桜の木の下で(14)
杏花、ゆっくりと膝をつく。しかし、すぐに立ち直り。
[杏花]:「でも、幽霊が悪いものだけじゃないって伝わったのならオッケーか。よし、復活!」
杏花、両手で握りこぶしを作りながら。
[杏花]:「そういえば、さっきから知りたかったんだけど」
[春美]:「まだ話をする気か?」
[杏花]:「いいじゃーん。私の秘密をお兄ちゃんは知ったわけなんだから。もう、普通の関係ではないんだよ」
[春美]:「秘密も何も、隠そうとしてなかったじゃないか。ていうか、お兄ちゃんやめろ」
[杏花]:「だって、お兄ちゃんにはお兄ちゃんって呼び方が一番しっくりくるんだもん」
[春美]:「冗談やめろ」
[杏花]:「冗談じゃないよ~、本当のことだよ」
[春美]:「はぁ……」
春美、頭を掻きながら。
[杏花]:「それより、ねえ。聞きたいことあるんだけど聞いていい? いいよね、ありがと~」
[春美]:「まだ許しちゃいねぇよ……」(春美、ボソッと呟く。)
[杏花]:「お兄ちゃんは、桜が好きだったりする?」
[春美]:「桜?」
[杏花]:「うん、桜。チェリーブロッサム!」
[春美]:「別に嫌いではない」
[杏花]:「今の英語で言ったところはノータッチなんだね」
[春美]:「言っただろ。くだらないことには付き合わないって」
[杏花]:「私は全力でボケたつもりだけど!?」
[春美]:「……そこはもういいだろ。もう一度言うけど、桜は嫌いじゃない」
[杏花]:「はーい。そっか、じゃあ好きなんだね」
[春美]:「まあ、好きか嫌いかと言われればな」
[杏花]:「そっか。じゃあ、私と同じなんだ。私ね、桜が大好きなんだ。とっても、とっても!」
[春美]:「そうか」
[杏花]:「反応うす!?」
[春美]:「他に答え方があったのか? 反応しただけ良いと思え」
[杏花]:「……負けないぞ、私は負けないから」
[春美]:「感情の変化が激しいな……」
[杏花]:「桜ってさ、見てるとすごく癒されるよね。心が洗われるっていうかさ、そんな感じがしない?」
[春美]:「まあ、綺麗ではあるな」
[杏花]:「だよね? 特に花びらがヒラヒラ舞う姿なんて、もう言葉にならないくらい美しいよね!?」




