表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/116

90



 そう言い捨てて、ナホミはあの場にドニカを置き去りにしたのだ。

 男爵家に戻って最低限の仕事をしていると、いつの間にか外は暗くなり、雨が降り出していた。


 普段は娘の事なんて気に掛けた事もない癖に、今日に限って男爵夫人がドニカの所在を聞いてきた。

 居ないとわかると、探して来いとまで言いだす始末。

 もしかしたら、ドニカの婚姻先(身売り先)でも見つけてきたのかもしれない。


 本音を言って良いのなら、ドニカが何処に売り飛ばされようと、興味も何もない。だが、今はまだナホミの手駒なんだから、勝手な事をされるのは困る…が、こんな雨の中、外に出たくはない。


「っと、今日は最悪…。

 あのババァ、何で今日に限って…。

 仕方ないじゃない。

 ドニカが鈍臭いから、あたしのイライラがMAXになっちゃったんだもの…って、別にいっか。

 どうせ、すぐ戻って来るでしょ。

 あの鈍臭い子ネズミは、あたしがいないとダメだもんね。鬱陶しいけど……」


 ナホミは口を閉じた。

 スンと表情をこそぎ落とした後、何かを思い出す様に、目の焦点を曖昧にする。


「……ま、あいつよりマシか…。

 やっぱ弟より妹…ってか、ドニカは妹じゃないんだけどさ。

 弟って言うより男だからなのかもだけど、つまんないのよねぇ…ちょっとやそっと弄ったくらいじゃ動じないし。

 その点、ドニカは一々反応して、ビクビク怯えてくれるから、ホント弄り甲斐があるって言うか。


 あのおどおどした新人達を思い出しちゃう。でも不思議よねぇ…こっちは親切心で色々と教えてやってるのに、新人達ときたら、どいつもこいつもホント使えなくて…でも、だんだんとすっきりすると言うか、いつの間にか丁度いいストレス発散になってたわね。

 ま、係長に可愛がられてるのが、ムカついてたって言うのもあったかなぁ」


 ニンマリと片側の口端を上げた。


「でも、どうしよっかな。

 本当に婚姻先(身売り先)が見つかったってんなら、何とか阻止しないと?

 だって一応ドニカがヒロインなんだしね。

 ヒロインが居なくなっちゃぁ、ストーリーが破綻する訳だし、あたしに何の旨味もなくなっちゃう。

 こういう時は旦那の方……あ~違うな、息子の方に言わせた方が、夫人は言う事聞いてくれそう。

 今夜は坊ちゃんのベッドで一戦、かしらねぇ」


 そんな事を呟いた途端、胸の奥が微かに痛んだ気がする。

 ふと自分の胸を見下ろし、ナホミは呆れたように目を細めた。


「ええ~~? まだ居たの?

 いい加減成仏しなさいよ。

 自分で自分を手放したのは貴方でしょ?

 でもまぁ、最後に誇っていいと思うわよ?

 なんたって、この顔と身体で旦那も息子も骨抜きだし。

 あたしが精々有効活用して、幸せになってあげるから、もう消えちゃってよ。

 ね?」


 宥める様に自分の胸をあやす。


「さて、説教なんてうざいから、さっさと餌食べさせとくかなぁ。

 あ、運ぶ前に鉄板の嫌がらせはしとかないとね」


 ナホミは自分の分を皿に取り分けた後、残りのシチューに雑巾の絞り汁を混ぜ込んだ。


「うん、今日も完璧♪

 あたしをイラつかせた罰だから、自分を恨んでよね」





 一方、王宮からの馬車が公爵邸に到着すると……。


「なんですって!?

 フィーが帰ってこないと、諸々……」


 メイド長のサリタが、眉間の皺を深くしている隣で、イメネアが某ム〇クの叫びよろしく絶句している。

 その正面に陣取る執事長が、ホッホと微笑みながら、珍しく口を開いた。


「仕方ありませんなぁ。

 では今夜はお嬢様のお世話は、イメネア、お願いしますよ」

「ぅ、は、はい」

「ユーミは手紙の確認を」

「……はい」


 ユーミと言うのは、最初に邸でフィーを預かった先輩メイドで、メイド長サリタの娘である。

 その後も執事長は冷静に指示を飛ばしていく。

 メニューや各種手配等々……フィーの負担を実感させられる瞬間であった。


「……困りましたな。

 流石に旦那様はじめ、皆様の御衣装のデザインは……」


 ずらりと並ぶ使用人達と顔を見合わせ、やっと存在感を現した執事長は深い溜息を零した。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ