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【完結済】悪役メイドだなんて言われましても困ります  作者:


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212/215

212 狭間の物語 ◇◇◇ 羈旅終演―2―


「まさか…それはないでしょう…。

 結界に辿り着くまでに魔窟の森があるんですよ?

 それがどれほど危険な場所か、普通は想像がつくと思いますから、そんな無茶はしないでしょう」

「俺もシャフの意見に同意。

 魔窟の森に関しては、どこも手出し無用っつうか…まぁどこも危険視してて近寄りもしないから、何の情報もないけどさぁ。だからこそ魔物が溢れてるって伝承は、当たらずと遠からじだろうって言われてるじゃん。

 いくらフィーがオリジナルのライアンサ人だって言っても、流石に一人で突撃なんてしないだろ?……だよ…な?」


 ルルも言いながら、少し不安になって来たのか表情が曇る。

 シャフも他二人の不安が感染したのか、眉間の皺を深くした。


「いえ…でも……。

 彼女はオリジナルである上に、皇王族…しかも直系です。

 それは彼女の言葉だけでなく、あの精霊達やガヴォッドラーヘン様の言葉からも確かな事実…。

 まさか本当に一人で向かう可能性が…ないとは言い切れない……かも…」


 シャフとルルが険しい表情で考え込む中、セルが口を開く。


「わからないけど、もしそうかもしれないのなら準備を進めよう。

 イボルボンに着いて報告を終えてから…と思っていたけど、猶予はなさそうだ。

 シャフ、後の事はお願いするよ」

「セル様!?」


 セルの言葉に、シャフが飛び上がる勢いで顔を上げた。

 その行動にルルの方が思わず仰け反ってしまう。


「ちょ、驚かせんなよ!

 ………って…え?」


 ルルは、セルとシャフの深刻そうな空気に、思考が追い付かないようで、二人を交互に見つめた。


「どう言う事だよ……?

 二人共、何隠してるんだ?」


 ルルの責める様な声音に、セルは俯いて顔を背ける。

 だが…シャフの方は反対に、伏せていた視線を上げた。


「隠してはおけませんね」


 ポツリと零した言葉に、その場の空気が張り詰める。


「シャフ!」

「やっぱ…何か隠してたんだな?

 言えよ!! 俺だけ外してんじゃねぇ!!」


 止めようとするようにシャフの名を叫んだセルに、ルルは目を吊り上げた。

 ルルの剣幕に、セルの方が押される。


「ルル、落ち着いて…」

「セルてめぇ……これが落ち着いてられっか!

 どっちでもいい、早く言えよっ!!」


 深呼吸を一つして、シャフが話し出す。


「ルルの継承魔法にはなかったようですが、セル様とわたしの継承魔法には、ある術式が組み込まれていました」

「シャフ!!」


 セルがシャフの言葉を遮る様に名を叫んだが、今度はそれをルルに腕を引かれる事で止められた。


「自身の身体を鍵に変える術式です。

 尤も、その鍵と言うのも曖昧で、多分『鍵』とでも呼ぶべきものじゃないかと言う、セル様とわたしの予想でつけた呼び名です」

「自身の身体って……そんなの…そんなの俺は知らねぇぞ!!??」

「えぇ、だからルルの継承した中になかったモノだったんだと思います」


 ルルは声も出せず、唇を噛み締める。


「まぁ…もう何百年と受け継がれてきたモノですし、ついこの間まで、継承の内容さえ分かりませんでしたから、大部分が予想というか…、こうじゃないか?と言う不確定な話なのはルルも知っての通りです」


 ここまで話したのなら止めても無駄と諦めたのか、セルは顔を背けて立ち尽くしていた。


「ですので、実際どう言う用途で使用されるのかわかりません。

 しかし、ガヴォッドラーヘンを入手した後、ライアンサへ入る為に必要となる…それだけは確かでした。なので結界を開く為か、無効化する為か…そう言うものだとセル様とわたしは結論付けたのです」


 シャフが口を閉ざした後は、重苦しい静寂が圧し掛かってきた。




ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。


リアル時間が少々慌ただしく、隙を見計らっての創作、投稿となる為、不定期且つ、まったりになる可能性があります。また、何の予告もなく更新が止まったりする事もあるかと思いますが、御暇潰しにでも読んで頂けましたら嬉しいです。


ブックマークやリアクション等々も、頂けましたらとても励みになりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

ブックマークや評価等々くださった皆様には、本当に本当に感謝です。


AI不使用な事もあり、誤字脱字他諸々のミス、設定掌ぐる~等々が酷い作者で、本当に申し訳ございません。見つけ次第ちまちま修正したり、こそっと加筆したりしてますが、その辺りは生暖かく許してやって頂ければ幸いです<(_ _)>

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