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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
燃えるミッドウェー
43/62

ミッドウェー西航空戦 続・逆襲のミッドウェー

夜戦に挑む赤城航空隊。どうなるのか。


Windows10 1903 やられました。黒画面。

復旧はかなわず。復旧ポイントが消えてしまい、復旧できず。

皆様も気をつけてください。


予備のWindows10がインストールされたSSDに換えて、仮復旧です。

6月6日 夜明け前 赤城 搭乗員控え室


「私も出撃要員に加えていただけませんか」


「太田、貴様はダメだ。貴様では技量が足りん」


「夜間飛行の訓練はしており、問題は無いと考えます」


「飛ぶだけでは無い。戦闘だ。夜間ほとんど見えない中、敵機に肉薄し攻撃する。貴様出来るのか」


「やります。やって見せます」


「ダメだな。貴様あの面々の中に入って同じ機動が出来るのか。出来るというなら加えてやろう」


「そ、それは・・・無理で・・す」


「だだをこねてもダメと言うことがわかったな。ならば飛行甲板から見ていろ」


「はい」


 そんなことを言われている面々


「坂井、貴様の目が頼りだ。良く誘導してくれ」


「任せておけ。今宵も良く見える」


「どうなっているんだその目は」


「なに、鍛えているだけさ」


「貴様ら、準備できたらさっさと飛行甲板にゆけ」


「了解です」


 高田飛曹長を長機とし、坂井飛曹長、西沢飛曹長、佐藤一飛曹、と言う赤城のエース達の出撃だった。


 彼らはわずかに明るく照らせれた飛行甲板を軽々と自力発艦して行く。


「坂井、貴様の目が頼りだ。これより先は貴様に長機を任せる」

「高田飛曹長、良いのですか」

「かまわない、今は面子とか先任とか言っている場合では無い。奴らはあの暗がりの中、照明弾だけで双龍に一発当てた。次の被害を防ぐのが重要だ」

「了解しました、前に出ます」

「頼む」

「こちら忠治、カラス一番。進路を11時にとり高度二千で飛行せよ」

「こちら、カラス一番、了解」

「聞いたな、坂井」

「はい、変針します」

 何でカラスなんだろう。国定忠治の赤城山なら雁じゃなかったか?等とくだらないことを考えつつ、警戒をしながら飛行した。

「こちら忠治、カラス一番、あと二分飛行し進路を8時にとれ。おそらく後ろに出るはずだ」

「カラス一番、了解」

「二分は近すぎる。もっと早く言ってくれ」

 隊内無線で佐藤がぼやく。

「そうだな、確かにもっと遠くで言って欲しかった」

「高田飛曹長、すみません」

「いやいい、帰ったら改善すべき問題として挙げておく」

「変針する」

 坂井飛曹長からの宣言で8時方向に変針した。

「坂井、見えるか」

「いやまだ、見えません」

「どこだ」

「前上方、気配がします」

 魔王が恐ろしい。

「見えた、アレか」

「どこだ」

「1時上空三十度くらい上」

「いるのか」

「見えません」

「います、気配がします」

 魔王西沢が言った。

「上がります」

「了解」

「坂井、俺のことは気にしなくていい。敬語は使うな」

「了解」

「皆、排気炎に気をつけろ。混合比を濃くしすぎるな」

「了解」

「こちら忠治、会合したようだ。反応が重なっている」

「こちら、カラス一番了解」

「今真後ろ」

「見えた、アレか」

「見えました」

「ずっと気配は感じていた」

 恐ろしいぞ魔王。

「後二百上がり上から先頭機に一航過して一撃を加える。反転攻撃はしない。再度上昇し上から一航過する」

「「「了解」」」

 そこからは流石、赤城のエース達だった。

 排気炎をできる限り絞り位置取りをすると、上から一航過しながら先頭機に銃撃を加える。

 四番機の佐藤が航過した後には、翼が折れ火を噴いて落ちていくB-17があった。

 全員が坂井の攻撃した三番エンジン付近を銃撃した。いくら頑丈でもひとたまりも無かった。

 今頃になって、そこら中に銃弾をばらまき始めた。次からは相手もこちらの存在をわかって反撃してくる。

 再上昇した編隊は、次の獲物に

「坂井次は右端の奴だ」

「了解」

 高田飛曹長の指示に従い次の獲物へとむかう。

 次の機体も三番エンジン付近を集中攻撃し、撃墜した。

 三機目も同じように撃墜した。

 四機目に向けて上昇中に

「流石に同じ事を三回続ければ敵も気づく。西沢と佐藤が一連射食った。今度は左右から挟み込む」

「坂井、西沢、お前達で組め。俺は佐藤と組む」

「「了解」」

「西沢、聞いているか、おい、西沢」

「聞いてませんね。無線どうかしたんでしょうか」

「仕方ない、坂井、西沢は任せた」

「了解」

「では最後尾の奴をやる。もう東の空が白み始めた。この攻撃で最後とする」

「了解」

「攻撃後は、敵機から離れて母艦に戻る」

「了解」

 弾を喰らう気は無かった。深い降下角で上空より一気に襲いかかる。今度は同じ場所を狙うことはしなかった。左右に分かれ、二番エンジン三番エンジンを狙って撃ちまくる。

 離脱した。最後に攻撃した敵機は両エンジンから火を噴き高度を落としていく。

「こちらカラス一番、忠治、これより帰投する」

「忠治、了解」

「カラス一番、こちら忠治、発艦する機体がある。発艦終わりまで上空待機」

「こちらカラス一番。了解」


 彼らは、夜間十機編隊に挑み三機撃墜一機撃破という信じられない戦果を挙げた。


 十機編隊できた残りの六機は及び腰の爆撃で、艦隊外周に水しぶきを上げて帰って行った。

 恐ろしいのはわかる。奴らが異常なのだ。

 安心しろ敵機どもよ。今から発艦する奴らは普通の奴だ。


 東の空が明るくなってきた。遠距離迎撃担当の機体が次々と発艦して行く。

 高田編隊は、発艦終わるまで待てだった。

 

 高田編隊が着艦すると、西沢機の様子が変だった。胴体に一発だけ食らっていてそれが見事に無線機を破壊していた。呼びかけても反応が無いわけだ。

 

 西沢機は無線機交換が終わるまで出撃禁止となった。


「整備隊長、補用機ありましたね。どうですか」


「お前、そんな物とっくに組み立てて搭乗員も搭乗割りに入っている。諦めろ」


「そんな、敵機はきっと来るんです。飛ばせて下さい」


「昨日と今日で二機落としているんだろう。他の奴にも譲ってやれ」


「わかりました。では、修理お願いします」


「任せとけ」


 

 B-17と思われる大編隊が電探に探知されたのは、攻撃隊を再び編成している最中だった。

 再び爆弾を弾薬庫に戻し、燃料を抜きと、大変な思いをしそれでも一発食らえば大惨事である。頑張るしか無かった。

 戦闘機隊は準備できた機体から上がることになった。魔王は無線機交換が間に合わず艦内待機。


 十機編隊六個程度の反応だった。爆装を解除し燃料を抜く順番待ちをしていた艦攻・艦爆の内、天山と彗星は接触隊として優先して発艦させられた。爆弾は海上投棄が認められた。

 

 戦闘機隊は混乱を避けるため、母艦航空隊ごとに迎撃をすることとなった。

最初に赤城・加賀・双龍、次いで瑞鶴・翔鶴・凍鶴、最後に瑞鳳・翔鳳・海鳳・天鵬だった。零戦百二十二機による迎撃だった。

B-17を三十機程度撃墜したあたりで、敵は爆弾を投棄し反転離脱を図ったが、許せば再びやってくる。徹底的な殲滅戦を行った。

 撃墜五十四機六機撃破。全滅だ。

 零戦隊の被害も多く、未帰還二十三機を数え、損傷機は三十機以上に上った。


 6月6日 午前十時


 MI艦隊司令部はミッドウェー島攻撃を画策するも、一機艦より、戦闘機隊の整備と再々爆装に二時間掛かると言われた。

 午後一時発艦とMI艦隊司令部から指示があった。攻撃は二次にわたって行われ、一次で漏らしたところを二次で潰す。という計画だ。


 双龍艦内


 整備員は疲れ切っていた。夜半から仕事をし爆装が半ば終わりかけていたところに敵機の襲撃があり、爆装解除、燃料抜き取りと緊張する仕事が続き、敵機を撃退したので再び爆装に取りかかったのに、まただ。

 爆装解除、燃料抜き取り、さらには今度は戦闘機隊が発艦するという。勘弁して欲しかった。

 赤城と加賀から移動してきたベテランによると、三段空母時代の赤城と加賀は最近の空母に比べると地獄のごとしであったという。

 煙突のせいで冬でも暑く、夏はまさに地獄の釜の中のようだったという。こんな作業をすれば間違いなく何人も倒れただろう事は明白で、こんな換気の良い涼しい職場で何言ってると叱咤された。


 そんなベテランも帰還した戦闘機隊の整備と再々爆装には思わず勘弁してくれと、へこたれた。

 その様子を見た甲板士官からの上申で、艦長が様子を見に来た。

「これはいかんな。皆へばっているか。三十分休憩を入れる。作業は三十分後再開せよ」

 艦長はそう言って戻っていった。

 今の状態で三十分は有り難かった。

 皆水を飲み塩をなめ、また水を飲んだ。休憩後にはかなり気力が戻っていた。

 体力的にはやれた。精神的に参っていた。


 6月6日 午後1時


 各空母艦首を風に立て発艦を始める。


第一次ミッドウェー島空襲部隊


零戦   百四十八機 (三十二型六十四機 四十三型五十八機)

九九艦爆   七十機

二号艦攻  二十八機

天山    三十二機

計   二百五十二機


 全機発艦後、直ちに第2次攻撃隊の発艦準備に入る。


第2次攻撃隊は

零戦   四十五機 (四十三型)

九九艦爆 四十五機

二号艦攻  十二機

天山    二十機

計   百二十三機


 もう補用機はすべて組み立てた。予備機はない。



 第一次攻撃隊はミッドウェー島手前三十海里から迎撃を受けた。

 敵は高度を取り、高空から速度を乗せて攻撃してくる気だ。こちらは艦攻と艦爆の護衛だ。好き勝手に離れるわけにはいかなかった。最悪間に機体を入れてでも、護衛任務は果たさなければならない。

 マーシャルの無様は繰り返したくなかった。

 一部が高度を上げていくが間に合わない。

 さらに半数くらいが機体を翻し、敵機と正対する。こちらは上昇姿勢、あちらは降下姿勢。どちらが有利かは、言うまでもなかった。

 正面からの撃ち合いになった。こちらの方が数が多いのだが、相手は速度にものをいわせて突っ込んできた。そして、阻止線を突破した。

 相手もこちらも数機が煙や火を噴いて落ちていく。もうとって返しても間に合わない。戦友の奮戦に期待するしかなかった。

 艦攻も艦爆も編隊を密にして機銃を盛んに打ち上げるが、敵機は無視するかの勢いで突っ込んでいく。

 何機か落ちていく。

 降下で逃げていく敵機を追いかけていく機体もあった。奴らが上昇しようとしなければ脅威ではない。

 その押さえにいくのだろう。決して気が高ぶって追いかけていったなどという恥ずかしい奴はいないと信じたかった。


 何回かの迎撃を受け、機数は減っていた。何機だろう。弾を落としたかっただろうに。

 ミッドウェー島が見えた。向こうでは対空砲火が上がっている。さっき追いかけていった奴が対空砲火の範囲に入ったのか。

 

 指揮官機から「突撃体制に入れ」の無線。艦攻は高度三千からの滑走路に対しての水平爆撃。艦爆は、重要目標への精密爆撃が任務だった。

 零戦が数機、滑走路に近寄り発煙弾を投下した。煙でもないと風向や風速がよくわからない。という攻撃隊からの要望が通った。ありがたい。これでかなり命中率が上がる。

 

 敵機動部隊に対する攻撃で、機数とくに艦攻が減ってしまったので、滑走路を効果的に潰すことはかなわなかった。

 滑走路の交差する地点と中間点を爆撃する予定だが、どこまでやれるか。


 敵戦闘機の姿は見えなかった。味方が奮戦したのだろう。戦闘機の中には、地上の対空砲火に対して銃撃を浴びせようというのか、降下していく奴もいた。


 対空砲火が激しい。水路にあいつがいた。アトランタ級だ。艦爆の連中は気がついているのか。

 爆撃針路に入る。滑走路の交差点が担当だった。八十番通常だ。陸用じゃないのかと聞いたら、コンクリ滑走路だから通常で深く入り込んで爆ぜれば確実に割れるだろうから。という答えだった。

 操縦員に進路を指示しながら、爆撃照準器をのぞき込む。西風が少しあるな。もうちょい

  彼の意識はそこで途絶えた。



 MI艦隊では、二次攻撃隊の発艦が始まった。攻撃隊からの「二次攻撃ノ必要有リトミトム」の電文があった。


 第一次攻撃隊の収容中に電探に反応があった。小型機多数の反応だった。低空でやってきたのだろう。編隊を探知できたのは六十海里ほどの近さだった。

 方位が少しミッドウェーとずれているが、十度もずれていなかった。ミッドウェーにいた艦載機群が少し迂回してきただろうことは理解できた。空母は全部やったからな。新型機が気になるが、迎撃をするのみだ。

 三十分もしないうちに攻撃が始まる。戦闘機と天山は航続に余裕のある機体は上空待機とされた。後は時間の許す限り収容する。


 直衛機が誘導されて飛んでいく。その後を天山がついて行く。三座の方が観察力が有るが燃料は大丈夫なのだろうか。戦闘機隊は残弾少ないも、できる限りのことはすると言った。


 電探の反応と天山の観測で大凡二百から二百五十近い大編隊とわかった。ミッドウェー島にいた機体が全部来たようだ。


 三航戦も残り全機を差し向けるという。龍鳳も派遣すると言ったが、輸送船団上空をからにするわけにはいかなかった。


 そんな迎撃戦の中、電探に新たな反応があった。ミッドウェー南方から小型機多数の反応が近づいてくるというものだった。


 司令部の中はパニックに近かった。そんな馬鹿な、空母は全部やった。どこから出てきた。参謀たちはまさしく右往左往し始めた。


 こんなこともあろうかと、とっておきの強行偵察用にとっておいた彗星もこの状況では発艦準備には入れなかった。各空母の飛行甲板は帰還機でいっぱいだった。 

 

 ミッドウェーからやってきた奴らの攻撃が始まった。

 


最後、また尻切れトンボですよ。次回に期待?

させているようですみません。

ただの能力不足です。


双龍の世界はストックがつきました。有るには有りますが、書きかけのものばかりです。

しばらく、双龍の世界は有りません。

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