83.冥府の案内人
ヘカテー
ヘカテーが、パルテノン神殿に来るとアテナとヘカテーとの密談になった。
最近、堕天使が悪魔と魔族を従えて魔王を名乗り、このエーゲ海のいくつかの島で魔法の研究をし、神に挑もうとしている情報を入手していた。
ヘカテーは冥界や魔界に行けるだけでなく、この紺碧のエーゲ海に浮かぶ数千もの島々も行き来できる。
「ほう、堕天使ごときが神に挑もうなどとはそんな愚かな者はルシファーくらいかと思っていたが、他にもいたのか?」
「いえ、他にはいませんよ、今回もルシファーです」
「ハッハハハまたあの堕天使か!?完全に殺した方がいいだろうあんなバカは」
「ですから、今回はアテナの話に乗ろうと思ってきたのよ」
親善大使で来る夢とアミスを観光の案内をし、魔族がいる所に出てしまったと言って戦わせる。
魔界の悪魔や魔族を大量に殺させて最終的にルシファーを討伐させるという相談だった。
「なるほど、悪魔や魔族がかなり減り、上手く行けば夢とアミスまで死んでくれれば面白い、アントリュースが泣く顔が頭に浮かぶわ」
「死んでも、英雄伝説のようになればアントリュース側もこちらに文句は言えないでしょ、でももしルシファーを倒して悪魔や魔族を大量に殺したら褒めてあげてもいいんじゃないの」
「褒めたくはないわ、そんな事になればアントリュースの子供が英雄扱いになるじゃないか、もし生き残っていたら冥界にでも連れて行ってタルタロスの餌にでもしてくれないか?」
「無茶を言うわね、そんな事をしたら私がアントリュースに恨まれるわよ、それはお断りよ」
「ヘカテーそれだけでは貴女にあまり特にならないだろ」
「このエーゲ海を悪魔や魔族に汚されたくないからこの話に乗ったのよ」
「なら、どうだもし、最終的に夢とアミスが生き残ったとき冥界に連れて行きタルタロスの餌にしてくれたらこのエーゲ海を全てヘカテーにやるというのは」
「本当にくれるの?」
「ああ、あげるよ私は、人間界にあまり来たくないし、人間界の海にも興味は無い、それよりもアントリュースの泣く顔が見たい」
アテナとヘカテーが組んだ。
夢たちは初日は、パルテノン神殿を案内されアテナの従者から接待を受けたが宿泊は、豪華客船でした。
この船の中なら護衛が多くいるから安心して眠れる。
メルヘン豪華客船がギリシャのアクロポリスの近くの海で待機していた。
そこから見える紺碧のエーゲ海に宝石のようなエーゲ海の島々そして古代遺跡など様々な絶景が目に入ってきた。
皆んな、ギリシャは初めて来た。
夢とアミスが神殿で挨拶をするから皆んな船で待機してもらおうと思ったが、皆んながパルテノン神殿の中を見たいと言うので皆んなにも護衛を付けた。
この世界の支配権をかけた戦争の悲劇の話とゼウスの従者やアテナとは、うわべだけの友好関係である事は話しておいた。
「挨拶が終わったらすぐに戻って来るから大人しく待っててね」
パルテノン神殿に入ると皆は、この神殿のダイニングルームで待機してもらった。
夢とアミスそして護衛と神竜を連れてアテナに会いに行った。
アテナが従者とヘカテーを引き連れて現れた。
夢とアテナがお互い腹芸の挨拶を交わした。
「会うのは初めてだな、アントリュースとアルテミスによく似ている」
どうしょう言葉が浮かばない、練習ではこの投げかけはなかった。
もう適当にやろう
「ええ、よく言われますアテナ様のような偉大な女神様にお会いできて光栄です」
「ほう、アントリュースに似ているがあいつよりは話がわかるみたいだな」
「僕は、かか様とは違いますから話は聞きます」
「まあ、あんな殺戮の神が何人もいたら大変だがな」
カチン!夢はムカついたが耐えようとしたが・・・
「ですが、話しても無駄だと思ったら斬ります」
「ほう私を斬ると言うのか?」
お互いの目が鋭くなり睨み合いになった。
アミスが剣を握った。
そして、神竜のりゅうが唸り声を出しアテナを睨んだ。
アテナの従者と夢の付き添いの従者が止めに入った。
「ご挨拶はもうよろしいのではないですか?」
「そうですね、まだ戦争が終わって16.7年ですからまだまだ心から友好になるのは、戦争で死んだ神々が報われません」
「夢様、挨拶も済みましたし、もうこのくらいでよろしいのではないですか?」
だが、アテナの怒りが収まらなかった。
「おい、何も知らない小僧が偉そうに言うな!あの戦争でどれだけの神々が死んだと思ってるんだ!こっちは我慢してやってるんだ!」
「アテナ様引き上げましょう」
夢は、剣を抜きそうになったが堪えた。
アテナは、個人の感情だけで言ってるのではない事が伝わってきた。
たが、あの戦争で多くの犠牲者を出してるのはこちらも同じ、抑えてはいるが納得は言ってない。
アテナは、危うくブチギレる所だったがヘカテーとの作戦があったからなんとか抑えた。
「アテナは、丸くなったね!」
「年を取ったと言いたいのか?」
「あいかわらずだね」
夢も、アテナがこんなにムカつく女神とは思っていなかった。
まさに水と油だった。




