89.行列ができる大衆食堂
巨大魚が襲ってきても夢は焦っていない、幻獣にしては動きが遅い、それに殺気も弱い、この戦いの中でルシファーの事を思い出していた。
あのときのような戦いがしたい。
夢が剣を大きく振った。
景色が引き裂かれ口元を斬り落とすと巨大魚が苦しみのあまり暴れだした。
白い悪魔が宙に浮き、夢と一対一になった。
すぐに終わらせようとしたが、後から巨大魚が体当りをしようと向かって来た。
それを避け、白い悪魔を見るといなくなっていた。
自分が逃げるために、戦意喪失になった巨大魚を精神支配して僕に攻撃させたのか・・・
巨大魚が正気に戻り逃げだした。
地上に降りるとアンデッドは、浄化され悪魔は、ルビーとサファイア、そして乗組員達が全滅させていた。
黒いモヤのような物が消え闇のオーラを感じなくなった。
フィリアとエミリーンが確認したが、白い悪魔に張られた結界が解除されていた。
「夢、この結界の解除は罠じゃないの?」
「罠だったらもっと強いのが出てきて楽しめるかもしれないけど、向こうの戦意喪失で帰ってくださいと頼まれてるみたいだよ」
エルミナが細かく確認したが、この島だけでなくアバロン島の結界まで無くなっていた。
空間転移魔法でアバロン島の食堂に行った。
食堂に入るとテーブルでフィンが寝ていた。
ここで全員で食事をした。
夢とエルミナは、カツ丼を10杯づつ食べて終わりにした。
「カツ丼は、10杯くらいまでにした方がいいね」
「美味しい量だね」
「普通の人は、2杯でも多いんだけど」
ルシアは、かき氷を気に入って5杯食べていた。
ミコはそれを見ていた。
美味しい量かな!?
フィンがおかしな事を言っていた。
円卓の騎士達と語り合ったとか、魔法使いのマーリンにあったなど真面目に言っていた。
お店から出て空間転移魔法で天界の乗客船に戻ろうとすると、この島の人や観光客が騒いでいた。
「昨日この食堂にエクスカリバーを持ったアーサー王が現れたんだよ」
「ここの食堂は、円卓じゃなくて四角いテーブルだぜ」
「時代の流れで変わったんじゃないか、でも本当にアーサー王を俺は見たんだ」
「俺も、見た!蘇ったアーサー王だと言ってエクスカリバーを持った手を高々と上げていたんだ!」
あのほうきのことかな?
島の人達の精神支配が解けたがアーサー王熱はより強くなった。
客船に戻り、船長にアバロン島とブランダン諸島の調査を黄金の翼の国に頼む事にしてもらった。
夢達は、エミリーンの別荘で春休みを過ごす事にした。
ブランダン諸島には、興味はあったが、悪魔と魔獣そしてアンデッドが多くいたことで普通の人達の生活は期待できなかったから行くのは、やめてアバロン島でのんびり過ごした。
一週間たち、アバロン島とブランダン諸島の報告をもらった。
魔族の研究施設の跡があったか、既に全て持ち去り逃げた後だとの報告だった。
白い悪魔テレシアと負の感情を増幅させるエルノーバがルシファーの仲間かは断定できないが、この魔族の研究施設は悪魔と魔族を従わせられる者の仕業だということは確かである。
アバロン島最後の前日、最後にカツ丼を食べたくなったので食堂に行くと行列ができていた。
アーサー王が来た食堂として噂になり、観光客だけでなく地元の人達も食べにきていた。
夢達も行列に並んだ。
「ねぇ夢、並ばばなくてもご主人に言えば優先してくれるんじゃない」
「割り込みはいけないよ、それに行列の出来る店は並んでから食べるから楽しいんだよ」
「そんな事言うの夢だけだよ、皆も並びたくないんだよ」
天界の乗客船に乗ってるときも、夢はルシファーの事ばかり考えていた。
何処にいるルシファー、何故僕を殺しに来ない・・・
夢は、ルシファーと戦ってからいつも再び挑んで来るのを楽しみにしていた。
だが、いつまでたっても来ない事にストレスを感じ、屋敷に戻るとペガサスに乗って天界の神殿に向かった。
夢が帰ってきたことでアルテミスは大喜びで夢に抱きついた。
「夢、寂しくて私に会いに来たのね、人間界はやめて天界に戻ってらっしゃい」
「いえ、今日はかか様と相談したい事があって来たんです」
「夢!私に会いに来たの?」
「あのかか様、にお聞きしたい事がありまして」
「何かな、何かな楽しみだな!」
「かか様は、ルシファーを知ってますか?」
「え~と、誰だっけ」
「有名な堕天使何ですけど」
「私は、堕天使って、よく知らないわよアリエルとウリエルに聞いてみるよ」
「昔、天使の三分の一を率いて神に戦いを挑んでミカエルさんに負けて堕天使になったそうです」
「アルテミスは、知ってる?」
「そんな事があったような気がするけど天使が反乱起こして負ける神がいたら情けないわね、そんなの神じゃないわよ」
グサッ
「天使に負けた神は、天界から追放して堕神にするべきだわ」
夢はその言葉で話しづらくなってしまった。
「なんか、かか様とお母様の顔を見たら悩みが無くなりましたので帰ります」
「今日は泊まっていきなよ、久しぶり何だから一緒に寝ようよ」
「そうですね、僕はかか様とお母様の子供で幸せです」
夢は、その日アントリュースと一緒に寝て翌朝人間界の屋敷に戻っていった。




