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【第7章】光が差す
1週間の休みを、私は相手に繋がらない形で会社に届けた。
仕事から少し離れただけで、世界の色がほんのわずかに戻ってきた。
でも、体の疲れは抜けず、不安の声は頭の中で囁き続けている。
「みんなに迷惑をかけている」
まだそんな罪悪感が頭をもたげ、しっかり眠れてはいなかった。
私が無理をせず、ただ「生きる」ことを続けられたのは、
支えてくれる存在が、すぐそばにあったことに気付いたから。
娘たちの何気ない会話や笑顔。
友人たちから届く、ねぎらいのこもったメッセージ。
ほんの小さなやり取りが、沈み込む心をつなぎ止めてくれていた。
だが1人になると襲い来る不安。
私はもう二度と、あの場所には戻れない…
そう思い詰めていた時───
「部署異動しましょう」
私の足元に、たしかに光が差した。
「私はまだここにいていい」
その感覚が、やっと胸に芽生えた瞬間だった。




