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桜の木の下で(15)
杏花、ぐっと春美に顔を近づける。
[春美]:「……顔近いぞ」
[杏花]:「おっと、ちょっと興奮しちゃった」
杏花、顔を離す。
[杏花]:「とにかく、桜は素敵だよ、うん」
[春美]:「そうかい」
[杏花]:「だから、ここの桜が咲く姿、一回でいいから見てみたいな~」
[春美]:「……これが桜の木だって、知ってたのか?」
[杏花]:「ろんもちですよ! ちゃんにい」
[春美]:「何で業界用語になってるんだよ」
[杏花]:「咲いてなくても分かりますよ。幹からして、これは間違いなく桜だもの。桜ヲタクの私が分からないわけがありません」
[春美]:「そうか」
[杏花]:「兄ちゃんは、ここの桜が咲いたところ見たことある?」
[春美]:「いや、ない」
[杏花]:「そっか~、知ってたら教えてほしかったんだけどな~、ま、気長に待とう」
[春美]:「気長にって、お前な……」
[杏花]:「何かツッコミたそうだけど、認めません!」
[春美]:「……まあいいよ。俺がとやかく言うことじゃないし」
[あやめ]:「おーい! 春美~!」
遠くの方からあやめの声。




