78.白い悪魔テレシア
テレシア
エミリーンがこの島での思い出がある壊れた別荘を見ていた。
「もう、ここには来れなくなって良かったじゃない」
エルミナはフォローが下手だった。
でも、エルミナは、エミィに酷い事を言ってしまったと思い必死に世話をして励ました。
エミィには、護衛のフィンがいなくなり、世話をするメイドもいない、誰もお姫様扱いされないまま、この島から脱出しなければならない、かなりの不安があった。
夜遅くなったが、火を焚き料理長が食事の用意をしてくれた。
たいした食材はないが、流石は一流のシェフ、何を食べても美味しかった。
エルミナとエミィの目の前に突然、怪物が現れた。
「な、何なのですかこの化け物は?」
エルミナは、エミィを庇い敵の行動を警戒した。
短い距離なら転移魔法を使える。
目の前には、ライオンの胴に鷲の頭と翼を持つ半獣判鳥が数匹いた。
そこにルビーとサファイアが来た。
「なんて行儀が悪いグリフィンですか」
「夢様のお食事中に許されない行為です」
ルビーとサファイアの殺気を感じてグリフィンたちが逃げ出した。
だが、サファイアは一匹捕まえて縄で縛っていた。
グリフィンが、怯えて震えていた。
食事が終わり、夢が武器の装着をした。
「夢、戦いに行かれるのですか?」
「そのグリフィンに主人の所に案内させる」
「この怪物は、大人しいのですか?」
「大人しいよ、天界では車を引くのに使われる犬だよ」
動物の扱いが得意なサファイアが任された。
サファイアが、グリフィンに優しく話掛けたが甘えてきて飼い主の所に帰らない、そこでイライラしたサファイアを睨みつけた。
それでもグリフィンはネコなで声を出して寄ってきたが、サファイアが蹴飛ばした。
慌てたグリフィンが目が覚めたかのように走り出した。
エミリーンが、気になったのでサファイアに聞いた。
「あれは、主人の所に帰るのですか?」
「飼われたグリフィンです痛い目にあえば主人に泣きつくでしょう、それに食事も与えてないから帰るでしょ」
「参考になりました」 ペコッ
グリフィンの後を着けて行くと泉の近くに来た。
たくさんのアンデッドが現れ、その後に真っ黒な悪魔達がいた。
ミコとエミリーンはその地獄のような光景に遭遇し、たどたどしく見ていた。
エルミナも、どうやって戦えばいいか、悩んでいた。
船の音楽家がバイオリンを弾き始めた。
綺麗な音色にアンデッドたちの動きが止まり悪魔達が苦しみだした。
夢が悪魔の中に飛び込んだ。
そして、ルビーとサファイアが夢に続いた。
エルミナもそれに続こうとしたが、船長に止められた。
「アンデッドや悪魔は、神にとっては、たいした敵ではありませんが、人間やエルフの方々には何かと災いがあるかもしれません、すぐに終わるからここで待っていてください」
船長が大きな剣を持って悪魔の方に向かっていった。
他の乗組員の神々が皆の盾になってくれた。
「夢坊ちゃまのお友達の方々は私どもがお守りします」
神のヴァイオリンの音色にアンデッドが消滅していった。
夢が殺気を感じた。
ようやく来たか!?
上空に巨大な巨大魚が現れた。
巨大魚の上に金髪でメイド服を着た女の悪魔が無表情で立っていた。
それを見ていた船乗りが教えてくれた。
「ほう長く生きてますね白い悪魔テレシアですか」
その言葉にフィリアが反応した。
「やはり白悪魔だったんですか?」
「はい、神をも恐れぬ白い悪魔テレシア」
悪魔は、神聖魔法に弱いが、特異体質で神聖の属性を持つ悪魔がいた。
長く生きた悪魔テレシアは、光属性、聖属性、完全無効化の力を持ち魔族を脅し、そして精神支配して配下にする。
白悪魔から、いつしか白い悪魔テレシアとよばれるようになった。
だが、何故かいつもメイド服を着ていることから誰かのメイドなのか、それともメイドの格好が趣味なのかそこまでテレシアに興味を持つ神はいなかった。
「あの〜乗組員さん、最後に興味を持つ神はいなかったって、何故神々は興味をもたないのですか」
「悪魔が神聖魔法を使えることは驚きますが、神の力を使えるだけの悪魔、神の中では、それ程強くないのです」
「強い悪魔なら弱い者を精神支配などしません、強い奴は力で脅して弱みを握っってパシリとして使うのです」
船乗りの目が輝いていた。
夢が上空に行き、白い悪魔の前に来ると巨大魚が反応し、夢を飲み込もうとした。




