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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
チタ要塞1944
61/62

チタ防衛戦 要塞咆哮 

短めです

 ソビエト軍はドナムへの集結を悪天候の内に終える気でいる。

 情報によるとポーランドでの戦況が良く無いらしく、戦力の分散先であるシベリアへは優先度が低いという。

 こちらで大量にパイロットを失い、その後ポーランド戦線である。ドイツが良く情報を分析していると言うべきか、ただ単にソビエトの指導者がマヌケなのか。

 いい機会だ。ここで一撃を加えれば奴らはこちらから引き上げるかも知れない。


 

 チタ要塞の観測所からはドナムから続々と押し寄せるソビエト軍の戦車や歩兵が見えた。

 向こうの彼方には雲の切れ間が見える。今のうちにチタ要塞に取り付くつもりなのかも知れない。あるいはチタの市街へ潜り込みチタの飛行場を制圧しようというのか。


 既にウクレイではこちらの天候が回復次第爆撃機が発進する手筈になっている。目標はドナムから押し寄せるソビエト軍では無く、後方のバダの飛行場および周辺の物資集積所だ。


 近づいてくるソビエト軍。静観する要塞。ただし要塞からは戦車や歩兵が出撃している。


 やがてソビエト軍の部隊がチタ駅まで五キロに迫った。チタ要塞、アルフレイ要塞とも十センチカノン砲の射程内だ。

 迷彩網が取り払われ威容を見せる三十六センチ要塞砲と二十センチ要塞砲。旋回を始め砲身を目標に指向する。

 ケノン湖畔で逃げようが無い場所にさしかかったところで砲声が響いた。十センチカノン砲とGPF十五センチカノン砲が砲撃を始めたのだ。

 崩れる隊形。一部の部隊はアルフレイ要塞に向かい、またチタ要塞に向かってきた。

 次に七十六ミリ野砲が火を噴き突入を図る部隊を粉砕する。更に戦車と歩兵の攻撃を受けちりじりになるソビエト軍。


 そこに重厚な砲声が響いた。三十六センチ要塞砲と二十センチ要塞砲がドナム方面へ砲撃を始めた。微妙に鉄道を外しているが、そのうち当たるかも知れない。当てたくは無いが。


 空が明るくなってきた。こちらはまだ飛行場の方面は雲が低く暗い。奴らの飛行機がやって来る方が早いか。

 案の定やって来た。奴らも学習している。今まではお行儀良く突っ込んできてくれたので迎撃も楽だった。だが、最近は異方向同時進入や時差攻撃をしてくる。

 対空砲が撃ち上げるが一機当たりの門数が限られているので厄介だ。

 味方の迎撃機は上がっているが機数に押されている。

 

 爆撃機は相変わらずのB-25とPe-2だが見慣れない単発機が混じっている。B-25とPe-2が面制圧を、単発機が精密爆撃を行っている。一部のB-25とPe-2はチタの飛行場を攻撃している。

 単発機の動きは鈍重だったが狙いは正確だ。よほど練度がいいらしい。後方からやって来たのだろうか。

 爆撃は終わった。こちらの被害は機銃座と対空砲が幾つか潰されている。要塞砲も三十六センチ砲は無事だったがアラフレイ要塞の二十センチ砲が一門潰された。他には十五センチカノンと十センチカノンが何門か使用不能になっている。敵機も相当数削ったと思うが如何だろう。


 こちらが爆撃に対して防御姿勢を取っている間に戦車や歩兵が要塞に近づいている。もう高い所の砲は俯角が足りなくて狙えない。

 対人用として待ち構えるのはホチキスM1922だった。M1922は使用弾薬をモシンナガンの小銃弾と共通にした仕様でベルト給弾だった。

 ロシアも日本も多種多様な弾薬の生産補給が望めないため、弾薬の種類を減らして同じ口径で似たような用途なら最大でも二種類になるよう軍備を改めている。

 そのため旧式な火器は連続使用が認められた機材以外は早期に廃止された。勿体ないので弾薬ごと中華民国に行っているのであるが。弾は現物のみと言う条件で中華民国に格安で売られていた。

 中華民国は中華民国でそれらに合致する弾薬を各国から購入した。配下の軍閥ごとに種類が違うので混同する可能性は低かった。


 迫る戦車と歩兵の群れを76ミリ野砲とM1922が狙いを定めて撃ち始める。砲撃でかなり減らしたはずなのだが、一体どれだけ居るのか。十センチカノンも低いところに設置された砲は撃っている。さすがに戦車が一撃で擱座する。

 

 

 その頃、ウクレイから発進した戦爆連合二百機はバダ飛行場を攻撃していた。爆撃機は一式陸攻でP-51とLa-5NF以外は性能が低下してほぼ迎撃不能な高度八千を飛んでいる。

 護衛は新鋭戦闘機の疾風と零戦だ。

 零戦では性能的にそれら二機種の相手は苦しいが疾風の機数が足りなかった。

 そこでおかしな事が起こっていた。P-40とP-39が八千まで上がってきた。それ自体は珍しいことでは無いが、一式陸攻に追いつけるのがおかしい。今までは高空性能が足りなくてこの高度ならそれな二機種は待ち伏せての一撃しか無かった。それが自由にとまでは行かないが今までと比べるとかなり楽に機動をしている。

 おまけにP-40は機首二丁だったM2が主翼に四丁になっている。

 苦戦は免れなかった。

 一式陸攻は一機当たり百キロ対地爆弾十二発か二百五十キロ対地爆弾六発をばらまいていった。


 爆撃後の偵察によると飛行場への命中弾は少なく隣接する格納庫や駐機場に集中して着弾したという。妨害を受けつつ高度八千からの爆撃では正確な着弾は期待出来ないようだ。

 バダの飛行場は一時的に使えないようで、ウラン・ウデへ飛べる機体は飛んで行ったようだ。

 それを受け後方の野戦飛行場から一式陸爆や屠龍、KR-1が飛んできて対地攻撃をしている。


 再び要塞砲の砲撃が始まった。今度は三十六センチ砲も二十センチ砲も最大射程で撃っている。バダの飛行場からの迎撃機が居ないので九十九式襲撃機が弾着観測をしている。

 

 その日の戦闘は終わった。進行してきたソビエト軍はボロボロで後退したはずだ。捕虜に聞くと八個師団と戦車多数で来たらしい。


 それを聞いた司令部ではたった八個師団で落ちるような要塞では無いと豪語したらしい。 


 翌日再び攻勢があるが明らかに戦力は少ない。簡単に撃退した。

 百式司令部偵察機が危険を冒してウラン・ウデへの偵察行を行った。

 その結果、新たな歩兵部隊も戦車の補充も見られないと言うことだたった。おそらく四個師団程度の防衛戦力と戦闘機が主体の航空戦力だという。


 こちらへの戦力は補充されないようだ。ポーランド戦線へ集中するのだろう。爆撃機も引き上げたようだ。

 危機は脱した。ウラン・ウデは奪回できないが、当面は問題なさそうだ。




 だが、日本は危機を迎えていた。サイパン島に機動部隊が迫ってきているという一報があった。

三十六センチ砲の対地攻撃の威力は想像して欲しいなと

陸戦が好きな方には消化不良でしょうが想像力を発揮して貰ってと


サイパン島防衛戦ですね。

グアム島とテニアン島は国際条約で軍事利用をしない取り決めが成立していて、日本も一切手を付けていません。

小笠原諸島と硫黄島で島伝いに航空機の補充が出来る日本と、ハワイとマーシャルからやって来るアメリカ軍。

どうなりますか。

次回は未定 三月中に一話を目指します



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