言いがかり(過去の回想)
数年前のその日マリーエル様と侍女2人と私、ドーリスの5人で王太后様はの所へ行きました。
西の離宮の侍女長にお願いして、私とドーリスがお茶を運ばせてもらう事にしました。
私達2人は廊下に待機して侍女長が運んでくるお茶を待ち、王太后様の部屋には私達以外の3人が入室して、挨拶を交わしています。
この後マリーエル様が聖女を同行した事を話すタイミングで私達がお茶を持って入って行く予定でした。
しかし廊下で待機している私達の元へ1人の侍女が寄ってきたのです。
「ねぇあなた達見ない顔だけど、そこで何をしているの?」
と声を掛けてきたのがロジェでした。
「ここで侍女長を待っています」
そうドーリスが答えると私達を下から上まで眺め回して、
「ふーん ねぇここに配属されたの?
それとも何処かからの応援?」
「私達は王妃宮のものですわ」
すっごく嫌な感じの態度だったけど、部屋の前で騒ぐと中にいる王太后様に気付かれてしまうと思い私は大人の対応をしました。
なのにロジェは私達に絡むのをやめない。
「すいません待機中ですので」
と私はもう一度声をかける。
主人から声が掛かったら動くので放っとけって意味で、普通メイドでもわかる隠語です。
要はどっか行ってよって言っているのにまだ絡む。
「へー王妃宮の侍女って顔で選ばれるって本当なのね。
でも、ここでは実力がなければ働けないのよ。
あなた達王妃宮でよかったわね」
ん? どういう事?
って2人で顔を見合わせた。
顔で選ばれるって… なんだぁ?
それより王妃宮にそんな噂があるの?
確かに王妃宮の侍女たちは有能な上に顔立ちの整った子達が多いけどね。
ロジェは王妃宮だからあんた達は勤めていられているけど、そんな顔がいいだけの実力もない侍女は離宮では通用しないわよって言いたいのだろう。
自分で言うのもなんだけど、私とドーリスは結構整った顔立ちで聖女のローブを着れば神々しいとか絵になるって言われてます。
中身はそんなんじゃないけどね。
でも考えようによっては誉められているのよね?
顔がいいって。
そこの部分だけ切り取ればだけどさ。
「どうしました?」
そこへ侍女長がワゴンを押してやって来ました。
「侍女長様、何でもありません。 この方達に離宮の事を尋ねられていただけです」
と言いながらメッチャ睨んできました。
余計な事言うんじゃないわよって牽制しているんでしょうね。




