表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/117

78



 今後の彼の事を考え、部屋に入り込んだまでは良いが……。


「ぅ……ぅぅ、ふぇ、ぅ…」


 とうとう、しゃくりあげ始めてしまった。

 中身は知らないが、見た目は中高生くらいの美少年だ。

 思わず憐憫の情が湧いてしまう。


 推し神は、今の所ダントツでセル、仕える主人はアンネッタ…それに変わりはない。


 しかし、これまで手を焼かされていた悪ガキが、一転して震える子羊の様な弱り切った姿を晒していると、つい小動物に対する庇護欲みたいなものが、ちらりと顔を覗かせてしまった。


 前世はわからないが、少なくとも現在のフィーとしては、自分の方が年齢も下だし、身長も低いのに、背伸びまでしてエネオットの頭を撫でてやる。

 撫でられた方のエネオットは、一瞬ビックリしたように目を見張っていたが、すぐにまた目を潤ませた。


「……お…俺……」


 エネオット…中の人と言うか、表出している人格の名前はわからないままなので、とりあえずエネオットとしておくが……彼はそのまま言葉を詰まらせ、俯いてしまう。

 色々な感情や言葉が渦巻いて、彼自身、何から話せば良いのかわからないのかもしれない。


 フィーは少し考え込んでから、ふぅと息を吐いた。

 落ち着くのを待ってやりたい気持ちはあるが、流石に時間が勿体ない。


「それで、どう言う状況なのですか?

 殿下は別の人物の記憶がある……そう言う認識で問題ありませんか?」


 心情を(おもんばか)って婉曲に、やんわりと尋ねても良いが、通じなければ困るし、通じてもズレが生じては後々問題になるだろうと、フィーはダイレクトアタックを選択した。

 問い掛けに、俯いていたエネオットはゆっくりと顔をあげ、フィーをじっと見つめる。


「……その…君も…?」


 しおらしく問い返す様子は、これまでの彼と、あまりに違いすぎて調子が狂う。


「まずは私の質問に答えて頂けますでしょうか?」

「ぁ、うん…ごめん」


 素直過ぎて、違和感が半端ない。


「えっと……そんな(かしこ)まった言い方されても俺…」


 中の人が『エネオット』だけでなく『この世界』も、まだ受け止めきれていないのだろう。

 ネルローネの聞いた呟きから察するに、ほぼ間違いなく日本人。

 中の人が、身分制度がないとされる日本から来た人物なら、急に身分がどうのと言われても、馴染めないのも理解出来る。


「……ん~~、じゃあ今だけ…。

 一応、貴方はこの国の王子殿下ですか…ぁ、えと、王子だから、外に出たら無理だけど、今だけ…ね。

 で、前世の記憶があるのよね?

 名前とか覚えてる?」


 彼も落ち着いてきたのか、手の甲で涙を拭うと小さく嘆息してから話し出した。


「うん…。

 名前は耕作(こうさく)って言うんだ」


 そこで一旦言葉を切った彼…耕作に、話を続ける様に促す。


「えっと、大学生だった。

 一応エネオットとしての記憶もあるよ。だから頭ではわかってるんだ…。

 周りが(かしず)くのも…けど、俺自身はただの貧乏学生で、講義とバイトに追われてたから、こう…うまく言えないんだけど、色々と受け付けられなくて…。

 ってかアレ何!?

 なんで着替えとか……一々他人に手伝って貰わなきゃなんないって、頭おかしいだろ!?」


 感情のままに、彼は(まく)()てた。

 それも、フィーの方が引き気味になる程、前のめりに……。


「まぁ、わからないではない…かな。

 で、ズバリ聞くけど…『流恋』について聞かせてくれる?

 シナリオは何処まで知ってるの?

 それと、どういう考えなのかも……一応ヒーローな訳だし」


 フィーはすっと目を細めて、反応を窺う。


「シナリオなぁ…実を言うと、そっちはよくわからないんだ。

 いや、少しは流し見てたんだけど……俺は戦闘とかの作業ばっかりだったんだよ」

「どう言う事?」


 エネオット…今は耕作と呼んだ方が良いか…名前からも想像できる通り、男性だったようだ。

 フィーこと芙美子(ふみこ)には、乙女ゲームを男性がするなんて…とかいう偏見はない。


 女性だって18禁ギャルゲーが大好物なんていう人もいるだろうし、男性でもBLおなしゃす、な貴腐人が居たって問題はない。

 少数派である事は否めないだろうが…。


 だから耕作が乙女ゲーム大好き系であっても、まったく文句はないのだが、彼の言い方からすると、少し違うような気がする。







ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ