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空母 双龍 東へ  作者: 銀河乞食分隊
燃えるミッドウェー
27/62

ミッドウェー攻略戦/前段2 双龍 新型搭載機

だんだん近づいて参ります。

すでに戦略目的と戦術目標の乖離が起こっている。史実以上に強力なミッドウェー。


8/17 一部表記を変更

 ヨタヨタフラフラしながらなんとか呉にたどり着いた双龍。

 工廠や軍港のみんなが見る見る。


「なんだアレ」


「あんな船あったけな」


「いやない」


「なんぞアレ、ご丁寧に御紋彰が二つもついとる」


「それにあの短い煙突と小さい艦橋」


「あの艦橋はどこかで見たことがある」


「艦橋だろ。あれは雷龍の艦橋じゃないか」


「そう言えばあの艦首の形は空母だな」


「その前に皆、双胴船に驚かないのか」


「そうどうせん?」


(ふたつ)の胴と書いて双胴船だ」


「そりゃすごい。でもなんで双胴船なんだ」


「何でだろ」


「いやいや、深い意味が在るに違いない」


 喧々諤々の騒ぎになっていた。

 


 いえ、すみません。意味はないです。ただの浪漫です


 はい、「こんなこともあろうかと」をやってみたかっただけです


 でも高射装置が間に合わないという理由もそれらしくあるんですよ


 これで両舷、対空砲火があります


 しかも、左舷で着艦、右舷で発艦ということもできます。両舷で着艦とか両舷で発艦もできます

 


 俺たちは必死に言い訳を考えていた。バカだった。なんで浪漫を優先したんだろう。


「これか。なかなか面白いじゃないか。実に良いね。平時ならな」


 ですよねー


「それがですね、こいつらの言うことには時間的には両艦を復帰させるよりも早かったというのですよ。いささか腑に落ちませんが、確かに見積もり時間はこちらの方が早いですな」


 そうなんです。必死に見積もり出しましたとも


「君たち大佐目前だったのにな。残念だったな」


 おうふ、大佐ですと。それが見送りですか


「もしミッドウェーでこの艦が活躍したら、大佐を考えてやらんでもない」


 活躍します。絶対です


「で?こいつの艦名はなんという。まさか、火龍と雷龍から取って雷火とかじゃないだろうな」


 将来的にネタになりそうな名前ですね。でも違います。


「は、双龍と名付けたいと思います」


「双龍か。いい名じゃないか」


「ありがとうございます」


「お前達、艦籍簿と言う物を知っているな。どうする気だ」


「火龍と雷龍は戦没、除籍扱いにして双龍を新たに登録します」


「ほう、防諜のことも考えているか。良いぞ」


 防諜?ただの考えなしでした


「米軍が少しでも混乱してくれればと思います」


「この艦は機動部隊に付いて行けるんだろうな」


「実はその問題がありまして、三十ノット近くになると徐々に進路がずれます。機関の人たちが一生懸命回転数の制定をしてくれるのですが、どうしてもずれます。二十八ノットまでならまっすぐ進みます」


「二十八ノットだと、加賀と同じくらいか。では赤城と加賀と組んで一航戦だな」


「一航戦ですか。名誉なことです」


「よし、俺も暇ではないのでな、これで大阪に帰る。お前ら面白いから水交社でいつか一杯やろう」


「ありがとうございます」


 次官はそう言って、大艇で大阪に帰っていった。


 

 どうしよう。気にられたぞ


 お前もついに俺と同じになったか


 すごく不安なんだが

 

 心配するな。するだけ無駄だ


 不安をあおらないでくれ


 大丈夫だ。多分楽しい酒だから。あ、お前はいろいろ聞かれそうだな


 そうなんだよ。どうしよう


 人間諦めが肝心って知っているか、諦めろ



 双龍は再び艤装岸壁につながれ、煙突はじめ各種装備の取り付け搬入を行った。

 煙突は岸壁のクレーンのリーチが足りないため、クレーン船を用いて据え付けた。

 新型機銃はようやく制式化した、一式三十三mm機銃。それを、単装、連装、3連装、4連装と各種設置した。実戦で評価しろだと。


「弾詰まりとか、ベルト切れとかあるけど、新型にはつきものだ。我慢して使ってください」


「おい、それだったら二十五mm機銃の方が良いのだが」


「残念、ほかの艦に取られてしまい、この艦の割り当て無いです」


「ひどいな、他にお仲間はいないのか」


「武蔵・凍鶴・海鵬・天鵬と夕雲型駆逐艦は今のところ全部装備されています。今後この機銃が主力になります。日向にもどっさり積んでいます。しっかりと実戦データを取ってきてください」


「君、以前より強気になっていない」


「そうですね。あのまま火龍砲術長だったら今頃ここにはいません。草葉の陰から皆さんを見守っていましたよ」


「今は艦政本部か、軍令部なのか」


「また以前と同じように、軍令部装備課から艦政本部に出向です。艦政本部の方が風通しが良くて居心地良いから、出向ではなく配属にしてほしいですよ」


「残念だったな。でだ、わざわざ説明に来たと言うことは、この機銃担当だったか」


「そうです」


「何がだめなんだ」


「全部基本的には同じです。単装機銃は防楯が着いていることもあり、大きく重くて反動も強くとても一人じゃ振り回せません。弾倉式なんですが、弾倉が重くて三人でやっとかな」


「待て、何でそんな物を使わせる気になった」


「ここで双胴船作って遊んでいる人がいるからです」


「遊んでいるわけではないが」


「完全に自分の趣味優先ですよね」


「ヒュ~ヒュ~」


「目が斜めですよ」


「しょうが無い、確かに趣味に走ったが、時間の都合もあった」


「そういうことにしておきましょう。で、単装機銃なんですが単装のくせに三人で操作します」


「三人?」


「はい、一人で操作できないくらい重いので旋回俯仰の補助に二人、弾倉交換は専用治具を使っても全員でやらないと落っことすかもしれません」


「何でそんなめんどくさい物を実用化しようと」


「この単装機銃は艦船用では無く、陸上陣地用として開発されました。陸軍さんなら大勢いますからやれるだろうと」


「その実験というか実用化試験をこの船でやろうと言うことか」


「まあそうですね。ちなみになぜか陸軍さんもこの船に乗るそうです。単装機銃の操作は陸軍さん担当です」


「陸さんも大変だな」

 

「連装機銃ですが、これ以上は給弾が弾倉式では無くベルト給弾になります。初弾装填も人力では無く電気モーターによります。俯仰旋回もモーターです」


「偉い豪勢だな。電気式はいいが、戦闘中の電路切断があったらどうする」


「そのときは完全人力で動くようになっています。ただ、高速な目標に追随はできないです」


「重そうだな。どのくらいだ」


「連装で一基三トン、三連装で四トン、四連装で五トンです」


「重くないか」


「機銃自体は大きさからすれば普通ですね。給弾装置にかなり重量がかかっています」


「八十九式改二で二十二トンなんだが」


「それだけの威力はありますよ。有効射程ですが、有効射高二千二百、有効射程三千七百です。最大だともっとありますが、実用上は有効射程が大事なので」


「二十五mmよりそれぞれ一千メーターくらい伸びているのか。強力だな」


「発射速度も毎分百五十発となっています。これは実用発射速度で銃架に乗せて撃った状態です」


「百五十発と三百発と四百五十発と六百発か、以前、毎分二百発が目標と言っていなかったか」


「そうです。目標は高みにある方が良いのですよ。ですが四十発入り弾倉ではすぐに弾切れです。かといって重量からして連装以上の機銃では弾倉交換もできません。それでベルト給弾になりました」


「弾がでかそうだが重いのか」


「一発一千百グラムです。四十発だと弾倉の重量も入れて六十kg近いですね」


「そんな物人力で装填さすなよ」


「四十発は陸さんの希望でして。我々は重いから無謀だと言ったのですが」


「でだベルト給弾の弱点が、弾詰まりとベルト切れなのか」


「そうです。ベルトリンクが弱いのと給弾機構の精度の問題です。これは次期製作分では解消されているはずです」


「対策はあるのだろう」


「周りがベタベタになるにでお薦めしたくないのですが、グリスを塗ります。ベルトリンクが送られるガイドレールとリンク部分に塗ります。これでかなり良くなります」


「俺は造船なのでよくわからないが、使った後の手入れが大変そうだが」


「かなり大変です。それ故改良版を作っています」


「そうか、これからも良い装備を作ってくれ」


 機銃が載ったら俺の用は終わりだな。



 正和十七年五月初旬

 双龍は瀬戸内海から出て豊後水道から高知沖で訓練をしていた。

 三十ノット近くになると徐々に進路が外れていく。当て舵をすれば良いのだが艦長以下航海関係者は気持ち悪いといって当て舵はやりたがらない。


「飛行長、時間だがまだ機影は見えないか」


「電探だと味方機の編隊がこちらに接近中と言うことです」


「そうか、新型機はどうなのだろう。作戦前に新型に切り替えるのは不安なのだが」


「新型と言っても戦闘機は零戦の改良型です。問題は無い物と考えます」


「もらった資料によると、翼端を畳まなくても良いように主翼を短くしたんだよな」


「そうです。乗ってみましたが、切り返し、いや運動性はかなり良くなっています。若干旋回性能は落ちましたがそれ以外の運動性能の良さで十分カバーは可能です。速力も二十ノット速くなりました」


「良いことばかりのようだが、穴は無いのか」


「旋回性能にこだわる搭乗員には評判は良くないですが、それ以外の搭乗員には好評です。若干着艦速度が上がりましたが、許容範囲内です」


「着艦速度が速くなると若は大変だな」


「機材がこれしか無いと思って、慣れさせます。それに十五試はもっと速いそうです」


「もう十五試か」


「でも三年おきですから、そろそろ試作機ができあがる頃だと思います」


「その前に艦爆か」


「十四試艦爆は噂によるとかなり苦戦しているようです」


「実用化は先か」


「画期的高性能という触れ込みですが、狙いすぎましたか」


 機影が肉眼でも確認できるようになった。艦を風上に立て収容する。


 零戦四十三型


最高速度 三百三十五ノット/高度五八〇〇m 公試状態

航続距離 巡航一千三百海里 三〇〇L大型増槽一個装備

増槽無し 巡航九百五十海里

上昇力 高度五〇〇〇まで五分十秒 

急降下制限速度 四百ノット

全幅 11m 

全長 9.3m

自重 2,400kg

全備重量 3、800kg

武装

九十九式一号二型20mm機銃二丁 装弾数百発

ホ一〇三 13mm機銃二丁 装弾数二〇〇発

発動機 

金星六十四型 

離床出力一千四百馬力

一速公称出力一千三百五十馬力/高度三〇〇〇m

二速公称出力一千二百二十馬力/高度五八〇〇m


ついに時速六百kmを超えた。

燃費は金星の改良で良くなったが、燃料タンクの防弾強化によりタンク容量が減少。航続距離が少し落ちた。

機銃の弾倉が六十発入りだった物を百発入りにした。

発動機は金星六十番台の物、過給器の改良により二速出力が特に上がっている。

推力式単排気管を採用。速度が上がったが、うるさいのと操縦席が排気ガス臭くなって、不評。一酸化炭素中毒が心配されたが、それほどの濃度では無いと言うことでそのままに。後に排気管の位置を変更してかなりましになった。

操縦席の防弾鋼板と防弾ガラスが少し強化された。



零戦が新型になりました。

速度こんなに出して良かったのか。F6Fと五分にやれそうです。

敵戦闘機出し忘れました。デバステータとドーントレスは出たんですが。

次話では双龍の世界を二編挟みます。箸休め程度の物です。本日6時と夕方です。

次次話では、翔鶴級と十三試艦攻です。双龍も少し。

ミッドウェーは遠いなー。


8/17 後続距離減少の理由を変更。燃費の悪化>タンク容量の減少

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