鋭い目つきでディアブロを睨みつける。その視線には、露骨な警戒と――不用意に踏み込めばただでは済まさないという無言の警告が宿っていた。


だが、そんなものに怯むような存在ではない。ディアブロはその空気を意に介することなく、まるで日常の延長のように口を開いた。


「彼女を解放して欲しいんだ。」


一瞬の静寂の後、鼻で笑うような声が返る。


「はぁ?まずお前は誰だよ?それに解放なんて言い方じゃあ、まるで俺たちが無理やり連れて行こうとしてるみたいじゃねーか。こいつは自分の意思でついて来てるんだ。変な言い方するなガキ。」


言葉こそ軽いが、その裏にあるのは威圧と牽制だ。周囲の男たちも僅かに位置をずらし、いつでも動ける距離と角度を自然に作っている。


「それについてはどうこう言うつもりはない。ただ、俺は彼女を連れて行くのを止めてくれって言っているだけだ。もちろん、俺もタダでとは言っていない。」


ディアブロの声は落ち着いている。だがその落ち着きは、交渉の場に似つかわしくないほどに揺らぎがなく、逆に異質だった。


「なるほどな。こいつの家の借金のことは知っているんだな。なら、話は早い。お前が代わりに借金を返せるって言うならこいつを解放してやるが、お前みたいなガキには絶対に無理な額だけどな。どうする?」


「いくらなんだ?」


わずかに間を置き、男が口角を吊り上げる。


「――2000万だ。」


その数字は、一般人ならば息を呑む額だ。だがディアブロの表情は微動だにしない。


「それは凄い額だな。今の俺には払うことは出来ない額だな。」


「ふふ‥‥だろうな。お前みたいなガキじゃあどうすることも出来ないんだよ。それに、この場を見られた以上‥‥お前も同罪だ。」


その言葉と同時に、一人の男がゆっくりと前に出た。靴底が地面を擦る音がやけに大きく響く。


男は何も言わない。ただ、明確な殺意を纏っていた。視線は一点に固定され、呼吸は浅く、いつでも踏み込めるように重心が僅かに前へ傾いている。体格は平均的――だが、その無駄のない動きから、ただ者ではないことは容易に見て取れた。


だが――相手が悪い。


ディアブロは一歩も動かない。ただ、ほんの僅かに視線を上げた。


その瞬間だった。


空気が――潰れた。


目に見えない何かがその場を押し潰したかのように、圧が一気に膨れ上がる。肺に入るはずの空気が重く、喉の奥で引っかかる。皮膚の上を冷たい何かが撫で回すような不快感が走り、背筋に嫌な汗が滲んだ。


「ッ!!」


踏み出しかけていた男の足が止まる。反射的に後ずさり、歯を食いしばる音が聞こえた。


ディアブロが放ったそれは、ただの威圧ではない。生存本能に直接訴えかける“死の気配”だった。


闇金たちの空気が一変する。先程までの余裕は完全に消え、全員が一斉に距離を取りながら構えを取る。誰一人として軽口を叩く余裕は残っていない。


「ただの子供が放っていい殺気じゃない‥‥お前‥‥本当に何者だ?」


声が僅かに掠れていた。


だがディアブロは、何事もなかったかのように口を開く。


「俺はそこの彼女と同じ学校に通うただのクラスメイトの春宮だ。俺はここで戦いたいわけじゃないんだ。取り引きがしたいだけだ。」


先程までの圧が嘘のように消えている。だが一度刻み込まれた感覚は消えない。場の全員が、目の前の存在を“子供”として認識することをやめていた。


「‥‥取り引きだと?」


「そう。確かに今の俺には2000万という大金は持っていない。でも、その大金以上の額を生み出せる物を持っている。だから取り引きがしたい。」


「その物っていうのはなんだ?」


「モンスターの素材だ。ただその素材は公には売ることが出来ないから、換金することも出来ない。だから、そっちで買い取ってもらいたい。君たちのような闇金であればそういった伝手だってあるだろう?」


男たちは一瞬だけ視線を交わす。利の匂いに反応したのが分かる。


「なるほどな。確かにお前の言う通り‥‥そういった伝手はある。だが、まずここで物を見せてからだ。その物が、お前の言う通り大金を生み出せる物なら、その取り引きに応じてやってもいい。」


「うーーん、分かった。なら、そっちの事務所で見せよう。どうせ、それが嘘だった場合は俺も逃がすつもりはないんだろ?だったら、わざわざここで見せずにそっちに行って見せるほうが楽だし、それに今ここで物を見せたところで物の価値を測る術はないだろう?」


言葉は軽い。だが、その裏にある余裕が逆に相手を縛る。


「‥‥分かった。いいだろう。ついてこい。」


短く言い放つその声には、先程までとは違う慎重さが滲んでいた。


こうしてディアブロは彼女と共に闇金の車へと乗り込んで、事務所へと向かうのであった

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