74.忘れられない旅行
エルノーバ
フィンが、その上空にいる女を見て喜んでいた。
「ちれ〜〜〜っい!」
子供の天使ルシアから見るとおばさんでも、20代の男から見たらいい女だった。
それより、フィンの様子がおかしかった。
エミリーンとミコも様子がおかしい。
「不味い、精神支配だ!負の感情を増幅させてる!」
ルシアが急いで真実の鐘を鳴らした。
キンコンカンコン♪ キンコンカンコン♪
「フィリア、解除できる?」
「やってみる」
夢が空に飛び、魔族の女に大きく剣を振り斬った。
カッキーーーーーーーーン!
結界が張ってあった。
その結界に亀裂が入ったが、、亀裂はすぐに修復されていった。
夢が一旦地上に降りるとその魔族も地上に降りてきた。
夢が魔族の女を睨んだ。
「余裕だな!」
「可愛い坊やね、オネェさんと遊ぶ?」
そこにフィンが手を上げて魔族の前に来た。
「あの、おいくらですか?」
「あなたを誘ってないのよ私は、その坊やにようがあるの、今度二人っきりで楽しい事して遊びましょ私の夢」
そう言って消えると闇が消え、周りが明るくなった。
なぜ、僕の名前を知ってるんだ・・・
エルミナが走って来た。
「夢、大丈夫?」
「ああ、怪我は無いけどルシファー以外にもあんなに強い魔族がいるんだね」
「あいつは、やばいよ、エルノーバといって負の感情を街規模で増幅させて精神支配できる魔族の魔法使いだよ」
「それでフィンさんが、おかしくなったんだ」
「フィンさんは、精神支配解除してるよ」
ミコがフィンを冷たい目で見ていた。
「観光地だからといって、魔族の女を買わないでください」
「早く、この島から抜け出しましょ」
「なんか嫌な予感がするけど天界の客船なら大丈夫かも」
「嫌な予感って何?」
「さっき結界に亀裂を入れたんだけど、すぐに修復されたんだ」
「結界の自動修復なんて、あったらいいけど、その魔術はいまだ研究している魔法使いはいるけど発表されてないわよ」
「ムー大陸にあったムートロンの結界版みたいな感じだったよ」
港に戻って小型の乗客船の所まで来た。
すぐに飛び立ち結界に波動砲を撃ち破壊したが、結界はすぐに自動修復された。
船長からの報告で、時空も曲げられていて助けも呼べない状況だと説明された。
この船には、船長と乗組員、調理師、音楽家の10人の神が乗っている。
このまま船にいても食べ物には困らない、海から魚介類も取れる。
だが、エルノーバは、この結界の中で負のオーラを強め精神支配できる状況にいる。
取り敢えず船の中で食事をしながら考える事にした。
豪華な料理が並び音楽家がバイオリンを弾き始めた。
切羽詰まった状況でも生演奏で優雅に食事は、初めての人が見れば驚くだろうがこのメンバーは、慣れてきた。
大型の豪華客船ならゴールドエンジェルアタックを装備してるが、小型乗客船の波動砲では破壊力が弱すぎる。
船の中に神が10人いる事で悪魔や魔族でも簡単にこちらを制圧できないという利点はあが、迂闊に動けば神とて命を失う。
エルミナがワインを飲みながらしみじみ語った。
「今回の旅行は、生きて帰れたら、私にとって一生忘れない旅行になるわ、アーサー王が最後に永遠の眠りについた島に来て、見た物がキャメロットのラブホだけだなんて」
エミリーンのこめかみがピクピク動いていた。
「これは、事故ですわ、それにラブホにキャメロットの名前を許可してる事に問題がありますわ」
「だってアーサー王も円卓の騎士も、存在しないんだから著作権ないんじゃない」
調理師がルシアにフルーツパフェを持ってきた。
それを見て目を輝かせ大喜びしていた。
本当に気がきく使用人たちだった。
エミリーンの情報では、この島は、それほど大きくない、半日あれば端から端まで行けるそうだ。
ここから反対にある西の港からは、隣りの島に行ける船や物資を運ぶ船が外国からも行き来しているという話だった。
「この島の全てが結界で通れないことはないですわ」
「そうだね、もしこの島全体が結界に覆われていたら、この島に来てる商人たちにも知られる事になるからね、そうなれば噂が広まってしまうから魔族もそこまではやらないだろうね」
エミリーンの屋敷で働いている人達には、悪いが今回は、この島の人達を救う余裕はない、まずは、自分達がこの島から抜け出す事が第一優先だ。
島の人達を救うのは、その後にする。




