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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
チタ要塞1944
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チタ防衛戦 ドムナ戦車戦

短いですが

 遂にソビエト軍はドムナを制する為の戦いを始めた。

 天候の悪い内に出来るだけ制圧しようというのだろう。もっともその方が都合が良いのだが。

 今日も雲底は低い。一〇〇式司令部偵察機がチタを発進して高度も上げずに飛んでいく。三十キロも無い。あっという間だ。小高いところに前線監視哨を置いているがやはり上空からの情報の方が精度が高い。

 運動性は良くないのだが、この天候で飛ぶのだ。かなりの手練れなのだろう。

 煙を引きながら帰還してきた。滑り込むように着陸をすると滑走路から外れてしまった。慌てて車が近寄っていく。搭乗員を救助してすぐに司令部施設へと向かう。緊急性の高い重要な情報なのだろう。


 情報は緊急だ。戦車百両余りが動き始めたという。監視哨ではまだ動きが掴めない。向かう先はドムナしかないだろう。

 他にトラック百台余りも動いているという。歩兵が乗っている戦車も有ると言う。

 要塞砲でやるかという声も有るが、アレは集結してからだ。ここは戦車には戦車で行こう。雨も降ってきた。悪天候で航空攻撃は出来ない。

 アラフレイ要塞から二十両。チタ要塞から六十両の戦車が出撃した。歩兵を乗せたトラックも出て行く。

 アラフレイ要塞から出た二十両は全てTR-1だったが、チタ要塞から襲撃した内の二十両は日本陸軍だった。一式中戦車十両、九十七式中戦車十両だった。ロシア軍の四十両はTR-1である。



 小雨交じりの悪天候の中、お互いに戦車は進んでいく。


 ドムナ手前五キロほどでシベリア鉄道が川沿いに大きく曲がっていくところがある。森林と丘陵地帯だが、間道程度はある。戦車なら来るだろう。

 アラフレイ要塞から来た戦車部隊は丘陵地帯からの進出に備えさせた。本当はブルドーザーを持ってきてダックインを作りたかったが、そんな暇があるとも思えなかった。あらかじめ作っておかなかったのは失敗だったなと思う。

 丘陵地帯の監視哨から戦車十両とトラック数台が向かうと連絡があった。T-34とBT-7だと言う。


 シベリア鉄道周辺の道路を利用してくるのが本隊だろう。

 チタの司令部からは、ある程度の損害を与えた後後退すべしと指示を受けている。抵抗する姿勢を見せて奴らを引き寄せるつもりらしい。

 遂に見えた。T-34を先頭にKV-1とBT-7が続いてくる。向こうも視認したのだろう。縦列から横に広がってくる。広がってくるのはいいのだが、大丈夫なのか。湿地帯だらけだぞ。

 こちらから一千五百メートル程度の所で案の定、湿地に填まった戦車が居る。KV-1だな。重装甲ゆえの重さが徒になったようだ。しかも斜めになっている。アレでは用をなさん。乗員が戦車を捨てて退避していく。シベリアの大地は我々の味方のようだ。

 一千メートルになったところで砲撃が始まった。T-34の七六ミリ砲ならまだ大丈夫だ。九十七式は後ろにいる。BT-7が出てきてからが出番だろう。

 自由戦闘の命令が来た。よろしい、ならば突撃だ。装填手が徹甲を装填する。砲手が待てと?何故だ?地図を見ろ?目の前に湿地がある。すまん。では斜めに行こう。それならいい。砲手様の許可が出た。


 シベリアの大地は我々の味方でもあり足を引っ張る存在でもあった。そう、地図を見ながら行動しないと容易に湿地に填まる。


 敵の動きが悪い。さっきの湿地に填まった奴を見たのだろう。ゆっくりとしか動かない。これはチャンスであった。見ると車長ハッチを開け外部を見ながら前進してくる奴もいた。バカじゃ無かろうか。砲手にあいつをやると指示を出す。了解の返事が来た。停車させ砲塔を廻し照準を付ける。周りにこちらを狙っている奴は見えない。少なくともこのキューポラからでは見えない。

 撃った。命中はしない。T-34の横に着弾した。低いし左右もズレているぞ。しっかりやれ。

 装填手が次弾を装填する。目標が速度を上げた。砲手よ、お前あの速度で移動する奴に見越し射撃できるのか。出来るわけ無いだろ。じゃあ次の目標を探そう。発進だ。


 戦車戦はお互いに湿地という戦車の敵の前に慎重な動きをするしか無かった。ヨーロッパや満州の平原とは違いここでは動きが制約される。

 迂闊にも湿地で機動力を削がれた戦車は的になるしか無かった。ロシア側が地図を完備していることで優位なはずだがたまに地図を見なかったのか湿地に填まる奴がいて的にされている。

 

 戦車戦はお互いに積極さを欠き次第に距離が離れていく。隊長から後退命令が出た。終わりにするようだ。


 結局敵戦車十二両撃破。味方の損害四両となった。損害が九十七式ばかりというのもあの戦車が遂に二戦級になった現れだろう。敵の損害もBT-7が八両と多くT-34とKV-1は二両ずつだった。


 戦後の分析ではT-34はポーランド戦線に優先的に廻され、シベリアには配備から外されたBT-7やKV-1が廻されてきたらしかった。


 ポーランドではT-34の群れがドイツの主力戦車である三号戦車をボロかすにして蹴散らしているらしい。四号戦車を戦車戦に廻しても主砲の威力不足でT-34を撃破するのが難しいとの情報だ。

 ドイツ期待の五号戦車は三号・四号を大きくしただけの戦車でT-34と互角に戦うのはきついという。

 六号戦車の威力で戦線を突破されないように後退をしているらしい。



 次の日、奴らは何を考えたのか全力で前進してきた。

 もちろん迎え撃つ。

 昨日とは打って変わって激しい戦いが繰り広げられた。

 九十七式は正面からは通用しないと悟ったのか側面攻撃をするために大きく迂回していく。

 敵には更に補充があったらしく昨日よりも台数が多い。こちらは補充は無い。

 キルスコアは有利なのだが数の威力で押してくる相手には勝てない。徐々に後退していく。

 やがてドムナ飛行場が敵に取られた。


 アラフレイ要塞からは十八キロ、二十センチ要塞砲とGPF十五センチカノン砲の射程内である。

 チタ要塞からは二十キロ、三十六センチ要塞砲と二十センチ要塞砲の射程圏内である。

 

 後はドムナへの戦力の集結を待ち撃滅するだけだ。



地味です

作者が描ける戦闘シーンに期待しないで下さい


次回未定 三月中に二話程度出せると良いな

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