77.心の中にいる
エルノーバが去ると闇のオーラは消えていた。
もう夜になっていた。
夢とフィリアが店の中に戻ると皆が騒いでいた。
「夢、フィンがおかしくなりました!」
「どうしたの?」
「あれを見てください」
エミリーンが指をさした方を見るとフィンがほうきを持って精神支配された人達の前で手に握ったほうきを高々に上げ、自分が蘇ったアーサーだと叫んでいた。
「普段と変わらないじゃない」
「見よ、このエクスカリバーを」
うおおおおおお〜〜〜!
精神支配されて、円卓の騎士だと思ってる人達からどよめきがおきた。
「今日は、かなり乗ってるね!」
エミリーンがこれからのことを提案した。
「この島には、まだ精神支配されてる人達が大勢いますわ、もう夜ですし、プランタン諸島にも別荘がありますから今日はそちらに泊まりませんか?」
フィンの様子がおかしく、この島にどれだけ精神支配されてる人達がいるかわからない、それにエルノーバはまだ生きている。
空間転移魔法を使えるかエルミナとフィリアに相談してみた。
エミリーンから所在地を聞き、この海から結界を抜けられる航路があった。
エルノーバが負傷した事により結界が弱っていると見て、この人数なら行けると判断した。
エルノーバの倒し方がわかった夢とフィリアはこの島に残ってエルノーバが襲って来るのを待つ考えもあったがフィンや精神支配の人達を見ると気もち悪かった。
それに精神支配されてる人たちを殺してはいけないと思うと戦うのは面倒なのでエミリーンの別荘に向かう事にした。
「フィンさんはどうしょう?」
「あのままでいいんじゃない楽しそうよ」
ミコほ、フィンに呆れていた。
外を見ると雨が降っていた。
エルミナが、何か言いたそうだった。
いや、間違いなく言うだろう
「ねぇ、ご主人アバロン島って雨が降るんですか?」
「この時期は、多いです」
エルミナが、アーサー王の本を取り出した。
「この本には、アバロン島は強い風が吹くことも、あられや雪、雨さえもこれまで一度として降ったことはない楽園って書いてあるんですけど」
「そんなわけありませんよ、雪は降らないですが、雨が降らないと水が飲めないですし、農作物が育たないです」
「そうですよね、育ちませんよねこの島のリンゴはどうなんですか、水がなくても育つんですか?」
「育つわけありませんよ、子供でもわかりますよ」
「精神支配されてる人達は雨が降らないのにリンゴが育つと思ってるんですか?」
「アーサー王は心の中にいるのです」
意味がわからないが、またそれか・・・
エルミナの意見は術者のエルノーバが生きてるからこのまま精神支配を解いてもまたすぐに精神支配をかけ直されてしまう、それに精神支配を解除するには、魔力をかなり使うことになるから疲れるだけで、最悪魔力切れになる可能性が高いと判断した。
フィンはこのままにして、一旦ブランダン諸島の別荘で休む事にした。
すぐに空間転移魔法でブランダン諸島のエミリーンの別荘がある島に来たがその所在地に建物が見当たらなかった。
夢とエミリーンは別荘を探していた。
「エミィ、別荘はどこにあるの?」
「あれっ、おかしいわね住所を間違えたかしら?」
近くに破壊された建物があった。
エミリーンがよく見ると別荘だった。
壊れ方から見て巨大な生物に破壊されたとしか思えなかった。
「何故こんなことに!?」
「それより、この島は危険だからすぐに空間転移魔法で他に行こう」
エルミナのフィリアが揉めていた。
「それはないでしょ」
「だけどそれしか考えられないよ」
夢が心配になって声をかけた。
「どうしたの二人とも」
エルミナが夢に説明した。
「聞いてよ夢、結界が張られてるのよこの諸島全体に」
「だってエルノーバは、かなり深い怪我を追っているから大きな結界は、貼れないはずだよ」
「それが、エルノーバじゃないのよ」
「何故わかるの?」
「この結界は、聖属性によるもので、結界の破壊ができないのよ、つまり攻撃を無効化にされちゃうのよ」
「この諸島を・・・こんな広範囲で結界を張ったとするとは、神が絡んでるってこと?」
「その可能性が大きいのよ、でもアトランティスに比べたらそれほど大きくないから、もう一つの意見としてフィリアが聖属性の白悪魔じゃないかって言うの」
「神でも悪魔でもどっちでもいいんじゃない、倒せばいいんだから、それで二人は揉めていたの?」
「違うよ、そんな事で揉めないよ、空間転移魔法が使えなくて野宿になるから、私は、肉が食べたいって言ってるのにフィリアが魚介類が食べたいって言うのよ」
船長や船乗り達は相手にしてられないといって食材を探しに行ってしまった。




