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悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


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 慌てて駆け寄ると、イメネアは欠伸をしている。


「何があったの!?

 お嬢様は無事!!??」


 フィーにガバリと両腕を、突然拘束されて、欠伸の中断を余儀なくされたイメネアは、形容し難い表情のままガクガクと揺さ振られて呆けている。

 途中でハッと意識を取り戻したイメネアは、フィーに落ち着く様に懇願した。


「ちょ、ちょ!!

 待って、落ち着いて!

 揺さ振らないでぇぇぇぇ!!」

「ぁ……ごめん…」


 まさか……軽い脳震盪でも起こしたのか、イメネアはフィーの拘束から何とか抜け出すと、蟀谷(こめかみ)を押さえながら頭を振っている。


「う”ぅ”……気持ち悪く、なる…じゃな、い……もう…」

「……ゴメンナサイ…」


 大きな溜息を、見せつける様に吐いたイメネアだったが、一呼吸おいてから苦笑を浮かべた。


「全く……お嬢様には何にもないわよ。

 大体『無事』とか聞く?

 何を想定してたのやら、ね」

「ぅぅ…」

「まぁいいわ。

 フィーが狼狽えるなんて、珍しいモノも見せて貰えたから」


 イメネアが、ニッと屈託なく笑うが、直ぐにその笑みは消し去った。


「で、お嬢様は問題ないんだけど、伝言があるの」

「伝言?」

「うん、ユーミ先輩からよ」


 今日、意識の戻らないドニカについててくれた先輩メイドからだと聞いて、フィーは固まった。


「目が覚めたって。

 急いで向かって貰える? どうやらかなり梃子摺ってるみたいなのよ」

「…わかった。

 直ぐ向かうわ」


 今にも駆けだそうとしていたフィーだが、イメネアが思い出したように引き留める。


「あ、待って。

 フィー待って!」


 足を止めて振り返れば、イメネアが何時になく難しい表情をしているのが見えた。


「確認したいんだけど……。

 フィーが手を取られてる相手って…あの男爵令嬢なんでしょ?

 昨日、伝え聞いた話で、わたしやユーミ先輩、一部のメイド達はピンと来たんだけど…。

 だって単なる病人の保護なら、宿に預けてフィーは帰邸したか、馬車に同乗させて、邸の兵に預けただろうと思うのよ。

 それなのに、フィーは帰邸しなかっただけじゃなく、ずっと看病と言う監視を選択した……だから『もしかして』って考えたんだけど…。

 確証はなかったし、憶測で匂わせたりするのもねぇ…だから若様やお嬢様、当然奥様や旦那様にも、何も話してないの」


 そう言えば、アンネッタとケルナーへの説明も、始業前にする話ではないと考えて、そのままになってしまっていた。

 と言うか、あの御者の話だけでドニカの存在を察した、イメネア達の方が凄い。

 そう言えば、ユーミも宿に来た時、ドニカに対して特に反応していなかった。


「お察しの通り…ね。

 保護した相手はドニカ嬢よ」

「ったく…お人好しね。

 お嬢様に絡んだりして、辟易してる相手じゃない。見て見ぬふりで良かったんじゃないの?」


 イメネアの言い分も尤もだ。

 だから簡単に…けれど、しっかりと考え他を説明する。


 色々と聞かされたイメネアは、両手を自分の腰に置いて、う~んと俯いた。


「……つまり、あの男爵令嬢は、メイドの指示でお嬢様に絡んでるって事?


 うぅ~~~ん…フィーを信用しない訳じゃないけど、普通に考えて、使用人が令息令嬢を顎で使える立場になるなんて、ありえないわよ」


 (まった)(もっ)て、イメネアの言うとおりで、本来は反論の余地なんてない。


「でも、フィーが言うんだしねぇ。

 もしかしてあの時に調べた? ほら、フィーが助手になる前…ヤッセム隊長に同行して貰った事があったでしょ?」


 よく覚えていたものだ。

 確かにあの時は、理由を明確にしていなかったが、伝家の宝刀『フィーが言うのなら』でゴリ押して、モーソー家の事を調べに行った。

 まぁ、その日の事だけでなく、遠聴とか諸々も含めて…となるが…。


「ま、いいわ。

 結局『フィーが言うんだし』で終わっちゃうし。

 それでなんだけど…お嬢様の様子から推察するに、まだ話してないんでしょ? わたしの方から、やんわりと伝えておこうか?」


 それはそれで助かるが、ややこしくなる可能性も否めない。

 ドニカの意識が戻っているなら話は出来ると思うし、それからでも何とかなるだろう。

 フィー自身の考えも、まだ纏まっていない状態で、話だけが独り歩きするのは避けたい。


「気遣ってくれてありがとう。

 多分、そう手間取らないと思うし、私から話そうと思うわ。

 何しろドニカ嬢自身と、まだ話も出来ていないしね」

「了解。

 じゃあ、わたしは戻るわ。

 そっちも気を付けて」


 ひらりと手を一振りして去って行くイメネアを見送ると、フィーは、ユーミとドニカのいる宿に向かって駆け出した。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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