58.デリシア
デリシア
悪魔が槍でフレイアを突いてきた。
フレイアが剣で振り払ったが槍の威力が強く、思わず左へ飛び間合いをとった。
初めて戦う悪魔がこんなに強いとは思わなかった。
その悪魔が笑いながらいたぶるのを楽しみながら槍で突いていた。
フレイアの体から至る所から血が出ていた。
夢が近くに来た。
「フレイア、苦戦してるみたいだけど手伝おうか?」
「あたり前でしょ、見た目が50才くらいだから油断したけどまさか1.000才だと思わなかったわよ」
「エルミナも1,000才だよ」
「エルフは、そういうものだけど悪魔は初めて見たからよくわかんないよ」
悪魔が怒り出し槍の突きかたが荒くなった。
「誰が50才だ!みんなから30代前半くらいに見えるって言われてんだよ」
「それ言ってるのはあんたの手下でしょ」
「そうかいじゃあお前も手下になりな」
「夢、見てないで手伝ってよ」
「この、おばさんの突きはこれが全力みたいだよ、フレイアなら倒せるよ」
「全力を出すの嫌なの汗かきたくないよ」
「フレイアは、小さいときから僕より全力を出さないよね」
フレイアは、汗をかきたくないから小さい頃から体力をあまり使わない奏の剣術を稽古していた。
それと、汗をかかなくてもいい、魔法攻撃が得意だった。
「おばさん、僕が相手するよ」
そしてフレイアに説明した。
「悪魔は、神と同じように長く生きるんだよ、このおばさんは、1,000才なのに見た目が50才くらいなのは、魔力が弱いからなんだよ」
「そうなの!魔力が弱い悪魔って見た目がこのままで長く生きなきゃいけないの?可哀想な悪魔だね!」
「ごちゃごちゃうるさいんだよ!」
振り向きざまに剣を振った。
景色が大きく引き裂かれ、血が吹き上がり悪魔の胸には大きな傷ができていた。
その近くにいた魔族は、体を引き裂かれ倒れていた。
悪魔の胸の大きな傷から大量の血が流れていた。
「今のを避けるんだね、やっぱりそこそこ強いんだ可哀想な悪魔だけど殺す!」
夢の瞳が光った。
その悪魔を睨みつけると紅い瞳は恐怖を与え、悪魔が動けなくなった。
逃げられない、何だこの目は!?
夢が集中し真剣に剣を振ると景色が引き裂かれ悪魔の首が吹っ飛んだ。
「夢は、本当に強くなったね!」
「いや、相手が弱かったんだよ、だけど、とんでもない怪物がいるんだよ、この魔族の中に」
「この研究施設の中にいるの?」
「いや、今日は、そのオーラは、感じないけどそいつとは戦わないほうがいいから、いないうちに早くきり上げよう」
「夢〜〜!施設の外から魔族たちがこっちに来るよ!」
エルミナは取り乱して慌てていた。
「だから、それを狙って暴れたんじゃない」
「そうだけどものすごい数の魔族だよ、それに精神支配された人間もたくさん向かってくるよ」
「だから、予定どおりじゃない」
「そうなんだけど多すぎて魔力切れになるよ」
みんな、疲れた顔をしていた。
魔法を使い過ぎて魔力切れになりかけていた魔法使いもいた。
リディアも神聖魔法の疲労回復で魔力切れ寸前だった。
フィリアは、迷っていた。
神聖魔法の疲労回復を使えば魔力切れで戦えなくなる。
それよりもっと困るのは空間転移魔法が使えなくなることだった。
普段、誰かを助けることがなかったフレイアが、ふらふらになりながら、皆んなが戦ってるのを見て助ける気になった。
「ちょっと本気でやってみる!」
フレイアは、最低限の動きしかしない、本当に汗をかくのがいやなのか、長時間の戦いになると氷属性の魔法を取り入れて戦っている。
相手によって攻撃パターンを考えるのではなく、あくまでも、自分が暑いのは嫌だからだった。
フレイアの周りにいる魔族が凍ったまま立っている死体もあった。
このモーリシャス島の灼熱の太陽の下でもなかなか溶けなかった。




