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「普通にゲームは好きだし、ジャンルも別に拘りはなかったかな。
RPGやADV、他はアクション系、シミュレーションにパズルなんかもやってたなぁ。
でも『流恋』って、俺が好んでやり出したんじゃなく、姉ちゃんがやってたゲームなんだよ。
なんか、イラストが気に入ったとかでやり始めたらしいんだけど、育成が面倒って言い出して、俺にお鉢が回ってきた…って感じ。
俺としては、丁度いい小遣い稼ぎ兼暇潰しだったけど…どうだろうなぁ……姉ちゃんは仕事が忙しいって言ってたけど、本当にそうかはわかんね。
何しろあの姉ちゃんだからな。
って言うか、姉って言う生物は、なんだってあぁも横暴なんだろうな…」
口には出さないが、それは世の『姉』に対する偏見が酷過ぎないだろうか?
いやまぁ、姉に限らず兄や、あと男兄弟だと横暴な…と称される一群が存在する事は否定しないが、それは弟や妹だって同じだろう。
要は人それぞれだと思う。
「バイト代に目が眩んだのは、俺なんだけどさぁ…」
「つまり、お姉さんの代わりに、戦闘とかの育成部分を請け負ってたって言う事?」
「そうそう。
それが面倒って言うか…ほら、育成が一段落したらイベントが挟まるだろ?
そのイベントは進めず、手前で止めて返せって指示でさ。
で、それが終わったら俺の所に戻されて、またポチポチ戦闘育成作業。でもあぁ言う部分って、一番面白い部分じゃないのかな…それを人任せって言うのは、ゲームの醍醐味の殆どを、手放してるようなもんだと思ったけどな」
ゲームの話になって、耕作は見る見るうちに落ち着きを取り戻した。
やはり結構好きだったのだろう。
「なるほどね。
シナリオにはあまり興味はなかった…って事でОK?」
「まぁ、じっくり見る程ではなかったけど、あのゲームって戦闘の合間に、ちょっとした会話が挟まったりしたじゃん?
あれってすっごいテンポ悪くなって、俺としてはあんまり好きじゃなかったんだけど、アレのせいで……」
言葉を止めてしまったエネオット…失礼…耕作をふとみると、ムスっと不機嫌そうな表情になっていた。
確かに『流恋』で育成部分の多くを占める戦闘パートは、作業感しかなく、人によっては退屈だっただろう事は、容易に想像出来る。
開発陣もその辺りは危惧していたのだろう。
時折ヒロインと、サポートキャラに選んだ攻略対象との会話が合間に挟まるのだ。
と言ってもシナリオに直結するような会話ではなく、何種類かある会話をランダムに挟んでいるのだろうって感じだった。
ただそのせいで、戦闘の手を止めざるを得なくなり、非常にテンポは悪くなっていた。
会話内容は好感度のヒントの様なモノ。
『流恋』では好感度が、グラフ化も数値化もされておらず、この育成の合間の会話で、何となく把握するタイプだったのだ。
ヒロインが問う場合、『〇〇の事はどう思う?』と言う台詞に対して攻略対象が返事をする。
『〇〇』部分には名前が入る。
当然ヒロインと言うか、ユーザーキャラの名前が入る事もあれば、他キャラの名前が入る事もあった。
まぁこっちは特に問題はない。
問題なのは、攻略対象の方が問いかけたパターンの方だ。
攻略対象がヒロインに問いかけた場合、ヒロインが他キャラに対して持っている感情を吐露するのだが、その内容が酷い。
天然キャラだから…とかで、済ませるなとフィー…いや、この場合芙美子か…も言いたかった部分だ。
特にライバルとなる悪役令嬢が選択された場合が酷かった。
もう悪口のオンパレード。
マナーに対して物申された等が想定されているのだろうが、出た台詞としては『もう、細かい事に一々喧しいの』だった。
他にも…作中でヒロインが、悪役令嬢と仲良くなろうと模索するのだが、それに対しても『折角話しかけてあげたのに、あの子ったら無視するのよ…悲しいわ』……上から目線も甚だしい。
当たり障りなく『ちょっと苦手』とか『………』とかで誤魔化せば良いのに、まるっと話させてしまった為、悪口や嫌味の連発となってしまったのだ。
開発側はなんとかしてヒロインに対して好感情を、悪役側には悪感情を持って欲しいのだろうが、神経を逆撫でするとはこの事だと、ネットでも囁かれていた。
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