1. 光の粒子
アミス
天界の黄金の翼学院には全ての世界から優秀な生徒が集まっていた。
中等部一年の首席はアントリュウスとアルテミスの娘アミスだった。
学力と神の力は飛び抜けていた。
弓矢の成績は母親譲りの才能があり天界の中等部では圧倒的な強さを見せていた。
学生達の間でもアントリュウスの後を次ぐのはアミス様だと噂になっていた。
アミスが校門に来ると多くの家柄のいい神々が、顔と名前を覚えてもらおうと毎日のように挨拶に来た。
「おっ、アミス様だ!」
紫色の宝石のような瞳、銀色の髪、美しさのオーラで溢れていた。
アミスに気づくと一斉に生徒達がアミスの元に集まった。
その中でも男子達は、アミスと付き合えないかという願いもあった。
「アミス様、おはようございます!」
「おはよう!」
「今日は一段と美しいですね!」
「もう、いつも一段とって言ってるんけど会う度に一段上がるのね?」
「ですが、本心です」
「私にばかり挨拶してないで、お兄ちゃんには挨拶したの?」
「夢様にもしっかり挨拶してます!」
「そう、それならいいけど」
神々は、神の力の優劣により上下関係を作っていた。
アントリュウスの息子ということで夢には、仕方なく挨拶をしていた者が多く、心のどこかでは見下していた。
夢の学力、神の力も順位は中間くらいだった。
一つだけ飛び抜けた才能は絵が上手いことだったが、絵を描く神などほとんどいなかった。
学校の中では、神としての評価は低く誰からも慕われていない。
夢が、天界の神々の頂点に立ち天界の神々を従わせるなど想像する者は誰もいなかった。
みんなお兄ちゃんの本当の力を知らないのよ・・・
幼少の頃、夢のスケッチにアミスは天界を果ての奥地について行った。
神秘の領域というに相応しい景色だった。
誰も訪れず荒らされず天界の大自然が作り出した風景だった。
「お兄ちゃん、凄いねこんなに神秘的なところよく知ってたわね!」
「かか様とお母様には内緒だよ!知られると危ないから行くなって外出の許可がおりなくなっちゃうよ」
「お兄ちゃんは、色んな所に行ってるんでしょ?私も連れていってよ!」
「連れて行きたいけど見たい綺麗な景色の所にはたいていとんでもない幻獣がいるから危ないんだよ」
「ここも幻獣が出るの?」
「ああ、出るよ僕からは離れないで」
強い幻獣がいるとそこに行ける者は少ない、だから荒らされず神秘な景色のままだった。
「お兄ちゃん、私の神の力を知ってるでしょ?」
「知ってるけどアミスはまだ子供だから力を過信しちゃだめだよ」
「もう、お兄ちゃんも子供でしょ、お兄ちゃんスケッチしてていいよ、私が幻獣見張っててあげるから」
「じゃあスケッチに集中するよ」
「何なのあれ!目玉見たい!?」
えっ!
夢は幻獣の気配に気づいた。
「しまった!囲まれた!!」
「囲まれたって何に?」
「ここの幻獣は気配だけでなく神の力まで消すんだ!気をつけろアミス空間を切り裂いて襲って来るぞ!!」
アミスが剣を抜いて目玉しか見えない幻獣に斬りかかろうとしたが、夢が、慌てて止めた。
「駄目だアミス、数が多い!逃げることを考えるんだ!」
「幻獣三匹なんて、一匹殺しちゃったほうが逃げやすいんじゃない?」
「三匹じゃない七匹はいる!」
「七匹も!どこに!?」
「危ない!!」
夢がアミスを抱き抱えて浮遊魔法を使って空に飛んだ。
景色に亀裂が入り幻獣の目玉が見えた。
「空は危険だ!」
着地した。
夢が剣を抜いて構えた。
「お兄ちゃん、何処かに隠れようよ」
「隠れても無駄だよ、こいつ等は微かな神の力も感じとる!」
夢の背中から光の粒子が現れ翼のように見えた。
「お兄ちゃん・・・」
夢の動きが速く速くなり一瞬消えたかのように見えた。
その次の瞬間。
「うぎゃあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜っ!」
一匹の幻獣の腹部が切り裂かれ血が吹き出した。
「悪いね、逃げてくれると嬉しいんだけど」
かか様だったら幻獣とも会話して追い払う事もできるだろうけど僕にはそんな力はない・・・
アミスを見た。
この幻獣たち、逃げないなら殺すしかないアミスが怪我をしたら大変だ!
夢が幻獣を睨みつけた。
光の粒子の翼が怒りによるダイヤモンドを散りばめたように輝いた。
幻獣が夢のオーラに怯んだ。
「殺す!」
一匹の幻獣の首を斬り落とし地面に転がった。
それを見た幻獣たちが一斉に逃げ出した。
良かった逃げてくれて、あまり殺しはしたくない
「アミス、もう大丈夫だよ」
アミスが夢に駆け寄って抱きついた。
「お兄ちゃん!怖かったよ〜〜〜〜」
「幻獣はもういないから安心して」
夢は何もなかったかのようにスケッチを再び描き始めた。
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