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浜辺に打ち上げられた少女
「…おい、どうする。」
「シャルル兄様、そう言っても見つかりませんよ。」
「…シャルル兄様、仕方ないよ。姉様を、攫っていった男…だよ。」
3日、になるか。いや、14年だぞ。娘を探して酒場を渡り歩き、うんざりした夜明けの景色。今日も相変わらず、強い潮風が吹き付けている。
「…帰るか。俺が当分の間、玉座に座ろう。」
「…シャルル、体が持たないのでは。まだハルモニアに慣れていないうちに、歩き続けたから、立っているのがやっとでしょう?」
「ああ、だが王の務めというのはそういうものだろう。」
「…兄様は休むべき、だと思う…。それに、女の子…倒れてるよ。」
浜辺に齢12、3ばかりの少女が倒れている。
「…我が妹にそっくりだ。」
金の髪、長いふさふさの睫毛。これらは瓜二つだ。
「…シャルル、オリーヴァ、行こう。子供の世話なら末っ子が一番上手いと思わないか?」
本当にこの娘が、彼の娘なのか。そこはじっくり疑うことにして、この娘を大司教の元へ送り届けることにした。




