桜の木の下で……(2)
洋介、袋を差し出す。
[洋介]:「そしてお茶飲め。そうすると、心、落ち着く」
[春美]:「何で今度は片言っぽいんだよ……」
[洋介]:「俺に演技の幅の広さを感じただろ?」
[春美]:「だからお前は何になりたいんだよ……」
[洋介]:「俺には、色んな可能性が秘められてると思うんだよ」
[あやめ]:「……何だか、話がループしそうだね」
[百合]:「視聴者さんには、このシーンカットで行きましょうか」
[春美]:「視聴者って誰だよ」
[洋介]:「そうだ!春美にしゃべっておきたいことがあったんだ」
[春美]:「もうお前の話は聞かなくていい」
[洋介]:「心配するな。次からの話は、お前に対して話したかったメインの話だ」
[春美]:「……だったら最初からその話をしてくれてもよかったんじゃないのか?」
[洋介]:「いやほら、メインの話を最初からしたら、盛り上がりに欠けるだろ?」
[春美]:「お前がずっとしゃべってるだけだったから、盛り上がるも何もなかっただろうが」
[洋介]:「え? 俺の話、つまんなかったか?」
[あやめ]:「……お客さんに見せる程の内容じゃないから、カットされたよ」
[洋介]:「何てことだ。あんなに熱く語ったというのに……」
[百合]:「ドンマイよ洋介。いつかそのシーンは未公開シーンで非公開されるから」
[洋介]:「非公開だったら結局お蔵入りじゃないか!」
[春美]:「それはいいから、俺に話したかったことを早く話せよ」
[洋介]:「うう、分かったよ……くそ……」
[春美]:「で? 何の話だ?」
[洋介]:「ああ。……春美は、結構びっくりする話かもしれないな」
[春美]:「?」
[洋介]:「お前、寮のすぐ隣の公園の桜の木のところによく行くよな?」
[春美]:「ああ」
[洋介]:「その桜の木が、近々切られてしまうらしいって話が市のほうで持ち上がってるらしいぜ」
[春美]:「…………っ!? げほ、げほ……」
春美、お茶を飲む途中でむせる。




