だれ?
ロジェが侍女長には見えない様に私達を睨んできます。
「ええ、侍女長様なんでもありませんよ」
仕方なく、私もロジェに合わせる。
「そうですか、それならいいのですが…」
チラっとロジェを見てため息をひとつ。
「では、こちらのワゴンをお願いします」
そう言ってお茶セットを置いて行かれました。
そしてロジェも、もう何処かへ行ってくれると思っていたのに…
コンコン、中から一緒に来た侍女のカーラが合図を送ってくれた。
私とドーリスはドアを開けてお茶を運んで行く事にした。
「失礼いたします」
私はそう挨拶をしてワゴンを押して入って行った。
ソファーテーブルの前まで運んで止まる。私とドーリスは並んで…ドーリスの横にはなぜかロジェまで付いてきている。
ドーリスも横に並ばれて目を丸くしていた。
「お茶のご用意を致します」
私がそう言った途端、後ろから回り込んだロジェが王太后様にカップを置いています。
マリーエル様もこの侍女は誰?と言う顔をしています。
本当はこの後マリーエル様の両隣に私達が座りマリーエル様に紹介頂く事になっていたのです。
その間にマリーエル様に付いていた本当の侍女のカーラ、ナナルの2人がお茶を、入れてくれる手筈でした。
皆予定にないロジェの行動に一瞬固まってしまって、何だかシラケた雰囲気になってしまった。
1人事情を知らない王太后様だけがどうしたの?とマリーエル様に聞いています。
マリーエル様はその声に我を取り戻し、気を取り直して私達に声掛けました。
「フランカ、ドーリスこちらへ座って」
「「はい」」
私達がお茶を放ってマリーエル様の隣に座ったのをみてロジェが声をあげた。
「なっ! どういう事?
王妃宮では侍女がそんな行動を取るの?」
これはまずい。
この国のトップ2人の交流を侍女の分際で声を上げて中断させ、割って入った様なものだ。
マリーエル様が座れと言ったのを聞いてなかったのかしら?
今の発言では、王妃に意見した事になる。
「無礼者! 誰に向かって言っているのです」
さすがにカーラが憤慨した。
私達の計画を邪魔されただけでなく、主人のやることに意見されたのだ。
カーラはロジェと違って平の侍女ではないからね。
大体彼女は主人のお側に仕える許可をもっているのかな?
だってさっき王太后様も誰?って顔だったわよ。
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