ミッドウェー西航空戦 強襲
ミッドウェー強襲か?
赤い彗星は?
6月5日午後一時半
二航戦司令部は、赤い彗星が持ち帰った偵察結果に驚きの声を上げていた。
ミッドウェー島には、
B-17 四十六機
P-40 四十二機
F4F 三十八機
TBD 三十六機
SBD 四十五機
新型機 三十二機
カタリナ飛行艇 十五機
更に、航空機運搬艦または、軽空母と見られる船が2隻、岸壁から航空機を下ろしていた。
「この岸壁で下ろされているのは、P-40、F4F、で間違いないね」
「少なくとも、その二機種にしか見えません」
「さらに戦闘機が増えるのか。厄介極まります」
「最悪百機以上の戦闘機の迎撃を突破して、滑走路に八十番や五十番をたたき込まなければならない」
「この水路にいる船をご覧下さい。マーシャルでこちらに損害を与えてくれた、山のように高角砲を積んだ巡洋艦です。撃たれなかったと言っていますが、おそらく弾片で飛行場の機体が傷つくのを恐れたせいではないかと思います」
「艦載機で強襲は危険か」
「かなりの損害を覚悟しなければならないでしょう」
「そうすると敵空母の相手が出来なくなる」
「一航戦と大和には偵察結果を運んだな」
「先程、通信等で投下に成功しました。また一航戦と大和からは受け取った旨、通信がきています」
「どう考えるかな。俺としては、大和に突撃して貰いたい」
「海空同時攻撃ですか」
「そうだ。今ミッドウェーから二百五十海里だ。不可能な距離では無い」
「ですが我々がいるのが、ミッドウェーの西です。早朝攻撃だと逆光になります。航空攻撃を受けた場合迎撃が困難です」
「そうだな、だが別に早朝で無くとも良い。逆に夕方なら我々が西日を背負うことになる。こちらが有利だ」
大和から、通信が入った。驚くに値する内容だった。
只今より、ミッドウェー島に一戦隊・二戦隊で夜間砲撃を行うべく突撃する。
MI夜襲部隊
一戦隊 大和 武蔵
二戦隊 長門 陸奥
五戦隊 那智 羽黒
二水戦 能代
四駆 時雨 村雨 春雨 五月雨
五駆 海風 山風 江風 涼風
七駆 朝潮 大潮 満潮 荒潮
ミッドウェー島南より接近、ミッドウェー島東側を通過し砲撃する。
砲撃後、真方位0に離脱する。
一機艦はこれを支援すべし。
大丈夫なのか?索敵機を出すも、未だ敵機動部隊の居場所がわからない。そんな状態で突撃をするだと。
こちらを偵察しに単機で飛んでくるB-17は、電探誘導で迎撃し撃退している。此方のおおよその位置はわかっているはずだ。
まさか、敵機動部隊を釣り出すつもりなのか。かなり危険だが、やる価値はあると認めたのだろう。
一機艦司令部はどう出るのか。
一航戦、二航戦は各空母より戦闘機一個小隊をMI強襲部隊上空援護として派遣する。なお帰投時間が薄暮時になる編隊は熟練者を当てるべし。長時間の帯空は緊張感をそぐ可能性も有り、最大一時間とすべし。
三航戦、四航戦は現在の任務を引き続き遂行せよ。
そうきたか。
「航空参謀、各艦戦闘機隊の編成を確認、これを実行せよ」
「了解です」
「作戦参謀、航海参謀、一航戦はどうするかな。少し離れてついて行くと思うのだが」
「そうですね。護衛ならそれが妥当かと思います」
「どのくらい離れるのだろう」
「三十海里から五十海里だと思われます。それ以上離れますと、迅速な援護が難しくなりますし、近いと我々が見つかってしまいます」
大和が行った。四駆を先頭に左右に五駆と七駆を置く対潜警戒体制だ。殿は五戦隊か。
一機艦も後に続く。速度差が有るのでその内程よい距離に開くはずだ。
今午後一時か、深夜にミッドウェーを砲撃。全速で離脱。夜明けまでに百海里以上離脱できるか。
6月5日 午後二時半
ミッドウェー島南八十海里にて敵機動部隊発見の報が索敵機より入電。
一機艦司令部より対艦装備にて待機の指示が来る。
いよいよか。
敵機動部隊の陣容は、
正規空母三隻、戦艦三隻、巡洋艦五隻を中心とした輪形陣で周辺に駆逐艦多数という。
索敵機は凍鶴搭載の彗星だった。その高速性能で、敵機を躱しながら接触を続けていた。
「司令、強襲部隊の上空援護どうしますか。三航戦と四航戦にやってもらいましょうか」
「だがそれをやると、一機艦の上空援護が無くなる。空母の損傷はできる限り避けたい」
「龍鳳に頼みましょうか」
「龍鳳?」
「輸送船に零戦を三十機くらい積んでいたはずです。洋上で龍鳳に乗せ換えて発艦させれば、機数が増えます」
「そんなこと可能なのか。アレはミッドウェー島を制圧できたときのために乗せてきた機体だ。洋上で移し替えが出来るのか?」
「それはやはりやってみなければ、わかりません」
「どうするか」
強襲部隊から水偵が飛んできた。通信筒の内容は、ワレ進路変更セリ。一機艦ト会合セントス。
強襲部隊はまだ無線封止をしている。
午後三時半
敵機動部隊に向けて攻撃隊発艦を始める。時間的に二次攻撃は出来ない。
できる限りの機数で一気呵成に攻撃をする。
攻撃隊全機 三百六十機の大攻撃隊で有った。
零戦 百五十二 (三十二型八十機 四十三型七十二機)
二号艦攻 四十八
九九艦爆 九十六
彗星 十六
天山 四十八
搭載機数から言って、カタパルトが無ければ到底無理な機数だった。
彗星は全機出撃、赤い彗星は目立つという理由で彗星隊の長機にされた。少佐もいたのに。
九九艦爆はギリギリの距離だった。一機艦は発艦後、艦隊速力を上げ九九艦爆を迎えに行く。
全機発艦後、残る戦闘機を直援機とし飛行甲板に上げ待機とした。補用機の組み立ても急がせる。それでも七十機ほどにしかならない。三航戦と四航戦の機体と合わせても百十機だ。この艦隊の守りと考えると不安で有った。
一機艦の進路はミッドウェー島に近づく、現在のミッドウェー島の戦力を考えると危険な進路だった。
だが、それ以上に敵機動部隊は脅威なのだ。
強襲部隊と会合できれば直援機の負担も減るし、艦隊防空能力も上がる。早く会合したかった。
その頃、補給部隊では輸送船の零戦を龍鳳に乗せ換えていた。敵機動部隊発見の直後から始めていた。
龍鳳・千歳・輸送船と並び輸送船から千歳の航空機容収用クレーンで、輸送船から龍鳳へと乗せ換えていた。
そう、千歳・千代田にとって、洋上での航空機容収は日常だったのだ。その応用だ。難しいが出来ないわけでは無い。
この二十六機は(四機はミスをして主脚を折ってしまった)整備点検後、龍鳳航空隊に組み込まれた。
元の龍鳳所属の零戦隊は、一機艦を目指した。
一機艦を発艦した攻撃隊は、彗星の誘導電波に従い敵艦隊を目指す。迎撃機が向かった旨、通信が入った。
後三十海里というところで敵の迎撃が始まった。彗星からの通信では敵機は続々と発艦中と言うことだった。
母艦からは「ワレ発見サルモ、迎エ二向カワントス」という電文がきた。有り難い。
零戦隊はマーシャルの愚を犯すこと無く冷静に対応している。機数が多いことも冷静さを保てる原因かも知れない。
機数では此方が圧倒している。空母三隻で多くても二百五十~二百七十だろう。
戦闘機の数でも、護衛の零戦の数が空母三隻の戦闘機の数より多いはずだ。安心感は有る。
それでも落ちていく機体が有る。
前方上空に信号弾が見えた。彗星だろう。あの下か。
相変わらず迎撃機がやってくるが零戦の護衛は万全だ。ほぼ機数は減っていない。
見えた。
「突撃隊形作れ」
「艦爆隊と艦攻隊で息を合わせて多方向同時突入を忘れるな。いくぞ」
「了解」
皆母艦航空隊単位で大物に当たるようだ。その方がいいだろう。だがここに、違う人がいた。
「少佐、彗星隊は他の獲物ではダメですか?」
「いや、かまわん。と言うよりこの混雑ではでかいのはダメだな。皆殺到している。おい、シャー、貴様、アレをやれ。わかるな、アトランタ級だ」
「アトランタ級ですか。他の獲物ではダメですか。駆逐艦とか」
「だめだ、なんのための新型だ。当たらなければどうと言うことは無い、のだろう。やってこい」
「了解」
「安室、行くぞ。後方警戒は必要ない。高度読め」
「了解、高度読みます」
「あの派手に打ち上げている奴だ。後続はいるか」
「三機付いています。間隔は広がっています」
「異方向同時進入だ。一機あたりの対空砲火は減る」
「高度四千」
「低いが、まあいい。行く」
機体を傾けてアトランタ級の右舷を目指す。僚機も間隔を開けながら突入する。
気がついたようだ。面舵で回避している。結構小回りがきくようだ。
「八百で投弾する。読み上げ開始」
「三千八百、三百三十ノット」
胴体後部にダイブブレーキが開く。
「三千五百、三百五十速いです」
「かまわん。当たればいい」
「二千五百」
「二千」
「一千五百」
「一千二百」
「八百」
「テッ」
五十番は目標めがけて落下していく。
同時に引き起こしだが、機速が速くGが強い。重い。
「五百」
「四百」
「うるさい」
「三百」
「黙れ」
「二百」
「百」
「五十」
「この野郎」
「四十」
「三十」
「このー」
「二十」
「フーフー」
「二十」
「どうだ水平だぞ」
「助かった」
「なに。それより着弾は、後続機は如何した」
「三機です。一機見えません」
「クソ」
「一発命中、二発至近弾。敵艦黒煙を上げています」
「そうか、やったか」
「集まれです」
「帰るか」
残存全機集合して帰還する。損傷機を皆気遣って周りを囲う。
指揮官機から通信で、零戦四十三型と彗星と天山は巡航速度が速いので先に帰還するよう指示が有った。
着艦時の混雑を少しでも減らしたいらしい。他にもいくつかの隊が、速力を上げるよう指示されていた。
母艦が見えた。燃料残量の少ない機体から着艦するよう指示が出る。
損傷機も含め全機着艦した頃にはかなり日が傾いていた。
帰還してからいろいろなことを聞く。
一機艦は、敵機の接触は受けたが攻撃は受けなかったという。B-17がかなりの高空を飛んできたため迎撃は見送ったという。
あのアトランタ級はほとんど停止状態のところを雷撃隊に始末されたという。
敵機動部隊攻撃は、大戦果だった。
空母三隻撃沈
戦艦一隻撃沈 二隻撃破
巡洋艦二隻撃沈 一隻撃破
駆逐艦三隻撃沈 五隻撃破
大戦果だが、敵も然る者だった。未帰還機五十あまりを数えた。損傷機も多い。
昨日の空母は戦闘機以外、ミッドウェー島に待避させたようだ。
司令部では、明日6月6日ミッドウェーをやるという。
夜間は一度ミッドウェーから離れた。
まあアレです。戦果が過大というかも知れませんが、この位はいけるのではと思います。
大物狙いで、駆逐艦があまり沈んでいません。
18時に双龍の世界一編入ります。




